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肩の回転、腕の振り方、トップの形

Introduction
正しいタイミングでクラブをリリースし クラブヘッドを効率良く加速させて 高い確率でボールをクラブヘッドの芯で捉えられるスイングを習得するには 正しい肩の回転と腕の振り方 そして トップの形について考え、オンプレーンスイングの本質と好ましいフェースターンの概念についての理解を深める必要がある。加えて、グリップとクラブヘッドが同じプレーン上を同じ方向に動くようなスイングメカニズムについても考えて見ると良いだろう。

肩の回転と腕の位置の関係

肩の回転、腕の振り方、トップの形右のイラストは トップツアープロのスイングの連続写真から作成したものだが (1) の左腕が地面とほぼ平行になるところまで振り上げられた時に 肩は 70° ~ 80°くらいまで 大きく回転している。アベレージゴルファーのスイングに比べると (1) の状態で 肩が圧倒的に大きく回転していること そして その結果 手が体から遠くに離れたポイントを通過し 大きなスイングアークになっていることが見て取れるはずだ。トップツアープロの多くは 腕を振り上げながら肩を回すのではなく、むしろ 肩がある程度回った後に 腕を振り上げ始めるという バックスイングからトップの形を作っている。

このイラストからも分かるように (1) から さらに体を回転させて 肩を 90° もしくは それを少し上回るところまで回転させ、手が肩の高さか それよりも 少し高い位置にまで上がったところ (2) が トップのポジションである。結果として 手は 胸の右横ではなく、右前に来る形になる訳だ。肩がある程度回ってから 腕を振り上げるのと、肩が回る前から 腕を振り上げるのでは 実は 大きな違いがある。簡単な確認実験をして欲しい。バックスイングのスタート時に 肩を回さずに ダウンスイングで 手が降りて来る軌道上を手が動くように 手と腕を引き上げるように テイクバックをしてみよう。クラブヘッドが腰の高さに来たところで動きを止める。その状態から 今度は 手と腕を動かさないようにして 肩を回してみよう。そうすると 手と腕の体に対する位置関係は 変わらない訳だが その手の位置は ダウンスイングで手が動いて欲しい軌道に対して インサイドに入り過ぎていることに気付くはずだ。つまり、肩をあまり回さずに 腕を引き上げて行くと 手の位置は 体に近くなり クラブヘッドは かなりインサイドに引かれるのである。一方、バックスイングのスタート時に 肩を回して 腕と手を動かさないでみると 手の位置は ダウンスイングで 手が動いて欲しい軌道に対して インサイドに 来ることになる。そこで、その時に 手の位置が ダウンスイングの軌道から外れないように 手を振り上げずに 手の高さを キープしたまま 手と腕を動かしてみよう。手を 若干 体から離していく方へ動かす必要があるだろうが そうすれば 手は 好ましいダウンスイングの軌道から外れない位置をキープ出来る。以上のことからも分かるように バックスイングをスタートする時に 肩の回転をスタートするのと同時に 手を飛球線と平行に引いて 体から少し離してから 腕を振り上げて行くように スイングをスタートさせれば バックスイングと ダウンスイングで 手が動く軌道は ほぼ一致することになる。多くのアマチュアは 腕をインサイドに引いて 切り返しで アウト そして インに腕とクラブを振って アウトサイドインのスイングをしてしまうのである。

一方、手の位置は 肩が 90°以上回れば 腕を 然程 振り上げなくとも 高く上がると言う理屈であるが 肩を回さずに 腕だけを振り上げても 色々な意味で ボールを上手く打てる可能性は 低くなる。それでは 体の回転するパワーを上手く利用出来ないだけでなく、スイング軌道も アウトサイドインの効率の悪いスイングになってしまうだろう。ゴルフスイングのエッセンスは 腕を縦に振る動作と 体が横に回転する動作をバランス良く組み合わせて 所謂 オンプレーンのスイングをすることである。そのために 肩と腕が アドレスの姿勢から (1) ~ (2) のステージで どのように動けば良いのか と言うことを考察することで 多くの人は ゴルフスイングがどうあるべきか と言うことに対する理解を深めることが出来るはずだ。その意味では 肩の回転を利用して ボールを打ち易い位置に手と腕を運ぶという考え方をしても良いだろう。

フェースターン

そして オンプレーンのスイングの概念に 正しいフェースターンの考え方を加味すれば 安定性と再現性ガ高く効率の良いゴルフスイングのあるべき姿が見えてくるはずだ。実は 肩がある程度回転してから 腕をゆっくり振り上げる意識でスイングした方が 腕もクラブヘッドも望ましいプレーンに乗せ易くなるが オンプレーンに 腕とクラブがスムースに動くように スイングするだけでは 十分と言えないのである。以下は ルーク・ドナルドのスイングのスローモーション動画であるが まずは それを見てみよう。

フェースターン
ここで 肩の回転と腕の振りの関係に加えて 彼の左右の腕の動きに フェースターンという観点から 注目してビデオを見て欲しい。最初に バックスイングでクラブヘッドが腰の高さに上がった状態で フェース面が どの様になっているかを確認して欲しい。右のイラストのように かなり シャットに フェース面が ボールを見るような状態になるのが 好ましいフェースターンの動作のファーストステップである。そして、トップでは 左の手の甲が フラットになり 右腕のエルボーが地面を指す形が出来上がれば スイングを通じて 不必要なフェースターンがミニマムになり フェースを よりスクウェアにキープし易いスイングが可能になる。そこから ダウンスイングを始動させる時には 腕を振ってボールを打ちに行くのではなく 下半身の動きを使って まずは 腰をスライドさせながらターンさせて 次に 体を回転させ、それに同調させて 位置のエネルギーを利用して 腕を下に落とす。それが ダウンスイングを始動する時の感覚である。腕の力を利用する感覚で クラブを振るのは ある意味 その後のステージで ここでは そのフェーズをフォワードスイングと呼ぶことにする。つまり、スイングは 1) テイクバック、2) アップスイング、3) トップ、4) ダウンスイング、5) フォワードスイング、6) フォロースルー、7) フィニッシュとなり、インパクトの瞬間は フォワードスイングの中にあって バックスイングは テイクバックとアップスイングで構成されると言う考え方になる。言葉遊びのような観もあるが このように呼ぶことで 一つ一つの動作の意味やあるべき姿がより明確になるはずだ。フォワードスイングでは 肩の回転する力を十分に利用して 右腕を押し込むように使い、その時に 左腕をスーピネートさせながら 緩やかなフェースターンを行うことで フェースをスクウェア―に キープしながらも ボールに確りと力を伝えられるメカニズムになる。つまり、フォワードスイングの時に 左前腕をスーピネートをさせる訳だが、感覚的には ボールの 1メートルくらい先までクラブフェースがスクウェアになるような意識を持ってクラブを振ることとも言われるくらいで、左腕のスーピネーションは クラブを反すというより それをスクウェア―にキープするというイメージくらいが適当なのかも知れない。フォロースルーからフィニッシュでは 普通 左腕を反して 畳み込む動きをするが ノックダウンショットや コントロールショットなど、左腕を反して 畳み込む動きを抑えたり、しないボールの打ち方もある。

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さて、ここで自分のフォームをチェックしてみよう。まずは (A) 肩が回転する前から腕を振り上げ始める傾向がないか、(B) 肩と腕が望ましいプレーン上を動いているか と言う点をチェックして欲しい。繰り返しになるかも知れないが 左腕が望ましいプレーン上を動くと言うことは 左腕の付け根を中心として 左腕が回転運動すべき 比較的 垂直 (Vertical) なプレーンから なるべく 外れずに動くと言うこと。そして、トップでは 左手の甲がフラットになることと右肘が地面を指す形を作って ダウンスイングは グリップとクラブヘッドが同じプレーン上を降りることが出来る 理想的な形を作ることだ。

ダウンスイングの腕の振りは バックスイングで振り上げた手と腕の位置エネルギーを上手く使い その重さで落として行くくらいの気持ちで ゆっくり切り返して 下半身から始動すると良いだろう。腰を切るように回転させる動作がダウンスイングの動作のファーストステップだ。その動作は 力強い体の回転をリードするために大切な役割を果たすが、クラブヘッドを好ましいスイング軌道に乗せるという観点からも重要なものである。肩を大きく回転させれば トップの手の位置は より高くなり より大きな位置エネルギーを利用できることになるから ゆっくりしたテンポで 十分にクラブヘッドのスピードを上げるだけの余裕が出来ると言うメリットがあるが 腕の振りを大きくし過ぎると スイング全体のバランスが取り難くなるというデメリットがあるから その辺りのバランスを考えたトップの形にすべきだろう。一方、トップの手の位置を低くし コンパクトなスイングをするのは 低い弾道のボールを打つとか 距離を抑える必要がある時などに 適したスイングだと言えるが、小さなバックスイングからボールを遠くに飛ばそうとすると ゆっくりしたテンポで 十分にクラブヘッドのスピードを上げるだけの余裕がなくなる訳で 逆に 安定性を欠くスイングになり兼ねないと言うことも認識しておこう。

補足になるが 肩を回さずに腕だけを高く上げようとして トップの形を作れば 必然的に 腕が曲がってしまうから それでは クラブヘッドのスピードが上がらない 効率の悪いゴルフスイングになるだろう。左腕は 伸ばして 左肩の付け根を中心に振り子のように、多くの場合、自分が思っている振り幅より小さく縦に動かせば良いだろう。そして、左腕の力を適度に抜いて その腕が望ましいプレーンの上を ゆっくり動くように アップスイングをすれば 正しいトップのポジションが作れるはずだ。トップで左腕が大きく曲がってしまうようであれば 腕の力でクラブヘッドを加速させようという意識が強いはずで オーバースイングか肩と腕の動きのバランスが取れていないスイングかの何れか もしくは 両方の問題を抱えている可能性が高いだろう。

また、ダウンスイングからフォワードスイングでボールに体重が乗るように左右の体重移動を使ってショットをする意識でクラブを振れば 体全体は スイングを通じて 左右に大きく動くことになるから スイングの安定性とショットの精度に支障をきたす可能性が高い。あくまでも 回転運動を利用して ボールを飛ばすという意識で 体の軸が左右にブレないように ステイビハインド的な意識の下に 肩の回転と 腕の振りという動作を行なう必要がある。

腕を縦・横と振れるメカニズム

フォワード スイング正しいトップのポジションが出来れば ダウンスイングでは (a) 下半身、(b) 上半身、(c) 腕 の順で 体を確り 回転軸を中心に 肩の動きが左右対称になるイメージで回転させ 腕を振ってやれば良いことになる。そして この時に 回転軸が左右に動かないように 下半身・上半身の順で 体を回転させることがポイントである。同時に、腕の重さを使って クラブを落とすようにダウンスイングをすれば クラブをインサイドから振ろうとしなくとも 左腕とクラブは 自然とインサイドから入り 正しいタイミングで クラブがリリースされる 効率の良いスイングが出来るはずだ。そして、以上のことが出来れば 多くの場合 スイングの安定性が増して ヘッドスピードも上がるだろう。

なお、インサイドからクラブを落とそうと意識し過ぎると 通常 右肩が下がって 背骨に対して直角にプロペラのように肩を回転させることが出来ず、加えて、(a) ~ (b) で 腕も縦に振れないから 効率の悪いスイングになるだけでなく 方向性もプッシュアウトやヒッカケが多くなって 悪くなる可能性が高いので 要注意である。意識としては 腕をインサイドからではなく 肩を Horizontal に そして 左腕は (a) ~ (b) では Vertical に そして (b) ~ (c) で Horizontal にという 組み合わせで 背骨を捻るような動きは 避けて なるべくシンプルな体の使い方をし 安定性と再現性を高める工夫すべきであろう。無理なく 腕が縦・横に振れれば ボールをクリーンに芯で捉える確率が高くなり 方向性も良くなるという 一石二鳥の恩恵を被ることができるだろう。

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