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シャフト (ゴルフクラブ選びの知識)
 
 
シャフトは 大きく スチール・シャフトと (カーボン) グラファイト・シャフトに分類される。遠くへ飛ばすことが目的のドライバーは ほとんどが グラファイト・シャフトになっているが、アイアンは飛ばすことよりも正確さが要求されるクラブで、また、相対的に価格も低いことから スチールシャフトの人気が高い。クラブの特性は シャフトの硬さ、長さ、重量、重量配分 (バランスポイント)、キックポイント (調子)、トルクなどに大きく左右されるが、加えて、シャフトとヘッドの相性やクラブ全体の重量とそのバランスなどにも大きく左右される。特に、クラブヘッドの重量、重心距離、重心角、そして、その慣性モーメントなどのシャフトとヘッドの相性への関与は大きい。

一方、ヘッドスピードとスイングのタイプ (ヒッターかスインガーか) によってどのようなシャフトが向いているか 概ね 決まると言える。 ヘッドスピードが早く 力のある人 (所謂、ヒッター) は、 硬くて、重くて、トルクの低いものが適しているし、ヘッドスピードが早くても、スインガーと言われるタイプのプレーヤーは、あまり硬くなく、トルクも中程度のシャフトが一般的に合っていると考えられている。また、ヘッドスピードの遅い人は、逆の設定 (軟らかくて軽め) のシャフトを選ぶと良いだろうし、ローキックポイントで先調子のクラブは ボールが上がり易いので、そうしたクラブが合う可能性も高いだろう。また、アイアンでもグラファイトシャフトか軽量スチールのシャフトがオススメだ。

シャフトのたわみ (フィーリングとパワーの決め手)


シャフトはダウンスイングの時に鞭のように 「たわむ」 が、その力を上手く利用すれば 同じスイングでもクラブヘッドのスピードを 10% -15% 早くすることが出来ると言われる。そのパターンを 右図を使って説明すると (1) のクラブヘッドが加速しながら力が蓄えられるステージ、(2) の加速モードが終わって 「たわみ」 がリリースされ始めるステージ、(3) のシャフトとクラブヘッドがキックするような形でリリースされて 蓄えられた力が エキストラの力を生み出すステージ、そして、(4) の フォロースルーのステージに分けられる。

どのようなシャフトが合うのかを単にヘッドスピードだけで決められない理由は、この (1) (2) (3) で力が蓄えられ、その力が放出される リーリースとキックのパターンとタイミングが それぞれのスイングで異なるからである。前述のヒッターは (1) と (2) のスピードが比較的早いのに対して、スインガーの場合は (1) と (2) のスピードを抑えておいて (3) でクラブヘッドのスピードを上げるスタイルだから、ゆっくりしたテンポのスイングになる。

いずれにしても、この 「たわみ」 のリリースとキックが最適なタイミングで起きるようなシャフトとヘッドの組み合わせを選べば良いことになる。上手くコントロール出きれば 「たわみ」 は大きい方が その生み出すエネルギーは大きくなるという理屈になるが、「たわみ」 が大き過ぎればコントロールし難くなる訳だ。また、クラブヘッドの重さを 上手く感じるためにも 適度な 「たわみ」 が必要と考えられる。一般的には 柔らか目のシャフトの方がクラブヘッドの感触が伝わり易く、ドローを打ち易くなるが、柔らか過ぎればヒッカケや好ましくないフックが出やすくなる。逆に、硬過ぎるシャフトでは ヘッドの重さを感じることが出来ず プッシュアウトやスライスが出易いという傾向になる。

シャフトの硬さの表示方法

シャフトの硬さは 柔らかい方から順に (J、L、A) R、(SR)、S、X、(XX) と表示されるが、例えば、40 m/s 以下のヘッドスピードの人は S 以上の硬いシャフトは 避けた方が良いといったような目安に使われます。なお、シャフトの硬さの測定方法には シャフトに重量をかけてそのたわみ量を計測するベンド測定法とシャフトのグリップ部を固定してクラブを振動させてその振動数を測定する固有振動数測定法とがある。最近では R、S、X といった表示の他に この振動数を表す数値がシャフトに表示されていることが良く見受けられる。振動数が毎分 260 (CPM) であれば 6.0、また、270 であれば 7.0 といったように表示するのが一般的で、同じメーカーの同じタイプのシャフトであれば 5.5 のシャフトは 6.0 のシャフトより 柔らかいことになる。しかし、この方法では シャフト・ティップ (先) の特性を示す尺度にはならないなどの問題もある。そのような状況下、各メーカーが独自な方法でシャフトの硬さを表示しているのが現状で A社のシャフト S が B社のシャフト S よりも全般的に硬く感じるなどといったことがあるだけでなく、同じメーカーのシャフトでも、シャフトの種類によって硬さの感覚に違いが出るというような状況も見られる。つまり、シャフトの硬さの表示は、非常に 分かり難くなっているのが実態で、メーカーの表示は 参考値として使うべきだという考え方にもなっている。また、同じ S でも US スペックのクラブの方が 全体的に硬めなシャフトである といったようなことも言われている。

一方、メーカーによっては R200、R300、R400 などという表記をするが、これは シャフト重量の (2g 単位) 違いを示すもので、R200 は R400 より軽く柔らかいシャフトであるということになり、そうした同じ振動数のシャフトの硬さの感触を表記するものという意味で こうした表記方法をサブ・フレックスと呼んでいる。

トルク、キックポイント、重量の影響

なお、ねじれ方向の硬さの指標となるトルクもシャフトの変形とクラブのリーリースに大きな影響を与える要素である。特に、トルクと慣性モーメントの関係には 注目すべきでしょう。概ね、トルクの低いシャフトは 「ねじれ」 が小さくなり 硬いシャフトと同じような影響を及ぼすと考えれば良いだろう。つまり、より硬いシャフトを使いたければ スティッフで ロートルクのシャフトを 選べば良いことになる。一般的に、スチールシャフトのトルクは 低く、グラファイトは そのバリエーションが大きいと言える。グラファイトシャフトは 3.0 - 5.5 のトルクの製品が最も多く、トルクが 3.0 以下のシャフトであれば、ロートルクのシャフトと考えて良いだろう。

また、キックポイントもシャフトの感触に大きな影響を及ぼす。通常は ローキックポイント (先調子) のクラブの方が相対的に柔らかく感じ、ボールが上がると考えれば良いだろう。最近は 調子が フライテッド (flighted) と表記されたクラブも多く見られるようになっているが、それは 所謂 フローデザインの一種で、ショートアイアンでは手元調子、ミドルアイアンは中調子、そして、ロングアイアンが先調子といった具合に調整されたシャフトのことである。

ドライバー用のグラファイト・シャフトで軽いシャフトは、40-55gで、重めなものは 70-90g クラスのものまである。しかし、日本で市販されているドライバーでは、シャフト重量が 50g 台のものが圧倒的に多く、やや重めなものが 60g台、そして、70g 台のシャフトまでは 一般に良く見かけるが、それ以上重いシャフトのクラブは 極めて少なくなる。

一方、アイアン用 スチール・シャフトは、カット前のシャフト重量が 90 - 130g のものが 最も一般的だが、最近では 80g 以下の超軽量スチールシャフトも出回っている。逆に、重いシャフトは 130g 以上のものまである。また、チタンのシャフトなども一部で利用されるようになっている。さらに、スチールシャフトのバリエーションが最近では増え、ライフル・シャフト (ステップのないシャフト) や手元がグラファイトで先はスチールのシャフト、さらには、シャフトの径やテーパーが従来のものとは異なったものなど様々なスタイルのものが出回っている。 アイアン用 スチール・シャフトの詳細

通常、重めのシャフトは トルクが低く、力のあるプレーヤー用の仕様になっていると考えれば良いでしょう。最近のドライバーは、相当きめ細かにシャフトの仕様を決めることが出来るので、十分配慮して最も自分にあ ったシャフトのクラブを選ぶようにしたいものである。 選択肢が増えた分、何が良いのか分からなくなってしまう面もあるが、クラブの重量やシャフトの仕様と特性、加えて、自分のスイングの特徴を (スイング解析のデータを利用して) 理解すれば、何が自分に合うのかは、おのずと見えてくるはずだ ドライバー選びとスイング解析

シャフトの歪とピュアリング

最後に、シャフト (特に、グラファイトシャフト) の直線性や対称性といった観点からの歪について説明しよう。完全に真っ直ぐで均一な板厚のシャフトを作ることは出来ないから、シャフトには そうした意味での歪がある。そうした歪のあるシャフトを無造作に装着するとスイング時のクラブフェースの向きや軌道に悪影響を与えることになり、安定性を欠くクラブになってしまう訳だ。ところが、その歪に対して ある方向に クラブヘッドを装着すれば 歪の影響は ほとんどなくなる という性質があり、その点に着目したのが シャフトのピュアリングという調整方法である。一般的には まだ あまり普及していないが、アメリカのツアープロの間では ピュアリング・プロセス (Puring Process) と呼ばれ、ほとんどの選手が利用するようになっているシャフトの取り付け方である。
 
 
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