ラブオブザグリーン - Rub of the Green|ゴルフ用語

Introduction

"Rub of the Green" という ゴルフに端を発する英語の慣用句がある。本来、rub には physical hump(物理的なこぶ)とか obstacle(障害)というような意味があって rub of the green といった場合は グリーン上にある小さくて気付かないような出っ張りや窪みのようなものという 文字通りには 意味がある。そして それが ボールを思わぬ方向に転がしてしまい 入ると思ったボールが外れてしまうような「不運」という意味で良く使われる慣用句だ。英語圏では 主に 不運という意味合いで ゴルフだけでなく(特に、スポーツ全般で)良く使われる慣用句だが 幸運なケース 使われることもある。

ゴルフ用語としての意味

2019年に ゴルフルールが大幅に改定され ルールブックから「ラブオブザグリーン」という言葉はなくなったが、それ以前は これがゴルフ用語として「ラブオブザグリーン」とは 動いている球が 局外者により偶然に方向を変えられたり 止められた場合をいう (旧規則 19-1) と定義されていた。そして、そこには「プレーヤーの動いている球が局外者により偶然に方向を変えられたり止められた場合は ラブオブザグリーンであって 誰にも罰はなく、その球はあるがままの状態でプレーされなければならない。」とも記されていた。つまり、この規則 19-1 の記述のために ラブオブザグリーンが 用語として定義されていた訳だが 用語定義の日本語の文章は 本来の意味とは 異なるもので 少し不適切なものだった。つまり、実は 英語の旧ルールブックには A "rub of the green" occurs when a ball in motion is accidentally deflected or stopped by any outside agency (see Rule 19-1). と記述されてたのだから、これを訳すのであれば、動いている球が 局外者により偶然に方向を変えられたり 止められた場合は「ラブオブザグリーン」であると訳すべきだったのである。

豆介分かり易く説明すると オリジナルの英語は A が起きた場合は B である と記しているのに 日本語版は B とは A が起きた場合を言う と記述していた訳だ。一見、同じようにも思えるが 全く違う内容になる。例を挙げて説明すると、英語の記述が「よそ見運転で車をぶつけた場合は 過失による交通事故である。」に対して、日本語で「過失による交通事故とは よそ見運転で車をぶつけた場合を言う。」と記述しているのと同じである。

因みに、局外者 (outside agency) とは プレーヤー側の人間 (キャディーやパートナー) とマッチプレーの対戦相手側の人間を除く人 (例えば、他のプレーヤー、ギャラリー) や動物などのことを意味するゴルフ用語だったが、新ルールでは この用語は 外的要因 (outside influence) という新しいゴルフ用語に取って代わられた。

いずれにしても、局外者にボールが当たって方向が変わった時は こぶにボールが当たって思わぬ方向に転がったのと同じだと 説明するために この "rub of the green" という フレーズを わざわざ 使っていた訳だ。そんな用語の定義をしてまで説明する必要が何処にあったのだろうか。しかし、ルールブックで 不必要とも言える ラブオブザグリーンという言葉を使って 前述の状況を説明したのには 訳があったはずだ。

ゴルフの本質

一体、何が そうした説明をさせていたのだろうか。真意は分からないが 翌々考えてみると ゴルフの本質に ラブオブザグリーンの要素があるのだから ゴルフルールの説明でも その要素 強調しておく必要がある と言わんばかりに思えてくる。

アマチュアが ゴルフをする場合、局外者による ラブオブザグリーン の影響を受けることは稀であろうが ゴルフは 当に ラブオブザグリーンの連続だと言っても過言ではない。何故 あのパットが あんなに曲がったのだろうか というグリーン上で起きたことに対する疑問や不満に対する答えだけでなく、あの時 もう少しライが良かったらとか、あの酷いキックがなかったら などと言った 運、不運を説明するのに ラブオブザグリーン以上にピッタリ来るフレーズはない。ほんのちょっとしたこと (rub) が 結果を大きく変えてしまう非情なゲームの側面に どう向き合ってプレーをしたら良いのか。ラブオブザグリーン という言葉に その答えが潜んでいるように思えないだろうか。以下は "Unlucky Golf Shots Ever" というタイトルの動画である。

The game of golf is with full of rubs. である。特に、ラブオブザグリーンによって不利な状況が生まれ それが原因で スコアを崩した場合などは それをその後も引きずって 一日のゴルフを台無しにし兼ねないが ゴルフとは そう言うものだと考え方を変えれば 大したことにはならない。そんなゲームが ゴルフなのである。

余談になるが、シェイクスピア (Richard II, 1593) で rubs という言葉が(以下参照)類似の使われ方をしているそうだ。'Twill make me thinke the World is full of Rubs, And that my fortune runes against the Byas. ('twill = it will; byas = bias) » 詳細

不運に打ち勝て

ラブオブザグリーンという言葉の意味とその使い方については 概ね ご理解頂けたことと思うが、ラブオブザグリーンが 当に 知っておくべき ゴルフ用語であることも 併せて ご理解頂けただろうか。自分が経験する不運を 当たり前のこととして受け止めることが ゴルフでは大切で そうすることが 不運な ラブオブザグリーンによるダメージを 最小限に抑える最善の方法なのだ。そして、不運の後には 幸運がやって来るのが 世の常である。

以上が ラブオブザグリーンという言葉についての解説であるが、ゴルフ通ぶって見たい人は このフレーズを ゴルフ仲間との会話で使ってみては 如何だろうか。そして、酒の席などで 自分の人生のラブオブザグリーンと ゴルフのラブオブザグリーンのお話を 面白可笑しくしてみても 楽しいだろう。

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