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ゴルフとビジネス

登山家 何故 ゴルフをするのか。そんなことを真面目に考えて見たことがあるだろうか。有名な登山家、ジョージ・マロリー (George Mallory) が何故エベレストに登るのか (Why do you climb Mt. Everest?) と聞かれて そこに山があるから (Because it is there) と答えたのは 有名なお話だ。

一昔前のアメリカの話になるが「何故 ゴルフをするのか」の答えに関連する面白い記事が 米フォーチュン誌のネット版に掲載されていたので ここでご紹介しよう。ある女性読者からライターに寄せられた「昇進するために 私はゴルフをしなければならないでしょうか?」という質問に対しての回答である。それによれば 最もパワフルな ビジネスと昇進のためのツールの一つがゴルフ (one of the most powerful business and career-development tools) だと言う。ゴルフをするキャリア ウーマンに対するサーベイの結果で これもアメリカの話だが ゴルフが今の自分の出世や成功に貢献しているかとの質問に Yes と答えた女性は 極めて多かった。大手 コンサルティング会社 KPMG マーケティング部門の トップだった女性 Hilary Bruggen という人が キャリアやビジネス ディベロップメントのツールとして身に付けておきたい ゴルフの基本とマナーを教えるサービスを提供する会社を前職を辞して設立したそうだ。 (www.strelmark.com) また、イギリスの London Business School では プロゴルファーで 2014年 ライダーカップ 欧州チーム キャプテンだった Paul McGinley 氏に MBA の学生にリーダーシップに係わる講義を依頼しているという話もある。日本と欧米のビジネス環境や文化に差はあるものの面白い話だ。

ゴルフ外交
日本において ゴルフが最もパワフルなビジネスと昇進のためのツールになるかどうかは 疑問も残るところだが ゴルフがビジネスに役立つことは 多くの人が認めていることだ。最近の話では 政権について間もない トランプ大統領を訪ねた安倍首相が 米フロリダ州 パームビーチでトランプ大統領と一緒にプレーをし、その後 日本を訪れた同大統領が東京オリンピックの会場となる霞が関カンツリークラブでプレーをするという 所謂「ゴルフ外交」が展開された。この二人の間で ゴルフがどんな役割を果たしているかは トランプ大統領と安倍首相だけが知る処であろうが その良好な関係の構築に一定の役割を果たしているのは 間違いないことのようだ。

そして もう一つ 間違いのないことに ゴルフがビジネスのパートナーや上司、部下などの性格を知る上で 非常に役立つと言う事実がある。マナーが悪く、ルールを守らない人、それ以前に そうしたこと学ぼうともしない人も居ようが、そんな人達とビジネスをして成功するとは思えない。また、相手の立場や気持ちへの配慮が出きる人、出来ない人が居るが そんなことも ゴルフを一緒にすれば大体分かる。さらに、プレー中やプレー後の言い訳と愚痴。誰でも 失敗や不運なこと そして 悪い結果には 遭遇するもので そんな時はネガティブな人間性が出易いものだが、好感が持てるポジティブな態度を見せられる人なら 一緒にビジネスをしてみようかとも思うものだ。

いずれにしても、時々練習場でボールを打ったり ゴルフ場に行ってラウンドするだけでは なかなか上達しないのがゴルフである。ビジネスでも ただ会社に行って与えられた仕事を消化するだけでは面白くないはずだし、その成果も大きなものは期待出来まい。ゴルフが楽しいと感じる大きな理由の一つは 上達するプロセスにあるが 仕事も同じで そこには何らかの工夫が必要だ。ゴルフを漠然と楽しめば良いと考えている人 また ラウンドをしたら ただ良いスコアを出すことばかり考えている人、何に どのくらい拘るかは 人それぞれだと思うが 漠然とゴルフをするだけでは勿論のこと、スコアのことだけを考えてプレーをしても なかなか上達できないし、本当のゴルフの楽しさを味わうことは出来ないはずだ。ゴルフの内容 即ち 自分のショットセレクションとエクセキューション (execution) に拘ってこそ ゴルフは面白くなるし 上達も望めるようになる。どんなクラブを使って どのようにショットを打てば良いかを考えて そのイメージしたショットが打てるように最大限集中し全力を尽くすこと。それこそがゴルフの醍醐味である。

そして、そうしたことをラウンド中に常にやっていれば ラウンド後の反省も違ってくる。ラウンドが終わって 多くの人は その日の自分のゴルフを振り返ることと思うが、例えば、OB したホールやスリーパットのホール また バーディーがあれば そうしたホールのショットなど、失敗した場面と成功した場面を思い出す。しかし、そこで ただ OB がなければとか、スリーパットをしなければといったタラレバの反省をしても ほとんど何の役にも立たない。何故、自分はそのショットセレクションをし どんなエクセキューション上の問題があったのかを考えるべきで そうした反省をしていれば 練習場でどんな練習をすべきかも自ずと分かってくるし その内容も変わってくると言うものだ。

実は ゴルフとビジネスには 極めて類似する側面がある。ゲームプランを立て 一つ一つのプレー 即ち ショットセレクションを考え その一打に集中しショットをする。エクセキューションに全力を尽くす。さらに、その結果をフィードバックし 上達のために また 成功のために何が必要なのかを考える。そして 再び 新たなゲームプランを立て挑戦していく。無論 ただ良いスコアや結果を出すことだけを望んでも 上手くは行かないものだ。本来、ゴルフもビジネスも自分の持てる能力や技を如何に駆使して結果につなげることが出来るのか ということに挑戦すべきものだから、そうした努力や工夫をして始めて(仮に 結果が芳しくなくとも)ある意味、納得の行くラウンドが出来るし 商売も出来るのだろう。より良いショットをするために 自分は何をすべきかを考えるプロセスと一打一打への思い入れ、そして、そうした中でも 相手の立場や気持ちへの配慮ができる人間性が肝要。ゴルフを出世やビジネスの成功に役立てようと考えて ゴルフをすることが何を意味するかは何とも言えないが ゴルフでも ビジネスでも 本当に大切なものが何かを見失わないよう 日々の努力と工夫をして行きたいものである。

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