はじめに

プレー中に 自分のボールを何らかの理由で(通常はマークをしてから)拾い上げることがある。しかし、そんな時に ボールを綺麗に出来るか、そうでないのか、また、ボールを プレースするのか、それとも ドロップするのかなど、その対処の仕方はボールを拾い上げる理由によって異なる。そして、その対応を間違えば ペナルティが 科されることもある。そこで、ここではプレー中にボールを拾い上げる時に 間違いを犯さないよう、関連ルールと対処法について、少し詳しく説明する。
ボールを拾い上げる理由
下表は ボールを拾い上げる理由別の対処法を まとめたものだが、これからも分かるように ボールを拾い上げる理由も 対処の仕方も 様々である。
ボールを 拾い上げる理由 |
綺麗に |
置き方 |
1) グリーン上のボールをマークした時 |
可 |
リプレース |
2) ハザードや修理地などの理由で 救済を受けた時 |
可 |
ドロップ |
3) 自分のボールであるかどうか拾い上げないと確認できない時 |
不可 |
リプレース |
4) ボールが傷などでプレーに適さない状態かどうか確認する時 |
不可 |
リプレース |
5) 自分のボールが他のプレーヤーのプレーに影響を及ぼす時 |
不可 |
リプレース |
6) ローカルルールで(例えば、6インチ)ボールを動かせる時 |
可 |
プレース |
ボールを綺麗にできるケース
まず、グリーン上で ボールをマークして 拾い上げることは 最も 頻繁に行われることで 今更 その対処法を説明する必要は 然程 ないと思うが、ボールのマークの仕方や リプレースの仕方など(
» グリーン上での重要なルール)については 一度 良く確認しておくと良いだろう。因みに、ボールのマークは ボールマーカー (小さなコインや 同様の物が好ましい) をボールの真後ろに置いて マークすべきだと ルールブックには 記されている。ただし、ティーや ルースインペディメントを使用したり 真後ろではなく 横や前に マーカーを置いて マークをしても ルール違反ではない。また、裁定集には このルールに関して 具体的に ボールから 2 インチ(5 センチ)ほど離して ボールの位置をマークする行為が(その位置を 正確に マークしたものとは 認められないので その都度)1打罰に該当するルール違反だとも記されている。また、リプレース後、ボールが動いてしまう可能性のあるライにあるボールの場合などは 細心の注意を要するので 関連ルールは 熟知しておきたいものだ。ボールマーカーを置いておいても ボールのリプレース後に 自然と動いたボールは 元の位置に戻さず、新たに ボールが止まった所から (無罰で) プレーをしなければならない。
次に良くあるケースは ウォーターハザード、アンプレヤブルなライ、そして、修理地などからの救済でボールを 拾い上げるケースだろう。そうした場合は ペナルティが科せられるケースであろうと なかろうと ボールを綺麗にすることが出来、ボールはルールに従って 正しく ドロップしなければならない。(
» ボールのドロップの仕方)なお、救済を受ける場合は 必ず ボールの位置、または、
救済の二アレストポイントを 正しくマークしてから ボールを拾い上げるのが原則で、それを怠れば 1打罰のペナルティが 科されることもあるから要注意である。
ボールを綺麗にできないケース
一方、通常は 拾い上げることが出来ないが ボールの確認や 他のプレーヤーの邪魔にならないようにという理由で ボールを拾い上げる場合(上表の 3, 4, 5 の理由)は ボールを拾い上げる前のライに出来る限り近い状態を 再現する必要があり、ボールを綺麗にすることは出来ず、ボールは リプレースされなければならない。ただし、3) のケースで ボールに付いている泥のために 自分のボールかどうかを確認出来ない時は 確認に必要な最小限の泥を取り除くことが出来る。2008年のルール改定で ハザード内でも ボールの確認の為に ボールを拾い上げることが出来るようになり、それに伴って、誤球のルールも 一部変更されたので その点も 間違いのないよう注意して欲しい。
» 詳細
なお、4) のプレー中のボールに傷がついて ボールが プレーに適さない状況だと考えられる時は ボールを拾い上げることが出来るが その結果 ボールが プレーに適さない状況であることが確認出来れば ホールアウトする前であっても ルール (規則 5-3) に従って 別のボールに取り替えることが出来る。
» 詳細
また、ボールが二つ並んでいる時や 同伴プレーヤーのプレーの線上に 自分のボールがある時などが 5)のケースに 該当する時である。同伴プレーヤーに退けるよう依頼された時は 元の状況が再現できるよう ボールをマークして ボールに付着している土や草などが取れないよう注意して 摘み上げるように拾い上げることになる。同伴プレーヤーのプレーが済んだら 出来る限り 元の状態を再現するように ボールをリプレースする。
プリファード ライのルール
最後になるが プリファード ライ(preferred lies)のルールが採用されて 6 インチ または ワンクラブ レングスの範囲で ボールを動かせる場合は ボールを綺麗に出来る。ただし、ボールを動かして良いのは 原則 1回で その処理の間に ボールを綺麗にすることが許される訳だ。当該ルールの運用は 厳格になされないことも多いと思うが 1 度プレースし終わったボールを その後に 再度 動かした場合は その都度 1 打罰が科される。勿論、このローカル ルールがある場合は そのルールに従って 自分に最も有利な処置が出来訳だから それを 1 回のプレースメントで確り完了させるよう 注意を払って行うべきである。因みに、プロのトーナメントでも 雨の日や 雨が激しく降った後のラウンドでは プリファード ライのローカル ルールが採用されることは 珍しくない。
» ローカル ルールとは