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ギア効果 (Gear Effect) とは

このページのコンテンツ
• はじめに
• ギア効果の仕組み
• バルジの役割
• ボールを浮き上がらせる力
• バックスピン量を抑える効果
• 最適な 打ち出し角とバックスピン
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


歯車ボールの弾道は ショットのスイング軌道、スピード、フェース面の向き、風向きなどに 左右されるが、加えて、クラブヘッドの形状と フェースの何処にボールが当たったのかにも 影響される。ウッド 特に ヘッドの大きな ドライバーで フェースのセンターに ボールが当たらなかった時は ギア効果 (gear effect) と呼ばれる フェース面の よじれ (twist) に起因する スピン・ファクターが影響を及ぼす。

ギア効果の仕組み


ギア効果の仕組み右のイラストのように、クラブヘッドのセンターでない所にボールが当たった場合は クラブヘッド側に「よじれ」で生じる力が発生するが、同時に それと対比する反対方向の力が 二つのギアが回転する関係のように ボール側にも生じ、例えば、クラブヘッドの トウ側で打ったボールには フック回転が、逆に ヒール側に当たったボールには スライス回転が生じるという現象になって現われる。ボール側に発生する力と ボールのスピン量は クラブヘッドの重心深度 (y)、フェースにボールが当たる時のオフ・センター度 (x)、ヘッド・スピード (v) に 正比例して(ただし、ヘッドの慣性モーメントに反比例して)増減するという仕組みになっている。つまり、重心深度が大きなドライバーを使ったショットで 芯を 大きく トウ側に外して打ったら(慣性モーメントの大きくないクラブは 特に)かなりのフック・ショットになると言うことだ。ただし、アイアンのような重心深度が浅いクラブでは オフ・センターにボールが当たるショットをしても よじれ によって生じる力のベクトルが ボール側に伝わる方向には発生しないので ギア効果は見られない。


バルジの役割


ギア効果ところが、通常、ドライバーのフェース面には バルジ (buldge) と呼ばれる 中央がわずかに(水平方向に)膨らんだ曲面(凸面)が付けられているから それによって 上述のような ショットのギア効果によるフック(スライス)回転は トウ(ヒール)側のフェース面が 少し オープン(クローズド)になっていることで 低減される訳だ。同時に、ボールの打ち出し角も フック(スライス)が出て ちょうど良くなるように バルジが調整してくれるから それで ミス・ショットの方向性も ある程度 補正される仕組みになっている。平らで バルジのないクラブ・フェースのドライバーで 右図のように 芯を 大きく トウ側に外して打ったら 大きな フック・ボールになり g のような軌道になって ボールは 最終的には ターゲットより 左に外れてしまうが、適度なバルジがあれば 右図 b のような軌道になり ターゲットを大きく外すことは なくなるのである。

ボールを浮き上がらせる力


揚力ボールの軌道は サイドスピンの影響だけでなく 当然ながら バックスピンの影響も受ける。バックスピンがかかったボールでは 右のイラストのように ボールの上の空気層が回転に助けられて より早く流れるのに対し、ボールの下の空気層では ボールの回転の動きによって流れが阻害され 流速が落ちるという現象が起きる。その結果、ボールの下の方の空気の圧力が 上からの圧力より大きくなって 下から上に向かって ボールを浮き上がらせる力、揚力が発生する。飛距離を最大限に伸ばすためには その揚力とボールが進行方向に進もうとする力を 上手くバランスさせる必要がある。そして、ドライバー・ショットでは 10 - 14°のボールの打ち出し角で スピン量が 2,200 - 2,600 RPM になるのが 最適だとされている。下図を見て欲しいが、打ち出し角が 低過ぎたり スピン量が不足していれば ボールは 早くドロップしてしまうし(赤の弾道)逆に 打ち出し角が 高過ぎたり、スピン量が多過ぎれば ボールは吹き上がって(緑の弾道)飛距離を伸ばすことは出来なくなる。

ドライバーの飛距離とバックスピン量の関係


バックスピン量を抑える効果


ギア効果(縦方向)そこで、最近のドライバーでは 左右のギア効果だけでなく、上下の丸み(ロール)による ある意味 縦方向のギア効果(右イラスト参照)を上手く利用して スピン量を抑え目にして 高弾道ボールが打てると言う コンセプトで 飛距離アップを図るデザインのものが目立つようになっている。重心深度の深いクラブを シャロー・フェースの低重心設計にすれば クラブヘッドの縦方向の慣性モーメントが小さくなるから バックスピン量を減らす ギア効果を生むフェース面積を フェース上部だけでなく、中心に近いところまで広げることが出来る。そうしたクラブでは 高弾道・低スピンという(飛ぶ)ボールを クラブ・フェースのスウィート・スポットか それよりも少し上で打つ限り 打つことが出来るようになる。さらに、スウィート・スポットより低いところに当たったようなミスショットでも ある程度 ボールが上がるという 優れたクラブになるというメリットもある。昔のクラブは 高弾道にすれば 高スピンになってボールが吹き上がり 飛ばすことが出来なかったが この設計コンセプトによって 飛躍的にボールを飛ばすことが出来るようになった訳だ。

最適スピン量は クラブ・フェースのセンターより 0.5インチ(12.5mm)上に当たった時に得られると言う実験データもあるが、これについては スイング軌道や ヘッド・スピード そして 低重心度に ロフト、さらには シャフトの特性などにも影響されるので 必ずしも そうとは言えない側面もあるだろう。ティーアップの高さと アッパー・ブローの角度には 限度があるから クラブ・フェースのセンターより 少し上で打った時に 飛距離が最大になるということは 間違いのない事実であろうが、より アッパー・ブローにクラブを振ることの出来る人は よりセンターに近い所でボールを打った方が 飛距離が伸びると考えられる。(» スマッシュ・ファクターとアタック・アングル)また、最近のドライバーには前述の最適スポットを 外した ショットの飛距離のロスを 縦方向のフェース面のロール形状を(より 科学的なデータに基づいて)工夫することで ミニマムにする と言った優れたデザインを取り入れているものもあるようだ。

最適な 打ち出し角とバックスピン


昔は 多くのゴルファーが 最適な打ち出し角とバックスピン量の関係でボールを打つことが出来なかったが、低重心で 重心深度の深いクラブの出現で 理想の組み合わせのボールを打つことが出来るようになった。特に、ドライバー・ショットのスイング軌道が ダウン・ブロー気味で バックスピン量が多過ぎる人は このシャロー・フェース(低重心)で 重心深度の深いクラブを ヘッドと シャフトとのマッチングにも注意を払って 試して見ると 飛躍的に飛距離を伸ばせる可能性があるだろう。

なお、最後に補足になるが、シャフトのトルクが ギア効果に与える影響は 1% 以下だと考えられているので ギア効果という側面からは 無視できるものである。また、シャフト先端部の硬さ(ティップ・スティッフネス)は 若干 バック・スピン量に影響を及ぼすが、毎分数百回転程度のものと言われており、ギア効果によって 増減できるスピン量に比べれば 小さいものである。





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