コンテンツ目次





ゴルフルールの解釈

このページのコンテンツ
• はじめに
• 公式ルールとローカル・ルール
• ルールの適用
• ルールの解釈
• 公正の理念
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


2016年になってゴルフのルールブック、並びに、裁定集の装丁が一新された。これは 四年に一度 R&A と USGA が共同で行っている恒例のルール改訂に伴ったもので 新ルールは 2016年 1月 1日から 全ての公式競技に適用される。2016年度版の新ルールブックは 前の版からは 100円値上げされているが JGA より 一冊 600円で購入できる。 » 購入は こちら。

公式ルールとローカル・ルール


ゴルフルールブックルールブックを見たことがない人も居るだろうが、所謂、公式ルールブックの外見は右のようなもので、その内容は 34(セクション)の規則と付属規則から成り、一冊の本になるくらいのボリュームで なかり細かなことまで 記されている。分かり難い文章も少なくないが、それは 解釈に齟齬が生じないことを最優先にしたからであろう。

また、競技や日々のラウンドが公平 かつ スムースに行えるように 公式ルールの規定を 一部を変更、削除 または 追加したりする目的でローカル・ルールが競技によって、また、ゴルフ場によって追加されるのが普通で、ゴルファーは それぞれの状況で プレーをするに際しては そのローカル・ルールを守る義務もある。

ルールの適用


法律と同様に、ゴルフルールにおいても 現実に発生する全ての事態を想定して細かくルールを記述することは不可能だから、その文言も ある程度 抽象的なものになっている。そこで、具体的な事象にルールブックの記述に則ったルールを適用しようとしても 判断しにくい状況が多々生まれてしまう。そこで、それぞれの規則の持つ意味と内容をより明確にするために ルールの適用例という形で 規則裁定集と呼ばれるものがある。 その裁定集に記載されている裁定例は英語のルールブックには decisions として記載されており、法律で言うところの判例に相当するものである。(裁定集は やはり JGA より購入できるが、一冊 4000円と ちょっと 高価だ。 » 購入は こちら。

一方、ルールと裁定集で細かく詳細を規定しても(法律同様)実際のプレー中に起きる事象にルールを 適用する時には その事象と該当すると思われるルール、及び、その裁定との間に ルール適用にあたっての合理性や必然性を説明する必要が生じる場合があり、そこにルール解釈の問題が生じることがある。


ルールの解釈


言うまでもなく、どのようなケースにせよ ルールを適用するに際しては プレーヤーがその置かれた状況を ルールで定義されている用語や条件に従って 解釈、判断する というプロセスが介在する。例えば、ボールが自分のピッチ・マークに入っている場合(embedded ball)は 芝が フェアウェイ並に短く刈られている所 (any closely mown area through the green) であれば、ラフでも救済措置が受けられるし(» 詳細)スタンスを取ったら水が染み出してくるくらいぬかるんでいれば カジュアル・ウォーターの救済(» 詳細)もあり得る。つまり、そのような状況では 芝がフェアウェイ並に短く刈られているかどうか、もしくは、普通に スタンスを取った状態で水が染み出してくるか という判断のプロセスがあり、その解釈と判断次第で まったく異なった状況が生まれる訳だ。

ボールが動いてしまった場合やボールを動かしてしまった場合でも それがどのような理由によって動いたか、また、ボールの振動や揺れ (oscillate) の範疇か否か、などによって ルールやルールの罰則の適用も異なって来る。(» 詳細)ボールを確認する行為やグリーン上のボールをマークする行為などでは 何がボールを探す行為で 何がボールをマークする行為なのかなどは明確に説明、判断出来ないこともある。

さらに、スタンスが修理地やカジュアル・ウォーターにかかる場合についても、修理地 (abnormal ground condition) などの境がはっきりしない場合もある。加えて、スタンスの取り方は ボールの打ち方によっても異なって来る。ドライバーを持てば スタンスが 修理地にかかるというケースもあるだろう。しかし、そんなショットを 普通の状況でしなければ、その時にだけ そうしたショットをするだろうという想定でのルールの解釈は 妥当(reasonable) ではなく、公正の理念 (in equity) からも許されるルールの解釈にはならない。しかし、木の下を狙って距離のあるショットを打つ時にドライバーを使う選手は少なくなく、そんな状況であれば(どうするか迷うようなケースも含め)スタンスを ドライバーを使って打つショットをベースに救済措置を受けることが妥当なケースも起きるだろう。 ボールが木の下に行った時、左利きで打つ選手も居るから、そうして取ったスタンスが修理地にかかったとすれば、これも救済されても良いことになるはずだ。(» 詳細


公正の理念


このようなプレーの妥当性、公正性に係わる解釈とルールの適用だけを考えても、判断にグレーな要素が含まれてくるケースは幾らでも出てくるであろうから、ルールの解釈については こうすべきだという回答を全て裁定集に記述する訳には行かないのが実態だ。競技では、公正の理念、また、スポーツマン精神に則って フェアーにレフリーに判断を委ねることが基本だが、ルールの知識が不足していることによって、不必要にそうした裁定を仰ぐことが多発しないよう、ルールの知識を身につけて置きたいものである。

ゴルフルールの解釈においては、法廷で相対する弁護士が その法律の解釈を論じるようなことにはならない訳だが、スポーツマン精神に則って フェアーに ルールを自分の味方に付けてプレー出来るか否かが、ある意味、そのゴルファーの能力の一つになると言うことを覚えておいて欲しい。普段から、ルールに則ったプレーに努め、ルールの正しい適用と言う問題意識を持つ。それが、ルールの知識を身に付けるためには必要不可欠である。ルールに対する知識の欠如は ゴルファーとしては不名誉なことだという認識を持つことが ルールを正しく守れるゴルファーになるためのファースト・ステップと言うことだろう。

とは言え、友人との握りなどでは 自分に厳しくルールのグレーな部分を解釈してプレーをすることが 気持ち良くプレーするための知恵であり 基本だということも(ルールを熟知すれば グレーな部分は少なくなる訳だが)覚えておいて欲しい。

note"equity" という言葉と概念は法律用語としても良く使われるもので この言葉について 蛇足ながら 少し付け加えておこう。法律に詳しい人には 釈迦に説法だろうが "remedies available at law or in equity" という記述が法律の世界では度々引用される。これは 「法律 もしくは 公正の理念 で得られる救済」 と訳されるが、法による救済が出来なければ 公正の理念に基づく救済がなされるべきだと言うニュアンスのフレーズだと思う。つまり、もともと法律やルールは "justice" や "fairness" に基づいた裁きを行うための決めごとだから その解釈において公正でなければならない訳だ。しかし、裁定集には その公正の理念に照らし合わせて 如何なものかと思われる内容の裁定が少なからずあるのも事実である。ゴルフの救済や罰則には 一般人の公正性の感覚からは(例えば、スパイク・マークに係わるルールなど)理解し難いものが少なくないように思えるが、如何だろうか。

一方、投資の世界では "equity investment" とか "return on equity (ROE)" というように この言葉が使われる。前者は 株式という意味で使われたケースであるが、純資産という言葉の意味が先にあり、その言葉を株 (stock) という意味で使うようになったのである。株式のようなリスクを含んだ投資は 純資産 "equity" ですべきだと言うことであったはずだが ... 。話が脱線し過ぎたが、ビジネス英語に関心のある方は "ビジネス英語豆辞典" も活用下さい。英語のビジネス情報 ソースも オススメ。




www.mamejiten.com - all rights reserved
本 HP 利用上の注意