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スポーツ心理学
 

水を前にすれば そこにボールが入ることを考え、短いパットを打つ前には外す心配ばかりする。そうした心理状態がプレーに悪影響を及ぼすことは良く知られていることであるが、そんな人間の心理状態やプレー中の様々な妨げに翻弄されずに 結果が出せるよう スポーツ心理学では 様々なテクニックを教えている。

勿論、精神的に強くなり、プレーへの集中力を高めることが出来れば、ゴルフのスコアも良くなるのだから、他のスポーツ同様、競技ゴルフでも勝つためのテクニックとしてのスポーツ心理学が 注目されていることは今更 言うまでもない。そして、そんなスポーツ心理学で 精神的な強さを保持し、成果を出すために重要だと言われているのが以下の 4つの ”C” である。

 
1 Concentration (集中)
2 Confidence (自信)
3 Control (自制)
4 Commitment (傾倒)
スポーツ心理学

一つ目の C は Concentration、即ち、集中である。ゴルフで最も重要なタスクは ボールをターゲットに向かって打つという動作であるが、それに集中出来なければ 当然 好ましい結果を生むことは出来ない。一方、ラウンド中は不安、失敗、雑念、疲れ、風、周りの人や音など、集中を妨げるものに多々遭遇するものである。ゴルフはこのような人間の集中を妨げる要素が詰まった環境の中でプレーをするゲームだという認識を持つ必要があり、そうしたものに負けずに 如何に集中するか、その知識とテクニックを学び、それを実戦で活用出来るよう訓練する必要があるのだ。例えば、プリショット・ルーティーンは ショットの前に必ず実行すべきことの一つであるが、集中を 高める効果も狙って行うべきもので、そうしたことも 十分に考慮した ルーティーンを 心掛けるべきだ。

二つ目の C は Confidence、つまり、自信を持ってショットやパットに臨むことである。我々には自分に与えられたタスクやゴールと自分の能力を比較する本能があるが、タスクやゴールを達成する能力がない、もしくは、不足していると思えば、そこには不安が生じる訳だ。自分の能力を 信じることが出来なければ、常に 大きな不安を抱えてプレーをすることになるから、結果として 自分のプレーに集中出来なくなる。そこで 重要なのが タスクやゴールの設定の仕方、そして、自分の能力を信じることである。達成可能、且つ、適度にチャレンジングな目標を設定し、その目標は達成可能だと信じてショットに臨むことが大切である。賢いゲーム・プラン、コース・マネジメント、そして、タスクとゴールの設定がポイントになる。また、打ちたいショットの弾道を ショットの前にイメージするテクニック (イメージリー) も不安を払拭し、自信を高める効果があるだろう。

三つ目の C は Control、即ち、自制することだ。自制できなければ集中できなくなるから、その影響がプレーに出る。特に、自制を失う原因になるものは多くの場合、失敗や苛立ちなどに起因するところの不安、怒り、焦りなどであるが、そうしたものを自分の中から排除するようにすることが必要になる。そして、それに有効なテクニックが、瞑想や脱力 (肩の力を抜くような行為)、そして、歌を口ずさんだりすることである。

そして、最後、四つ目の C は Commitment (傾倒) である。ここで言うところの コミットメントの意味を正確に訳すことは難しく、傾倒と言う言葉が適当か どうかは疑問も残るが、自分を信じて やると決断したことを迷わず実行することである。自分の判断によって設定したタスクやゴールが正しいと信じて、それにコミットすることである。色々な選択肢の中から、どうするかを迷った場合などは 自分が打つと決めたショットに迷いが生じ易い訳だが、一度決めたら迷わないことが大切ということで コミットメントという言葉が使われている訳だ。

以上が、スポーツ心理学のエッセンスとも言える 4C の簡単な説明だが、テクニックだけを単に学んでも、そうしたものの本来の役割、そして、より大きな全体像を把握していなければ、本当の意味で 最高のパフォーマンスを上げ、満足の行くラウンドを完結することは出来ないものだ。以下は、そうした観点から、スポーツ心理学の要素とテクニック、そして、コース・マネジメントとパフォーマンスの関係を マッピング (思考を図式化) したものである。

スポーツ心理学の役割

最大のテーマは 自信を持つこと、不安を解消すること、そして、ショットやパットに集中することである。このパットを外したらなどということを考えたら、絶対に良い結果にはつながらない。むしろ、このパットを どう入れようか といった考え方をすべきなのである。少し強めに入れようとか、ホールの右サイドに入れようなど、入れることだけに集中すれば良いのだ。ティーショットや グリーンを狙うショットでも同じことで、林に入れたらどうしようなどと考えるのではなく、フェアウェイの真ん中にドローボールを打ってやろうとか、グリーンの左サイドに高いボールで落とそうなど、仮に必ずしもそうならなくても良い場合でも、出来る限り具体的でポジティブなイメージを作ることが ショットをする前の正しい心理状態を保つためには 効果的である。

イメージを使って思考や心理状態をコントロールするテクニックは イメージリー (Imagery) と呼ばれるが、それは イメージを通じて自分のやるべきことを脳や体に伝えると同時に 不安などを抱かせないという優れものだ。イメージが鮮明であればあるほど その効果があるが、そうしたイメージ作りとイメージリーのテクニックやトレーニングの方法を 次のページ以降で紹介しているので そちらも 参考にして下さい。