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全英オープンのお話

The Open全英オープンはその第一回大会が 1860年、即ち、150年以上前にまで遡る 世界で最も歴史のある ゴルフ・トーナメントである。全英オープンの正式英語名称は The Open Championship、また、単に The Open と略されて呼ばれることもあるが、イギリス以外では British Open と言われるのが一般的だ。例えば、アメリカで The Open と言った場合は、全米オープンと考えるのが普通だからでもあるが、全米オープンより 35年も長い歴史を持つ 全英オープンを The Open と呼ぶのは (当事者の立場からは 殊更) 当然なこと なのかも知れない。(» 全英オープン・オフィシャルサイト) 

ローリー・マキロイが優勝した 2014年大会は (» 詳細) 2006年にも大会が行われた イングランドの ロイヤル・リバプール (Royal Liverpool) で開催された。会場となった ロイヤル・リバプール、別称、ホイレイク (Hoylake) は イングランド 北西部にある リンクス・コースで、2006年大会では タイガー・ウッズが 2位に 2打差で 全英オープン 3回目の優勝を果たしている。

一方、7月 16日 - 19日 に行われる 2015年 (144回) 大会は ゴルフの聖地と呼ばれる セント・アンドリュースのオールド・コースで開催される。全英オープンが開催される 9コース (詳細後述) の中では 唯一 5年に一回の頻度で大会が行われるコースだが、2015年大会で オールド・コースでの開催は 29回目になる。

コースは、2010年大会と殆ど変化はないが、2015年大会は 下のような パー 3 が 2 ホール、パー 5 が 2 ホールの 7297ヤード、パー 72 のコース設定になっている。ご存知の方も少なくないと思うが、9番のグリーンがクラブ・ハウスから最も離れた所にあるが、2番から 8番ホールまで (そして、10番から 17番まで) がダブル・グリーンになっているのも 他のコースではまず見ることのない特徴である。

セント・アンドリュース

1 2 3 4 5 6 7 8 9 Out
375 452 398 480 570 414 371 174 352 3586
4 4 4 4 5 4 4 3 4 36
10 11 12 13 14 15 16 17 18 In
386 174 348 465 614 455 418 495 356 3711
4 3 4 4 5 4 4 4 4 36
St. Andrews Old Course (2015 The Open)

Claret Jug全英の大会優勝者には クラレット・ジャグ (Claret Jug) と呼ばれる優勝トロフィーのレプリカが贈られ、オリジナルのトロフィーには その名が刻印される。最初の名前は 1872年優勝の トム・モリス・ジュニアであり、当に ゴルフの歴史に その名を 永久に残すことになる。

今回の全英は ディフェンディング・チャンピョンのローリー・マキロイが欠場するが、マスターズ、全米オープンと ニ連勝したジョーダン・スピースのパフォーマンスに注目が集まっている。

なお、日本からは松山英樹、藤田寛之、小田孔明、岩田寛、池田勇太、手嶋多一、高山忠洋、富村真治 の 8選手が参戦する。2015年全英オープンの賞金総額は 920万ドル (優勝賞金 150万ドル) で、ここでの獲得賞金は PGA や JGTO のオフィシャル賞金獲得額に加算されるから、賞金王争いへの影響も大きい。

少し古い話になるが、2009年に ターンベリー (Turnberry) で行われた全英オープンでは 当時 59歳 (60歳に 2ヶ月) のトム・ワトソン (Tom Watson) が 2 アンダーで 72ホールを ホールアウトし、同スコアで 先にホールアウトし、最終的に 優勝した スチュアート・シンク (Stewart Cink) とのプレーオフになった。トム・ワトソンが 最終日に 1打リードして迎えた 最終 18番ホールで出してしまった痛恨のボギーは、まさに そのセカンド・ショットで起きた神の悪戯とも言える ラブ・オブ・ザ・グリーン (rub of the green) の結果だったと言えよう。 » トム・ワトソンの記録

歴史


第一回大会は 1860年に プレストウィック (Prestwick Golf Club) で行われたが、参加選手は 僅か 8名、12ホールのコースを 3ラウンド、36ホールのメダル・プレー (トータルのストローク数で競う形式) であったが、それが 近代競技ゴルフの始まりであったとも言える。その第一回大会は 初日 (10/17/1860) で 優勝候補のトム・モリス (Tom Morris Sr.) に 3打差をつけた ウィリー・パーク (Willie Park) が リードを キープして 2打差の トータル 174 というスコアで優勝した。

1871年大会は 戦争で中止されたが、1872年までの 12回の大会は 全て プレストウィックで開催されており (近年、プレストウィックで全英オープンは行われない) 当時は ウィリー・パークとトム・モリス親子の 3人が 圧倒的な強さを見せた時代であった。この頃、優勝賞金などはなく 名誉のチャレンジ・ベルトを優勝者が預かるというもので 3年連続して優勝するとそのベルトは優勝者のものになった。因みに、トム・モリス・ジュニア (Tom Morris Jr.) は 1868年から 1872年の 4大会連続優勝という快挙を成し遂げた。

1873年の大会は 初めて セント・アンドリュース (St. Andrews) で開催されたが、プレストウィック以外のコースで大会が開催されるのは それが初めてのことであった。しかし、それ以降は プレストウィック、セント・アンドリュース、ミュセルバーグ (Musselburgh) の 3コースの持ち回りで行われるようになった。さらに、その後 1892年にミュアフィールド (Muirfield)、1894年に ロイヤル・セント・ジョージ (Royal St. George's)、1897年に ロイヤル・リバプール (Royal Liverpool) などが それに加わるようになった。そして、1920年以降は The Royal and Ancient Golf Club (R&A) が大会の管理・運営を行うようになった。

ポスター

ジャック・ニクラウス紙幣その後 幾つかのコースが このローテーションに加わるようになる一方で プレストウィックやミュセルバーグなどは このローテーションから外れ、現在では スコットランドとイングランドにある 以下の 9コースが持ち回りで全英オープンをホストするようになった。1) - 5) はスコットランドのコースであるが、セント・アンドリュースのオールド・コースは 特別で、0 と 5 の年、つまり、5年に一度の頻度で (他のコースは 10年に一度) 大会をホストすることになっている。なお、2005年に ジャック・ニクラウスの引退試合が セント・アンドリュースで行われた時に スコットランド銀行が 5ポンドのニクラウスの記念紙幣を発行したのは 有名な話である。 » 詳細

全英オープン開催コース
1) セント・アンドリュース・オールド・コース (Old Course at St Andrews)
2) カーヌースティー (Carnoustie Golf Links)
3) ミュアフィールド (Muirfield)
4) ターンベリー (The Westin Turnberry Resort)
5) ロイヤル・トゥルーン (Royal Troon Golf Club)
6) ロイヤル・セント・ジョージ (Royal St. George's Golf Club)
7) ロイヤル・バークデール (Royal Birkdale Golf Club)
8) ロイヤル・ライサム・アンド・セント・アンズ (Royal Lytham & St Annes GC)
9) ロイヤル・リバプール (Royal Liverpool Golf Club, Hoylake) 単に、ホイレイクとも呼ばれる。

全英オープンは、所謂、伝統的なスコットランドとイングランドのシーサイド・リンクスのコースで行われる点で他のメージャーとは 一線を画している訳だが、特に、強風の中でのプレー、ポットバンカー (深いバンカー) やフェスキュー(膝くらいまである細く長い草) などへの対応、そして、アンジュレーションの大きなフェアウェイやグーリーンでボールを転がしてピンに寄せる技などが要求される点など 他のメージャー・トーナメントとは一味も二味も違ったゲーム展開となるところも見所である。

ところで、全英オープンの最多優勝経験者は ハリー・バードン (Harry Vardon) で 6回、次いで、ジェィムズ・ブレイド (James Braid)、ピーター・トムソン (Peter Thomson)、トム・ワトソン (Tom Watson) の 5回となっている。次いで、4回に ウィリー・パーク (Willie Park)、トム・モリス (Tom Morris Jr.)、ウォルター・へーガン (Walter Hagen)、ボビー・ロック (Bobby Locke)、さらに、有名な選手には 3回の優勝を果たしている トム・モリス (Tom Morris Sr.) やボビー・ジョーンズ (Bobby Jones) などがいる。なお、バイロン・ネルソン (Byron Nelson) は全英オープンに勝つことができずに グランドスラムを達成することができなかった。因みに、タイガー・ウッズは 2000年、2005年、2006年と 3回の優勝を果たしている。 » メージャー優勝者の記録


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