続・ゴルフ用語談義|故 夏坂健氏を偲ぶ

Introduction

ゴルフ用語
新聞や雑誌に 軽妙洒脱な ゴルフエッセイを連載し そのウィットに富んだ文章で 多くの読者を 魅了し 高い人気を博した 故 夏坂健氏によれば、いかなる理由があろうとも、ゴルフ用語だけは 勝手に変更してはならないと言うことだ。ゴルフ用語は ゴルフの精神を 伝える手段だから 例え それが意味不明であっても それは先祖伝来の神聖なる伝統であり、精神を伝える 唯一の手段でもあるから、何があろうと 絶対に いじり回すべきではない と言うのが 彼の主張である。

無残にも 破壊された文化遺産

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ゴルフは スコットランドの宿敵である イングランドにも 広くもたらされたが イングランドは 例え 憎っくき敵国のゲームであっても 古くからの伝統に敬意を払い、規則は もとより、用語の一つさえも 大事に扱って みだりに変えることは しなかったそうだ。おそらく、この 500年間というもの 誰一人として ゴルフ用語に 手は 触れていないはずだが それは このゲームの由来と精神を知るほどに そうしたタブーから ゴルフというゲームの精神と伝統を守ることが ゴルファーの誇りだと言えるからだとも言っている。そして、最も 歴史と伝統に 敬意を払ってきたはずの日本で あろうことか そのタブーが破られ 宿敵 イングランドでさえ敬意を払ってきた文化遺産が 何と日本で 無残にも 破壊されたことを 夏坂健氏は 嘆いていた。

ゴルフが 日本に紹介されて 100年以上が経過した 今日 英語のゴルフ用語が そのまま使われることが多い。パー (Par) やバーディー (Birdie) などといった言葉が 英語のまま変更されることなく 使われている通りで 野球のストライクや ボールと同じである。しかし、一方では ダブル ボギー (double bogey) を ダボ、トリプル ボギー (triple bogey) は トリ などと 見方によれば 変な略され方をした言葉が横行している。ところが、クワドラプル ボギー (quadruple bogey)、クインテュープル ボギー (quintuple bogey) などといった 正式な(知っておくべき)ゴルフ用語を知らない人も少なくない。そうしたゴルフ用語を知っている人は そんなスコアを出すことは 殆どないからかも知れないが クワとか クイン とか言っている人は 皆無である。

似非 (エセ) ゴルフ用語

パター夏坂健氏に言わせれば、存在してはならない 日本オリジナルの似非(エセ)ゴルフ用語が生まれ、そうした言葉が氾濫するようになった。例えば、パーオンニアピンドラコンといった言葉、また、ショートホール、ミドルホール、ロングホールといった言い方や フックラインスライスライン さらには アゲインストフォローなどといった 日本で いつの間にか作られ 日本以外には存在しない 似非 ゴルフ用語が あたかも 広く欧米で使われているゴルフ用語かの如くに 使われるようになってしまったのである。加えて、存在しない ゴルフ用語の アゲインストや フォローの変形である アゲてる、フォロってる などと言う表現が あたかも ゴルフ通のような感覚で 日本のゴルファーの間では 使われているから そうした意味では 夏坂健氏も 草葉の陰で 嘆いていることだろう。

ただ、ゴルフ通であれば 本当のゴルフ用語を使って欲しいと言う 夏坂健氏の気持ちも分かるが アゲインストや フォローと言った言葉が生まれた背景も 分かるような気がするのである。つまり、向かい風 (headwind)、追い風 (trailwind) という表現は ゴルフでは あまり使われないもので(日本人には使い難い表現である)into the wind とか with the wind という表現が 欧米のゴルファーの間では 一般的に使われるから 日本のゴルファーが 適当な言葉を捜した結果として 生まれてしまった 似非 ゴルフ用語なのではないかと考えられる。また、パー オンなどという言葉も green in regulation (GIR) という表現が ピンと来ない 日本のゴルファーが考えついたものであろう。見方を変えれば、欧米では 存在しなかった 便利な ゴルフ用語を 日本人が生み出した結果だとも言え 日本の似非 ゴルフ用語 そして 和製英語の存在には 賛否両論が あってしかるべきとも 言えそうである。

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