ホームページ > 全英オープンのお話し
他の豆辞典 | 名言集 (英語版) | サイトマップ
 
コンテンツ目次
 
 
 
 
全英オープンのお話し
 
The Open2010年の全英オープンは 600年もの歴史があると言われるゴルフの聖地 スコットランド (イギリス北東部) にある セント・アンドリュースのオールド・コース (Old Course at St. Andrews) で行われた。一方、2011年のオープンはイギリス南東部、ロンドンの約 100km 東にある町 サンドイッチ (Sandwich) にある ロイヤル・セント・ジョージ (Royal St. George's Golf Club) で 7/14 - 7/17 に行われる。2011年の大会で全英オープンは 第 140回大会になるが、過去に戦争で開催されない年があったこともあり、第一回大会は 今から 150年以上前の 1860年に開催されている。

ロイヤル・セント・ジョージは 1887年に設立されたクラブで、スコットランドの名門セント・アンドリュースに対抗するイングランドの名門クラブとして造られた。そして、1902年にロイヤル、即ち、王室の称号を授かった。過去には 戦前に 8回、戦後に 5回、計 13回、オープンを ホストしている。

2011年のオープンのコース全長は 右のように 7,204 ヤードとメージャー・トーナメントのコースにしては長くないが、まさに、ショットの精度が要求されるコースだ。フェスキューがコースの至る所にある リンクス・コースで アウトとインに それぞれ パー 5 が一つずつという レイアウトの パー 70 のコースである。 コース詳細情報

 
Royal St. George's Golf Club - Course Overview
1
2
3
4
5
6
7
8
9
Out
442
426
239
496
416
176
573
457
410
3635
4
4
3
4
5
3
5
4
4
35
10
11
12
13
14
15
16
17
18
In
412
242
379
457
545
493
161
424
456
3569
4
3
4
4
5
4
3
4
4
35

2011年の賞金総額は 600万ドルと景気低迷の影響を受けて 2010年の 700万ドルを さらにスケールダウンしたものになっているが、ここでの獲得賞金は PGA や JGTO のオフィシャル賞金獲得額に加算される。また、大会優勝者は クラレット・ジャグ (Claret Jug) と呼ばれる優勝トロフィーに その名が刻印され (最初の名前は1872年優勝のトム・モリス・ジュニア) 当に ゴルフの歴史に その名を 永久に残すことになる。日本からは若手の石川遼、池田勇太、そして ベテランの藤田寛之、平塚哲二、河合博大、高山忠洋の 6名の選手が参戦する。なお、膝の怪我の治療のためにタイガー・ウッズは、全米オープンに続き、全英オープンも欠場することになっている。

全英オープンの正式英語名称は The Open Championship (または 単に The Open) だが、イギリス以外では British Open と言われるのが一般的だ。例えば、アメリカで The Open と言った場合は、全米オープンと考えるのが普通だからでもあるが、全米オープンより 35年も長い歴史を持つ 全英オープンを The Open と呼ぶのは (当事者の立場からは 殊更) 当然なこと なのかも知れない。 全英オープン・オフィシャルサイト

2010年大会のコース、セント・アンドリュースのオールド・コースは 前回大会よりも少し距離が伸びて 7,305ヤード、パー 72 という設定。 ミドルホールが多いコースで パー 5 と パー 3 が少なく、それぞれ 2ホールずつとやや変則。Road Hole と呼ばれる 17番の名物ホールは 2010年大会から 40ヤードも長くなった。

 
Old Course at St. Andrews - Course Overview
1
2
3
4
5
6
7
8
9
Out
376
453
397
480
568
412
371
175
352
3584
4
4
4
4
5
4
4
3
4
36
10
11
12
13
14
15
16
17
18
In
386
174
348
465
618
455
423
495
357
3721
4
3
4
4
5
4
4
4
4
36

結局、2010年の全英オープンは 2位 となった リー・ウエストウッド (Lee Westwood) に 7打差という圧勝で 南アフリカのルイ・ウーストハイゼン (Louis Oosthuizen) 選手が優勝。貧しい農家出身のウーストハイゼは アーニー・エルス基金による育成プログラムのお世話になった若手ゴルファー (27歳) の一人で、これで 2010年の欧州ツアー 2勝目、ツアー通算 6勝目を飾った。彼は全英オープンの優勝賞金で 新しいトラクターを購入したらしい。また、2011年の PGA の試合には (全英オープン前の週の段階で) 8試合に出場し、6試合で予選を通過、ただし、トップ 10入りは 1回のみである。
全英オープン

一方、2008年と 2009年の全英オープンは 共に シニアの選手が 最後まで 優勝するのではないかと思わせるゲーム展開になった。2008年のロイヤル・バークデール (Royal Birkdale Golf Club) で行われた大会では グレッグ・ノーマン (Greg Norman) が健闘したが、パドリグ・ハリントン (Padraig Harrington) が優勝し、2連覇を果たした。また、2009年には、59歳 (60歳に 2ヶ月) のトム・ワトソン (Tom Watson) が 2 アンダーで 72ホールを ホールアウトし、同スコアで 先に ホールアウトして 最終的に 優勝した スチュアート・シンク (Stewart Cink) とのプレーオフという結果になった。トム・ワトソンが 最終日に 1打リードして迎えた 最終 18番ホールで出してしまった痛恨のボギーは、当に、そのセカンド・ショットで起きた ラブ・オブ・ザ・グリーン (rub of the green) の結果だったと言えよう。 トム・ワトソンの記録

歴史

第一回大会は 1860年に プレストウィック (Prestwick Golf Club) で行われたが、参加選手は 僅か 8名、12ホールのコースを 3ラウンド、36ホールのメダル・プレー (トータルのストローク数で競う形式) であったが、それが 近代競技ゴルフの始まりであったとも言える。その第一回大会は 初日 (10/17/1860) で 優勝候補のトム・モリス (Tom Morris Sr.) に 3打差をつけた ウィリー・パーク (Willie Park) が リードを キープして 2打差の トータル 174 というスコアで優勝した。

1871年大会は 戦争で中止されたが、1872年までの 12回の大会は 全て プレストウィックで開催されており (近年、プレストウィックで全英オープンは行われない) 当時は ウィリー・パークとトム・モリス親子の 3人が 圧倒的な強さを見せた時代であった。この頃、優勝賞金などはなく 名誉のチャレンジ・ベルトを優勝者が預かるというもので 3年連続して優勝するとそのベルトは優勝者のものになった。因みに、トム・モリス・ジュニア (Tom Morris Jr.) は 1868年から 1872年の 4大会連続優勝という快挙を成し遂げた。

1873年の大会は セント・アンドリュース (St. Andrews) で開催されたが、プレストウィック以外のコースで大会が開催されるのは、それが初めてのことであった。しかし、それ以降は プレストウィック、セント・アンドリュース、ミュセルバーグ (Musselburgh) の 3コースの持ち回りで大会が行われるようになった。さらに、その後 1892年にミュアフィールド (Muirfield)、1894年に ロイヤル・セント・ジョージ (Royal St. George's)、そして、1897年に ロイヤル・リバプール (Royal Liverpool, Hoylake) などがそれに加わるようになった。そして、1920年以降は The Royal and Ancient Golf Club (R&A) が 大会の管理・運営を行うようになった。

その後 幾つかのコースが このローテーションに加わるようになる一方で プレストウィックやミュセルバーグなどは このローテーションから外れ、現在では スコットランドとイングランドにある 以下の 9コースが持ち回りで全英オープンをホストするようになった。1) - 5) はスコットランドのコースであるが、セント・アンドリュースのオールド・コースは 特別で、0 と 5 の年、つまり、5年に一度の頻度で (他のコースは 10年に一度) 大会をホストすることになっている。また、1、3、6、8 の年は、イングランドのコースでの開催となる。なお、ジャック・ニクラウスの引退試合を オールド・コースで行うために 5年に 1度のローテーションを 1年早めて 2005年にセント・アンドリュースとしたが、その時に スコットランド銀行が 5ポンドのニクラウスの記念紙幣を発行したのは 有名な話である。 詳細

全英オープン開催コース
1) セント・アンドリュース・オールド・コース (Old Course at St Andrews)
2) カーヌースティー (Carnoustie Golf Links)
3) ミュアフィールド (Muirfield)
4) ターンベリー (The Westin Turnberry Resort)
5) ロイヤル・トゥルーン (Royal Troon Golf Club)
6) ロイヤル・セント・ジョージ (Royal St. George's Golf Club)
7) ロイヤル・バークデール (Royal Birkdale Golf Club)
8) ロイヤル・ライサム・アンド・セント・アンズ (Royal Lytham & St Annes Golf Club)
9) ロイヤル・リバプール (Royal Liverpool Golf Club, Hoylake) 単に、ホイレイクとも呼ばれる。

全英オープンは、所謂、伝統的なスコットランドのシーサイド・リンクスのコースで行われる点で他のメージャーとは 一線を画している訳だが、特に、強風の中でのプレー、ポットバンカー (深いバンカー) やフェスキュー(膝くらいまである細く長い草) などへの対応、そして、アンジュレーションの大きなフェアウェイやグーリーンでボールを転がしてピンに寄せる技などが要求される点など 他のメージャー・トーナメントとは一味も二味も違ったゲーム展開となるところも見所である。

ところで、全英オープンの最多優勝経験者は ハリー・バードン (Harry Vardon) で 6回、次いで、ジェィムズ・ブレイド (James Braid)、ピーター・トムソン (Peter Thomson)、トム・ワトソン (Tom Watson) の 5回となっている。次いで、4回に ウィリー・パーク (Willie Park)、トム・モリス (Tom Morris Jr.)、ウォルター・へーガン (Walter Hagen)、ボビー・ロック (Bobby Locke)、さらに、有名な選手には 3回の優勝を果たしている トム・モリス (Tom Morris Sr.) やボビー・ジョーンズ (Bobby Jones) などがいる。なお、バイロン・ネルソン (Byron Nelson) は、全英オープンに勝つことができずに グランドスラムを達成することができなかった。因みに、タイガー・ウッズは 2000年、2005年、2006年と 3回の優勝を果たしている。  メージャー優勝者の記録