為替と外貨預金
最近は、銀行に行かなくともインターネットバンキング等で簡単に外貨預金口座を作ることもできます。日本円口座から振り替えるか、もしくは外貨を送金することで、米ドル建て (ユーロ建て、豪ドル建てなども) の普通預金や定期預金、マネーマーケットなどでの資金の運用が可能になっています。

日本の預金金利が、ゼロに近いような状況を考えると、6ヶ月から 3年の定期預金で 3.5% - 5.5% の利息の付くドル建ての外貨預金にはメリットがあるように見えます。残念ながら、外貨預金にはデメリットもあります。1)為替手数料: まず、円貨を外貨に替える際の為替レートである TTS と外貨を円貨に替える際の為替レートである TTB の差は、最も小さい米ドルの場合で通常 1 - 2円 (約 1 - 2%) ですから、1年くらいの定期預金では、それだけでメリットがなくなってしまいます。ただし、ソニーバンクのような銀行を利用するとこの手数料は 25銭と大幅に低く抑えることができます。2)為替リスク: 円貨と外貨の交換レートは絶えず変動していますから 円貨を外貨に外貨を円貨に替える際の為替レートの差が為替差益や差損となります。円安になれば為替差益が生じ 円高では為替差損が生じます。

為替もランダムウォーク理論で動きますから、それを予測して短期的に利益を出そうとするのは、愚かな行為ですが、二国間の為替レートは、購買力平価 (Purchasing Power Parity) というメカニズムで長期的には均衡するので、二国間の物価上昇率の違いを考えると、円はドルに対して徐々に強くなる傾向にあると考えるのが自然です。従って、ドル建て預金はそんなに有利な運用方法とは言えないかも知れません。

   


2002年のはじめには 日本の株式市場が底値をつけ、円がドルに対して売られて円安が進行しましたが、それ以降は円が買われて円高基調に推移してきました。従って、この 2001年から 2003年の前半までの間にドル建ての預金をした人達は あまり良い結果にならなかったのですが、逆に、2004年から 2005年の初めにかけて始めた人は、非常に良い結果なった訳です。

海外の株式や債券などに投資をする投資信託も外貨預金と同じデメリットに直面します。しかし、ハイリターンが期待できるわけですから、そうしたファンドへの投資は、決して悪いアイデアではありません。預金の金利差以上に見込めるリターンの較差があれば、魅力のある投資だと言えます。例えば、中国株などが投資の対象になっているファンドであれば、通貨の切り上げも追い風ですから、魅力を感じる人は少なくないでしょう。ただし、為替リスクやその他コストを十分認識した上で全体の資産の運用の1オプションとして、こうした投資を考えることが重要です。繰り返しになりますが、投資は、リスクの分散が基本ですから。