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ボールが動いた時(ルール解説)

このページのコンテンツ
• はじめに
• 静止したボールが動く理由
• ボールが動いた時の処置と罰則
• 間違い易いケースの注意点
• アドレス後に動いたボールの処置
• 肉眼で確認し難い ボールの動き
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


静止したゴルフボールが 何らかの理由で 動くことがある。しかし、その理由は 様々で 正しくルールに則って そうした全てのケースを 間違いなく処理するには 当該ルールに関する かなりの知識が要求される。従って、ツアープロでも このルールに関しては 時々間違いを犯すこともある。また、2017年には パッティング・グリーン上で 球が偶然に動かされた場合の罰を排除する 新しいローカル・ルールが導入され それが R&A と USGA が主催するすべてのチャンピオンシップ、予選競技、国際マッチで採用されると言う大きな変更があった。そうした状況を踏まえ、ここでは 規則 18「止まっている球が動かされた場合」(Ball at Rest Moved) について 整理して 分かり易く 解説する。

静止したボールが動く理由


一度静止したボールが動く理由は 様々だが、ルールでは その理由を 1) 自分、2) 局外者、3) 自然、4) 例外規定 のいずれかに 起因するものとし 処置の仕方と罰則を定めている。それぞれの理由には 具体的に 以下のようなものが含まれる。

1) の自分には プレーヤー自身とそのキャディー、そして、チームでするゲームの場合はそのパートナーが含まれる。加えて、カートなど その携帯品(» 詳細)が動いたためにボールが動けば、プレーヤー自身が動かした時と同様の処置が必要となり、罰則が適用される。ただし、フォーボール・ゲームなど、チームで行うゲームで(» ゴルフの競技方法)パートナーのボールが静止しているボールにぶつかって動くケースなどは その限りではない。

2) の局外者 (outside agency) とは チームプレーのパートナー以外の同伴競技者、その他競技者やそれらのキャディー、観客、動物、鳥、風で飛んできた来た物体、他のプレーヤーのボールなどが含まれる。

3) の自然とは 1)、2)以外の理由で、風が最も代表的なものである。例えば、地震でボールが動いたとすれば それは この範疇になる。また、理由が分からないが ボールが動いてしまったケースも含まれる。

4) の例外規定 に該当するものは プレーヤー自身がボールを動かす理由になっているが それが バンカーの砂、ウォーター・ハザードの水、障害物、異常なグラウンド状態の中にあるボールを捜している時、また、ルールに則ってボールをマークする行為による場合などが含まれる。


ボールが動いた時の処置と罰則


特殊なケース(例外規定)を除き、ボールが動いた理由によって その処置の仕方と罰則は 以下の表の様に 基本的に 三通りに分類できる。つまり、その三通りの違いと特殊なケースが何かを理解しておけば ボールが動いた時の対応は 一応 万全と言うことになる。なお、当該ルールに関する対応は 間違えれば 多くの場合 誤所からのプレーで 2打罰という大きなペナルティが科されるものだから ルールを正しく理解して覚えるという観点からは 重要度の高いものである。

動いた理由 処置に関連する注意点 罰則
1) 自分 ボールを元の位置に戻してプレー(ボールを探す、グリーン上での各種行為に対して 例外規定あり) 1打
2) 局外者 ボールを元の位置に戻してプレー(同伴競技者のボールも局外者) 無罰
3) 自然 ボールが静止した所からプレー(ボールを元の位置に戻さない) 無罰
4) 例外規定 ボールを捜す、マークする行為の時にボールが動くケースに対して例外規定がある。また、アドレス後に 自然とボールが動いた場合は 罰則が適用されたが 2012年のルール改定で 無罰に 変更された。加えて、2014年のルール改訂では HDTV などでボールが動いたことが確認できても、裸眼で合理的に それを認識することができないようなものであれば ルール上の裁定は ボールが動いたことにはならないとなった。NEW さらに、2017年には パッティング・グリーン上で 球が偶然に動かされた場合の罰を排除する 新しいローカル・ルールが導入され、それが R&A と USGA が主催する すべてのチャンピオンシップ、予選競技、国際マッチで このローカル・ルールが採用されることになった。» 詳細 詳細
後述


間違い易いケースの注意点


最も良くある 上の表 1) のケースは プレーヤー自身がアドレスをした時に うっかりボールを動かしてしまったり、ボールの側にある石や小枝など、ルースインペディメントを動かそうとしてボールが動いてしまう場合などである。1打罰で、ボールを 元の位置に戻してプレーする必要がある。(グリーン上での出来事に対しては 例外規定あり。)

これに関連する例外規定として、プレーヤー自身がボールを動かしていない場合でも プレーヤーがアドレスをした(スタンスを取って ソールを地面に付けた)後に ボールが動いた場合には自分でボールを動かした場合と同じ処置をする必要があり、ペナルティも同様に科されるというルールがあったが、2012年のルール改訂で 自分が動かしていないことが明らかな場合は 無罰で、ボールが止まった所からプレーを続行することになった。

なお、ペナルティになる状況でボールが動いた時は ボールを 元の位置に戻してプレーをしなければならないと分かり易いが、逆に、無罰な状況でボールが動いた時にはボールを元の位置に戻してプレーする場合と そうでない場合があるので要注意だ。どんなケースでも ボールが動いた後の処置を誤れば 誤所からのプレー(規則 20-7)で 2打罰が科されてしまうから(合計 3打罰にはならない)注意して欲しい。

一方、ハザードや修理地内にあるボールを捜索している時(詳細は規則 12 を参照)やルールに従ってボールをマークしようとしたり リプレースしようとした時にボールが動いてしまうケースなど(詳細は規則 18-2 を参照)は例外で、ボールが動いても ペナルティは科されない。ボールを元の位置に戻して無罰でプレーを続行すれば良いが ボールを元の状態に戻さずにプレーをすれば、誤所からのプレーになる。

ボールが自分のカートによって動かされた場合、カートは基本的にプレーヤーの携帯品となるため 1打罰の対象になる。ただし、同伴競技者が(共用の)カートを動かしている場合は、ボールを元の位置に戻して、無罰でプレーを続行出来る。なお、自分のキャディーがカートを動かして、ボールを捜す行為以外の理由で動かしてしまった場合は その限りではない。

また、グリーン上で ボールを リプレースした後に マーカーを残したままラインを読んだり、パットの準備をしていて、その状態でボールが動いた時にボールを元の場所に戻してプレーをしている人を時々見かけるが、そうした行為はルール違反になるから気を付けよう。マーカーの前に ボールを リプレースし終わった時点で ボールは インプレーになっているから(規則 20-4/1)マーカーを置いておいても ボールを元の位置に戻さずに 新たにボールが止まった位置からプレーする必要がある。それにも拘らず、ボールを 元の位置に戻してプレーをすれば ボールを動かしてしまった後の誤所からのプレーで 2打罰が科される。

ボールをマークせずに、そのロゴや線などをターゲットの方向に合わせるためにボールを回転させる人が居るが、その行為は ボールをマークせずに動かしたことになるから 1打罰の対象になる。また、ボールから かなり離れたところ(例えば、10センチ)に マーカーを置くような行為も ボールを正しくマークせずに ボールを拾い上げたということで、同様に 1打罰が科されるから要注意である。

なお、素振りをしたクラブにボールが当たってボールが動いてしまった場合は 打つ意思を持ってクラブを振った訳ではないから ボールをプレーヤーが何らかの理由で動かした時のペナルティが適用され、ボールを元の位置に戻し 1打罰で プレーを続行することになる。また、止まっているボールに 別のプレーヤーのボールが当たって動くというようなことも良く起きることだが、その場合は ボールを 元あったと思われる位置に戻して(当てた人のボールは そのまま)ノーペナルティで プレーを続行するのが 正しい処置の仕方である。


アドレス後に動いたボールの処置


ボールにアドレス2012年ルール改定により、アドレス後でも、ボールが風などによって自然と動いてしまった場合は 以前と異なり ペナルティにはならないが、注意を要する。ボールを 元の位置に戻して プレーをするのではなく、新たにボールが止まった位置から プレーを続行するのが 正しい処置である。誤って、元の位置に戻してプレーすることのない様に気を付けよう。ただし、ボールが部外者、動物、風に吹かれて飛んできた木の枝など(総称して ゴルフ用語で 局外者 という)によって動かされた場合は(自分でボールを動かしてしまった時と同様に)元の位置にボールを戻して プレーをするとなっていて、ちょっと 分かり難いルールだから 間違いのないようにして欲しい。

2012年のルール改定以前は グリーン上では アドレス後に 何らかの理由で アドレスを解いても ボールをマークして取り上げない限り アドレスの状態が継続するということで、その時に風が吹くなどの理由で ボールが動けば ペナルティが科された。従って、風でグリーン上のボールが動きそうな時や ボールが極めて不安定な状態にあると思った時は アドレスを解くだけではなく、すぐにボールをマークし直す必要があったが(PGA や LPGA の試合でも 比較的 頻繁に 当該罰則が適用されるケースが起きた)2012年のルール改定後は その必要があまりなくなった。しかし、それでも ソールをしたと同時に ボールが動けば ペナルティが科されることはあるので 不可解なボールの動きに対する問題が スッキリ解決された訳ではなかった。

そうした状況に鑑み、2017年からは パッティング・グリーン上で 偶然に ボールを動かす原因となったプレーヤーに罰を課さないと言うルールを R&A / USGA が(次回のルール改定を待たずに)ローカル・ルールとして制定し、マスターズ、全米オープン、全英オープンなどをはじめとする 全ての競技で採用することになった。但し、2017年現在では ローカル・ルールであるため、日本の競技で このルールが どのように採用されるかは 不透明である。なお、委員会が このローカル・ルールを導入したいと考える場合は 規則 18-2, 18-3, 20-1 を 以下の通りの文言に修正されることが推奨されている。

プレーヤーの球が パッティンググリーン上にある場合、その球やボールマーカーが プレーヤーやパートナー、相手、または そのいずれかのキャディーや携帯品によって偶然に動かされても罰はない。

その球やボールマーカーは 規則 18-2, 18-3, そして 規則 20-1 に 規定されている通りに リプレースされなければならない。

このローカルルールは プレーヤーの球やボールマーカーが パッティンググリーン上にあり、いかなる動きも 偶然である場合にだけ 適用する。

注:パッティンググリーン上のプレーヤーの球が 風、水 あるいは 重力などの他の自然現象の結果として動かされたものと判断された場合、その球は その新しい位置からあるがままの状態で プレーされなければならない。そのような状況で動かされたボールマーカーは リプレースされることになる。


以下は このローカル・ルールを説明している USGA の動画である。残念ながら、英語の説明で分かり難いが 後半に ペナルティにならない例の画像があるので参考にして下さい。



肉眼で確認し難い ボールの動き


実際にボールが動いていても、ルールでは ボールが動いたと判定されないケースがある。それはボールの振動や揺れ、即ち、アドレスをしてボールがクラブフェースの方に少し傾くような状況で物理的にはボールが動いていたとしても、ソールを浮かせれば 元の位置に戻るような小さなボールの動きである。英語では それを oscillate と言う単語で表現するが、昔から ルール上は そうしたボールの動きを ペナルティーに該当する動きではないと定義してきた。

一方、アマチュア・ゴルファーには無関係なものだが、2014年のルール改訂で 前述もしたように HDTV などでボールが動いたことが確認できても 裸眼で合理的に それを認識することができないような小さな動きであれば ルール上の裁定は(ある意味 oscillate の範疇で)ボールが動いたことにはならない とルールが変更された。これは テレビ中継で視聴者が リプレーなどを見て 極めて 少しのボールの動きを ルール違反だと報告するケースにフェアーに対応するための配慮のようだ。

実際には タイガー・ウッズのプレーで そのような視聴者の報告があり、ウッズが oscillate しただけだと主張したにも拘らず 2打罰の裁定があり、それがこのルール改訂という結果になったと言われている。右の動画はその時の様子。




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