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コースレーティングとスロープ

Introduction

現在の JGA 公式ハンディキャップシステムは 2014年に旧システムから変更されたものだ。その変更の最大の目的は スロープレーティング(通常は 単に スロープと言われることが多い)システムを導入することによってハンディキャップ制度をより合理的な 欧米のシステムと同等なものにすることであった。以下は その「スロープ」及び ハンディキャップシステムの説明である。

コースレーティングとは

まず、コースレーティング (Course Rating) について 簡単に 説明しよう。コースレーティングは スクラッチゴルファーにとって そのコースがどの位難しいのかを示す尺度だが その数字が大きければ 難易度は高く、小さければ低いというもので 通常は小数点第一位までの数字で表示される。例えば、レディースティー 71.5、レギュラーティー 70.5、バックティー 71.8 などと それぞれのティーイングエリアごとに設定される。理論的には JGA のスクラッチゴルファーが 10 ラウンドして、その内、良いスコア 5 ラウンドだけの平均スコア (*) を 算出した時(USGA の場合は 10 / 20 ラウンド)その数値がラウンドしたゴルフコースのコースレーティングの平均値に等しくなるというものである。(*) 正確には 最大ストロークの調整をしたスコアの平均(詳細後述)である。

スロープとは

そのコースレーティング(コースレートとも言う)は 日本の JGA のハンディキャップ算定に考慮される コース難易度に係わる唯一の基準であった。つまり、スコアと そのスコアを出したコースのコースレートからハンデは算出されたのである。しかし、JGA は その算定法を 2014年に改定し その計算式にスロープレーティング (Slope Rating) という もう一つのコース難易度の指標を導入したのである。これは アメリカの USGA が 1990年に導入を始め 採用してきた方式で 日本の JGA も 2014年から それを導入することにしたのだ。

この算定法の変更前は スクラッチゴルファーにとって難しいコースは 初心者にも平均的なゴルファーにも難しいコースになる訳だから これをもってコースの難易度を示せば十分と言う考え方であった。しかし、一般のアマチュアゴルファーにとって コースの難易度は 必ずしも スクラッチゴルファーと同じになる訳ではない。例えば、100前後のスコアでラウンドする技量のゴルファーの場合は 池が沢山あるだけでコースの難易度は高くなるだろうが、スクラッチゴルファーにとっては 必ずしも そうはならない。また、例えば、コースレーティングが 70.0 のコースでプレーをして 100 前後のスコアでラウンドする人が コースレート 75.0 のコースでプレーをした場合のスコアは 105 前後になるのではなく 115 とか 120 になるというのが普通なのだ。

そうした実態に鑑み、アメリカでは スロープレーティング (Slope Rating) という尺度が生まれ、それがコースの難易度を示す物指しとして広く普及しハンディキャップの算定にも用いられるようになった。スロープレーティングは コースの傾斜度を表している訳ではなく、コースの難易度を示す もう一つの尺度である。こちらは 初心者やアベレージゴルファーのハンディキャップを決める上で より合理的なシステムにしようという発想で導入されたもので 北米(アメリカ、カナダ、メキシコ)では 公式ハンディキャップの計算に 1990年から用いられてきた。従って、北米では どのゴルフコースのスコアカードにも このスロープの数値がコースレートと共に併記されている。

スロープレーティングもコースレーティング同様 数字が大きいほど難しいコースになるが 理論的には 55 ~ 155 の間の数字になるもので スロープが 113 で 計算上 ニュートラルな難易度のコースになる。スロープが 130 以上であれば 非常に難しいコースで 稀に 150 以上のコースもある。 そして、スロープは 以下のように ハンデの計算に使われる。

ハンデ (HCP) の計算式

ハンデの計算は 右下の表で各ホールごとの最大ストロークの調整をしたスコアを使い(それを Equitable Stroke Control と言う)それぞれのラウンドの HCP インデックスを 以下の計算式を用いて行う。

ハンデ計算式

ハンデ
1ホールごとの
最大ストローク
9 以下 ダブルボギー
10 - 19
7
20 - 29
8
30 - 39 9
40 - 49 10
50 以上 11
つまり、コースレート 72.0、スロープ 126 のコースで 72 を出した人の そのラウンドのインデックスは 0 になるが、82 でラウンドした人は 10 ストロークの差であるにも拘らず インデックスの差は 9 になるという現象が起きる。JGA の旧システムでは スロープのような概念を導入しておらず (Score - Course Rating) x 0.96 という数式で インデックスを計算していたので どのコースもスロープが 117.7 相当で計算しているのと同じだったと言える。ただし、2013年末までの日本の Equitable Stroke Control の仕方は USGA のシステムとは異なり より多くのストロークの調整がなされるもので、例えば、ハンデ 3 の人のスコアの調整は ハンディキャップ 1 ~ 3 までの 3 ホールで最大ストロークがダブルボギーになるが それ以外のホールではボギーにまでスコアが調整されるシステムだった。つまり、ストローク調整の面だけを見れば ハンデが低くなり易いようにも思えるが トータルで考えれば 必ずしも そうとも言えないシステムだったようだ。

新制度の合理性

以上のように、スロープを導入した新制度は 初心者やアベレージゴルファーのハンディキャップを決める上で より合理的なシステムである。加えて、ハンディキャップ ベースの競技での ハンデの計算にも利用され よりフェアーな ハンデ戦を可能にするものであることにも 注目すべきであろう。例えば、スロープが 126 のコースでのハンデ戦では ハンデが 4.3 以下の人は ハンデ通りだが 4.4 ~ 13.0 の人は 1 ストローク、13.1 ~ 21.7 の人は 2 ストローク多く、さらに 21.8以上の人は 3 ストローク多くハンデをもらえることになる。

コースレーティングとスロープレーティングと言う 二つのコースの難易度を示す指標をベースに ハンデの計算をすることの合理性については 以上の説明で理解頂けたものと思うが 実は スロープシステムとは似ているが 少し異なる概念の SSS (Standard Scratch Score) と CSS (Competition Scratch Score) というシステムがイギリスとアイルランドでは採用されていて スロープシステムだけが ゴルフのハンデシステムではないのだ。地域によって 今でも ハンデシステムには微妙な差があるのが現状である。

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