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カジュアル・ウォーター(ルール解説)

このページのコンテンツ
• はじめに
• カジュアル・ウォーターの救済
• 完全な救済 /ニアレスト・ポイント
• スルー ザ グリーンの CW
• バンカー内の CW
• グリーン上の CW
• プリファード・ライの規則と CW
• 新・ゴルフルール (2019年 ~ )

はじめに


カジュアル・ウォーター (casual water) とは 雨の後に コース上に 一時的にできる、しかし、暫くすると消える 水溜りや泥濘のことである。ルールブックには 「ウォーター・ハザード以外のコース上で、プレーヤーがスタンスを取る前やスタンスを取った後に見える一時的な水溜り」 だとも定義されている。ただし、何度か足踏みをしなければ 染み出してこないような水では カジュアル・ウォーター(以下 CW)とは言えない。なお、雪と自然の氷 (霜を除く) は プレーヤーの選択で CW もしくは ルースインペディメント(» 詳細)として扱えるが、露と霜は CW にはならない。

カジュアル・ウォーター (CW) の救済


カジュアル・ウォーターCW は 異常なグラウンド状態の一つであり、それがプレーに影響を及ぼす時は 修理地が プレーに影響を及ぼす時と同じ規定に従って 救済を受けることが出来る。その詳細は 規則 25-1 異常なグラウンド状態 に定められているが、基本的に 以下の 3通りのケースについて、その処理の仕方を整理して覚えておくべきであろう。

(1) スルー・ザ・グリーン (2) バンカー内 (3) グリーン上

下のテーブルは 起こり得る 自分のプレーと CW の関係 及び その救済について分かり易く纏めたものだが、救済が受けられる時は 完全な救済の概念に基づいて 二アレスト・ポイント(» 詳細)から 1クラブ・レングス内の ホールに近づかない所に ボールを ドロップしてプレーをすることが出来るが、この時 プレーヤーは救済を受けずに そのボールを そのまま プレーする権利も有する。

プレーと CW の関係 補足 救済
ボールが CW の中 CW とは水溜り、雪と自然の氷が対象で 霜と露は対象外
スタンスが CW の上 スタンスを取る前 及び 取った後に見える一時的な水溜り
プレーの線上に CW パッティング・グリーン上のボール以外の全てのケース ×
パッティング・グリーン上のボール


完全な救済 / ニアレスト・ポイント


障害物や異常なグラウンド状態などを理由に救済を受ける場合は、その救済を受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済、即ち、完全な救済 (complete rerief) を受けなければならない。常に その考え方の下に 救済のニヤレスト・ポイントは 決められなければならないが、カート道路などと異なり、CW の境界線が どこになるかが明確でないケースもあるはずだから まずは その点を間違いなく確認する必要がある。

また、当然のことながら、有利なショット・アングルを考えて、少しスタンスが 救済を受ける理由になった CW にかかるが、ボールを 取り敢えず その CW の外にドロップするというような 中途半端な 救済は 完全な救済の観点から 受けられないので、間違いのないよう。なお、二アレスト・ポイントの概念を熟知していない人は こちらを参照下さい。» 詳細


スルー・ザ・グリーンの CW


スルー・ザ・グリーン、即ち、グリーンとハザードを除く コース上のエリアにある CW の救済措置は、修理地や穴掘り動物の穴の中や土の上などにボールがあった場合の処置と同じで、救済の二アレスト・ポイントから 1クラブの範囲内で ホールに近づかない所に ボールを綺麗にしてから ボールをドロップ出来るが、CW になるエリアと境界線については 十分注意して確認をした上で 二アレスト・ポイントを決める必要がある。この時、前述のように、完全な救済を受けなければならないが、加えて、救済のニヤレスト・ポイントは ハザード内やパッティング・グリーン上であってはならないとも定められている。

また、比較的 稀なことだが、例えば、カート道が CW の中にあり、そのカート道の上にボールがある場合など、複数の理由で救済を受けられるケースもある。そうした場合は カート道を救済の理由にしても良いし、CW を救済の理由にしても良いが、最初に どちらを選択するかによって 最終的な救済の二アレスト・ポイントが異なる訳だ。つまり、最初に カート道という理由で救済を受ければ、その救済によって CW という別の救済を受けられるエリアの中が最初の救済の二アレスト・ポイントになり、そこを基点にボールを ドロップすることが出来、その後で CW の救済を受ければ 最初に CW を理由に救済を受ける場合と大きく異なる場所からボールを ドロップし、プレーすることが可能になるのである。当然、自分に都合の良い方の選択肢でプレーすべきである。


バンカー内の CW


一方、バンカー内の CW がプレーに影響を及ぼす場合は 無罰の救済を受けることが出来るが(規則 25-1b)救済のニヤレスト・ポイント(» 詳細)とボールをドロップする場所はバンカー内でなければならない(規則 25-1b-ii)と 決められているから、それによって 実質的には救済が受けられないような アンフェアなケースが生じることもある。

同ルールでは 完全な救済が得られないようであれば バンカー内で その状態から最大限の救済を受けられ、ホールに近づかずに、しかも、ボールのあった所に出来るだけ近い所にボールを ドロップすることが出来ると定めているが(前述のように スルー・ザ・グリーンで 同様の救済を受ける時は完全な救済が得られなければならない という点と異なるので要注意)その条件下では 極めて プレーし難い場所以外にボールをドロップ出来る場所がないケースも出てくる。ドロップが許されるバンカー内のエリアが完全に水で一杯になっている場合でも そのバンカー内にボールをドロップしなければならない と言うルールの例外規定はないから、無罰の救済は 実質 受けられないことも起こり得る。

とは言え、そのようなケースは 1打罰の下に ホールとボールのあった場所とを結んだ線上で そのバンカーの後方に ボールをドロップしてプレーを続行する選択肢(規則 25-1b-ii-b)が与えられているから、通常は 元の場所に戻って打ち直す ストローク・アンド・ディスタンスの選択肢よりは有利な条件となる その選択肢でプレーを続行するのが 一般的になる。


グリーン上の CW


他方、ボールがパッティング・グリーン上にある場合で、パッティング・グリーン上の異常なグラウンド状態(CW)が プレーヤーのパットの線上にかかる時は救済を受けることが出来るが、ボールは CW がプレーに影響を及ぼさない(ハザード外の)救済の二アレスト・ポイントにボールを プレースしなければならない。完全な救済が得られないようであれば、その状態から最大限の救済を受けられ、しかも ホールに近づかずに ハザード以外の所でボールのあった所にできるだけ近い所に ボールをプレースしなければならない。救済のニヤレスト・ポイントや最大限の救済を受けられる最も近い箇所は パッティング・グリーンの外であってもよい。

パッティング・グリーン上のボール以外の時は CW がプレーの線上にかかっていても、それだけでは規則 25-1a にいう障害には当たらず、救済の対象にはならない。つまり、普通であればパターでプレーするような カラーにボールがある時でも、それが グリーンの外にあれば 救済は受けられないと言うことだ。


プリファード・ライの規則と CW


雨の日などに プリファード・ライ (preferred lies)、所謂、6インチ・リプレースや 1クラブ・レングス・リプレース可のルールの下で競技が行われることもあるだろうが、そうした場合でも CW のエリアと境界線には十分な注意を払ってプレーをすべきである。ルールに則り、まず、救済を受けるために 救済のニアレスト・ポイントから 1クラブ・レングス内で ホールに近づかない所にボールをドロップしてから、6インチであれば その範囲内で 1回だけ ボールを綺麗にしてから それをリプレースすることが出来る。この時にも、自分にとって 最も有利なコンディションで プレーが出来るよう 関連ルールの知識を 確り整理して覚えておこう。

最後に余談になるが、カジュアル (casual) という英語にはカジュアル・ウェアのように リッラクスしたとか フォーマルでない (informal) という意味があり その意味が良く知られているが、時々とか 不規則な間隔で起きる (occasional; occurring at irregular or infrequent intervals) というような意味もあり、カジュアル・ウォーターは後者の意味を用いた ゴルフ用語である。



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