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ゴルフボールの選び方|基礎から専門知識まで

Introduction
ゴルフボールゴルフボールは 大きさが 直径 42.67mm 以上、重量 45.93g 以下と規則で定められており、その表面には ボールが遠くに飛ぶように考案された 300 ~ 400 個 程度の 小さな ディンプルと呼ばれる 窪み がある。また そのボールを規則で定められた条件下で打った時の初速と標準総合距離 即ち キャリーとロールを合わせた飛距離は 一定の基準値を超えないことと定められており それ以上に飛ぶボールは 公認球としては 認められないものである。

ボール選びの基礎知識

ゴルフは 他の多くのスポーツと違い 公認球であることを条件に 自分が選んだ好みのボールを使うことが出来る ある意味 珍しいゲームである。そんな ゴルフボールをブランドや見た目だけで 無頓着に選んでいる人も 少なくないと思うが ボールのメーカーは ターゲットとなる ゴルファーに対して 最適なスペックのボールを提供するという考え方の下に 多種多様なボールを製造、販売している訳だから 当然 自分に最適なボールが そんな視点から どうあるべきかを考えて選ぶべきである。合理的で 賢いボール選びをする上で 必要なことは (1) どんなタイプのボールがあるか、(2) 異なるタイプのボールがプレーに及ぼす影響は 何か、(3) ボールの価格は どうか と言ったことを知って その違いを理解した上で どうすべきか 考えてみることである。そんな視点から まずは 下のリストを見て欲しい。

(1) ボールのタイプ
(A) ワンピース ボール (練習場用)
(B) ツーピース ボール ディスタンス系
(C) ツーピース ボール スピン系
(D) マルチレイヤー ウレタン カバー
(E) マルチレイヤー 非ウレタン カバー
(F) その他
(2)/(3) ボール選択の基準
(a) 飛距離 (スイングとのマッチング)
(b) 直進性 (サイド スピンの影響など)
(c) スピン性能 (主に アプローチ)
(d) 打感 (特に ショートゲームでの)
(e) 耐久性
(f) 価格

ボールの構造

ボールの構造
ゴルフボールは 基本的に 安価な A. ツーピースボールか ツアープロも使っていて 少し値の張る B. マルチレイヤーボールの二通りに分類される。右図を見れば その二通りのボールの構造の違いが 大体 分かると思うが ツーピースボールは 構造的にシンプルだから 経済的に製造出来るもので 通常は 手頃な価格で 購入できる。一方、マルチレイヤーのボールは その殆どが カバーにウレタン樹脂を使用したもので ハイパフォーマンスのボールとして 上級者の多くが 使用するタイプのボールである。マルチレイヤーのボールは 殆どが 3 ピースか 4 ピースの構造であるが 中には 5 ピースのボールもある。3 ピースのボールは 右図と異なり コアが 二層になっていない構造で 5 ピースの場合は 右図のケースが さらに アウター ケースと インナー ケースに分かれる 5層構造だ。例えば、タイトリスト Pro V1 は 3 ピース、Pro V1x は 4 ピース、また、テーラーメイド TP5 は 5 ピースのボールだが より多層だから 価格が高いとか 性能が良いと言うようなことではない。

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ボールの硬さと飛びの関係

様々なブランドとモデルのあるゴルフボールは その構造だけでなく 個々のモデルによって そのスペックが 微妙に 異なる訳だが まずは その硬さに焦点を当てて モデル間の違いを説明しよう。ボールの硬さは 一般的に コンプレッションという指標で表示される。昔は 殆どのボールに コンプレッションの表示がなされていて 男子の場合は 90 と 100 のボールから (レディースのボールは 70 とか 80 で) ヘッドスピードの速くない男性は 90 のボールを選択をするのが 一般的だった。しかし、最近は 状況が変わり コンプレッションが低めの柔らかいボールが 多くなったし ボールにコンプレッションの表示をしないのが 一般的になった。特に 多層構造のボールは アウターコアを硬めにし インナーコアを柔らかめにする構造 また ツーピースのボールでも ブリヂストンなどは 同様の効果を出す目的で グラデ―ショナル コア (gradational core) といった技術を導入するなど 単純に 昔ながらのコンプレッション表示法では その特性を表すことが出来ないケースが多くなっている。そうした状況ではあるが、公表されているマルチレイヤーのボールのコンプレッションは 以下のとおりである。

・ 2017 Titleist Pro V1 = 90, V1x = 100
・ 2017 Srixon Z-Star = 88, Z-Star XV = 105
・ 2017 TaylorMade TP5 = 83, TP5x = 90
・ 2015 Callaway Chrome Soft = 65
・ 2016 Chrome Soft = 75
・ 2017 Callaway Chrome Soft = 70, X = 90

打ち出されるボールのスピードをマックスにするためには ヘッドスピードに応じて 最適な硬さのボールを選ぶべきで 50m/s を超えるような ドライバーのヘッド スピードの男子ゴルファーの場合は (コンプレッション 100 のような) 硬めなボールを選ぶのが (飛距離の優位性よりも 打感を重視する人は 別だが) 理に適っている訳だが 硬いボールは それをドライバーで打った時に スピン量が柔らかいボールより 他の条件が同じであれば 大きくなると言う性質がある。従って、スピン量の最適化が難しいために 打ち出されるボールのスピードを最大にしても 飛距離がマックスになるとは 限らないという現象が起きる。最近のボールが柔らかめになってきたのは 柔らかいのに高反発で ボールの初速低下をミニマムに抑える技術が進化したからだと言えよう。

風の強さや向きは 勿論のこと 温度、湿度、気圧、そして、落下地点の状態などにも ドライバーショットの飛距離は 影響を受けるから その飛距離をマックスにする 打ち出し角とバックスピン量の組合せが ヘッドスピードごとに 単純に決まる訳ではないが 殆どの男性は 打ち出し角 (11° ~ 14°) バックスピン量 (2000 rpm ~ 2700 rpm) をターゲットに クラブとボールの選定 また スイングの改良などを 色々と 試行錯誤すべきなのだ。因みに、レーダー弾道測定器メーカーのトラックマンによれば 男子 PGA ツアープロの ドライバーショットのヘッド スピード / 打出角 / スピン量の 平均値は 50 mps / 11.2° / 2,685 rpm、LPGA の女子選手は 42 mps / 14.0° / 2,628 rpm だそうだ。

勿論、ボール選びのポイントは ドライバーの飛距離だけでなく、アイアンの距離の精度やアプローチのスピンコントロール (普通は スピン量を大きく出来る方が良い) また、チップ、パットの打感、ショットやパットの直進性など 考慮すべきポイントは 多々あるので 総合的に評価すべきだが まずは どんなスペックのボールが 自分の飛距離マックスという観点から ベストなのかを判断できる知識を身に付ける必要があろう。マルチレイヤーウレタンカバーのボールは 高価だが どんなボールを選んでも 上級者にとって 総合的に優れたボールが多く その性能において メーカー間の差は 小さいと言える。一方、ツーピースボールは ボールによって そのスペックも 性能も 大きく異なるので 良く考えて ボール選びをする必要がある。ツーピース ボールの魅力は 何と言っても その価格だが その他にも スライスボールに悩んでいる人には サイドスピンを抑えて スライスの度合いを小さくしてくれるなどの利点もある。

ディスタンス系、スピン系

ディスタンス系、スピン系という分類があるが それは ある意味 ツーピースボールの分類に使われる言葉と言っても良いが その用語が与える言葉のニュアンスは かなりミスリーディングで 言葉の定義も 曖昧である。ディスタンス系は 硬いボールで スピン系が柔らかいボールだと思っている人も 少なくないだろうが 普通は アプローチでスピンがかかる 柔らかいカバーのスピン系のボールは 硬めのコアで 反発力を確保する構造。他方、ディスタンス系のボールは ドライバーのスピン量を減らす目的で 柔らかいコアとし 硬いカバーで反発力を確保する仕組みである。つまり、ヘッドスピードが あまり早くなく ダウンブローに カット気味にボールを打つ 典型的なレクリエーショナル ゴルファーが 飛距離をマックスに出来る特性を持つボールが ディスタンス系のボールと言うことで どんな人にも ディスタンスの面で アドバンテージのあるボールと言うことではない。また、高反発の柔らかいコアが作れるようになって カバーもコアも 柔らかいツーピースのボールも出現している。例えば、キャロウェイ・スーパーソフトの コンプレッションは 38 で キャロウェイによれば このボールの コアの材料は ポリブタジエン、カバーは トリノマー (trinomer) と呼ばれる 比較的 柔らかい材料を使っているが それで ディスタンス系のボールに分類されている。ツーピースボールのカバーの材料は サーリン (商品名) とか アイオノマー (一般名称) と言う表記を目にすることが多く ソフトサーリンとか 高反発アイオノマーなどと スペックには 表記されるのが 一般的である。

実は ソフトコアだと (飛距離を伸ばすのに有利な) 低スピンのボールが打てると言う利点は あるものの ヘッドスピードが 速い人の場合は 打ち出されるボールのスピードが硬いコアのボールほど 上がらないと言う欠点がある。つまり、ドライバーショットのスピン量が 低めで ヘッドスピードの速い人は 飛距離を重視するのであれば コアが硬め 即ち ハイコンプレッションのボールを選んだ方が 飛ばせる理屈である。言うまでもなく、スピン量の多さが ネックで距離が伸びないのであれば 柔らかいコアのボールを選んだ方が良い結果が期待できるだろう。つまり、自分の ドライバーショットのボールの初速、打出角、スピン量などの統計データがあれば どんなボールが最適か 概ね 判断できる訳だ。機会を見て 自分のドライバーショットをそうした観点からチェックしてみると面白いだろう。なお、そうした飛距離に影響を及ぼすバックスピン量などは ボールだけではなく ドライバーのヘッドのデザインやシャフトの特性にも影響されるから そうした点も考慮して 自分のデータは チェックすべきである。ロボットなどで 第三者が測定したデータが 必ずしも 自分に当てはまる訳ではない。 » バックスピンの秘密

ボールの性能、品質、価格

ボール選びのポイントは 勿論 飛距離だけではない。その良し悪しの判断は スピン性能、打感、飛びの精度、直進性、コントロール性能、耐久性などにも 着目して 行う必要がある。飛びの精度とは 打ったショットや パットが曲がらずに 正しい距離 転がったり、飛んだりすることを言う。例えば、ボールの重心が中心からずれていたりすると 正確さがなくなるものだ。マルチレイヤーウレタンカバーのボールは 色々な面で 優れているが それがツーピースのボールと最も違うのは スピン性能、コントロール性能である。柔らかいタッチが出せ 必要な時にバックスピンを利かせたり フックやスライスをかけて ボールを曲げたり出来るなど、ショートゲームや コントロール ショットで その性能の差が 大きく出る。サイドスピンが多くなってボールが曲がるとか 曲がらないと言った 直進性とコントロール性能も 人によっては ボールを選ぶ時に注目すべき特性の一つだが スライスを減らしたければ コントロール性能を犠牲にして スピンのかかり難い 直進性の高いボールを選べば良いことになる。なお、ウェッジで フルショットをしたら カバーが簡単にささくれてしまうようなボールは 耐久性という観点から 好ましいものではない。

さて、最も 良く出回っているのは 1,000円 ~ 2,000円台/ダース位で買うことの出来る ツーピースのボールで アイオノマーカバー(サーリンとも言う)のボールである。アイオノマーは 全般に 硬めだが 耐久性に 優れる素材だ。ツー ピースのボールは 前述のように 硬いカバーで 反発力を確保し 柔らかめのコアで ドライバーのスピン量を減らす作りのディスタンス系 また ソフトサーリンのような 柔らかめなカバーと 硬めのコアで反発力を確保する スピン系のボールがある。飛距離があまりない ゴルファーにとっては プロが使うようなコンプレッション 90 ~ 100 のようなコアが硬めなボールでは インパクトで ボールを十分につぶしきれないために スピン量が多くなって 飛距離が落ちる傾向になるから コアが少し柔らかめなボールを使えば 最大限の距離を確保できると考えて良いだろう。いずれにしても、ドライバーショットのバックスピン量が大き過ぎる人は ゴルフ用具 (ドライバーとボールの組合せ) の工夫次第で 飛距離を伸ばせる可能性が高いと言うことだが ディスタンス系とスピン系のどちらを選択すべきかは 当然のことながら パットや チップショットなど ショートゲームでのフィーリングについても ジックリ考え 総合的に 判断して決めて欲しい。

ところで、プロや上級者が好んで使用するボールは スリーピースか フォーピースの (ファイブ ピースのボールも 売られているが) コア、ケース、カバーという構造で マルチレイヤーソリッドコア(MLSC) と呼ばれるタイプのボールで カバーに ウレタン樹脂を使用したものだ。そうしたボールの価格は 通常 ディスカウントで買えるようなところで 比較的安価なものを選んで購入しても 4,000円/ダース 程度はする かなり 高価なものである。具体的には、タイトリスト Pro V1 / V1x、スリクソン Z-Star / Z-Star XV、キャロウェイ クロムソフト 各種、テイラーメイド TP5 pix、ブリヂストン TOUR B X / B XS、HONMA TW-S or X / X4 / FUTURE XX といったボールだが そうしたボールでは ドライバーショットのバックスピンを抑えながらも ウェッジやショートアイアンのバックスピン量が大きくなるよう コアの硬さ (コンプレッション) や カバーの柔らかさ (Shore D という数値で良く表示される) そして その組み合わせに 工夫がなされている。最近は コアのコンプレッションが中心と表層で違うものや二層から成るコアのコンプレッションと比重の異なるボールも売られている。比重の異なるコアを使う意図は ボールのスピン性能を最適化する狙いである。

さて、近年は ウレタン以外の素材で打感と 飛距離を重視した多層構造の高級ボールも出回っている。タイトリスト AVX / TOUR SOFT / VG3、グランゼ (GranZ)、ブリヂストン ファイズ (PHYZ)、ゼクシオ イレブン / プレミアム 7、キャロウェイ ERC、ミズノ RB 566V などが そうしたボールである。この手のボールは ショートゲームでの スピン性能が(元々それが売りではないものも多く)ウレタン カバーのボールに比べ やや劣るのが一般的であったが 最近では そうした性能が ウレタン カバー ボール並みという ハイ パフォーマンス ボールも 出現している。

いずれにしても、ボールが グリーン落ちてから バックスピンで戻るようなボールの性能は ボール表面の樹脂が クラブフェースの溝、即ち、グルーブに変形して入るような形になって 始めて 得られるものであるから そうした樹脂の柔らかさのない アイオノマーカバーと それが可能なウレタンカバーのゴルフボールでは ウェッジ ショットなどで 決定的なスピン量の差になって現れる。ゴルフボールの進化の歴史を見ると スピン性能と飛距離は 相互に相反する性能で ショートゲームのスピン性能を重視すれば 飛距離は 犠牲にしなければならないという時代があった。二十年前までのバラタ カバーの糸巻きボールを ツアープロが使っていた時代である。近年も 低価格のボールでは その傾向は 多少残っているものの マルチレイヤーのスピン性能に優れ 飛距離も出るボールが 比較的 高価ではあるが 売られるようになって 状況は 大きく変わった。飛距離が ほぼ最大値であるにも拘らず ショートゲームに有利な スピン性能や コントロール性能に優れたボールが 近年は 買えるようになったのである。

ゴルフボール進化の歴史

昔のゴルフボールゴルフボールは 初め 木製であったが 後に 羽毛を皮で包んだ 手作りの 右図 (1) のようなものが使用されるようになった。その後、1848年に ガッタ (Gatta または Gutti とも言われる) という 量産できるボールが現れたことが ゴルフの発展を大きく促したと考えられている。初めは 表面がスムースであったが 後に 表面にキズを付けると より飛ぶことが判明し 表面に メッシュの付いたものや 小さないぼいぼ状の突起がついたボールなどが普及した。そして、1898年には ゴムのボールが始めて使われるようになり 1901年に Haskell rubber-core ball というボールが出現し ゴルフを大きく変えていった。当時のボールの表面には 上図 (2) のような いぼいぼ状の突起が施されていた。現在のボールのようにディンプルが使われるようになったのは 1908年以降と言われている。その後、1930年に 始めて ゴルフボールの規格が全英ゴルフ協会によって確立され、さらに 時を経て 現在のボールの規定が定められるに至っている。

その後は スピン性能に優れる バラタカバー (リキッド コア) の糸巻きボールが出現し ツアープロの多くが そんなボールを使っていた時代があったが 2000年代に入ると 前述のウレタンカバーで マルチレイヤーソリッドコア (MLSC) という 飛距離にもスピン性能にも優れるボールが出現したことで 飛距離性能に劣る バラタカバーの糸巻きボールは 完全に姿を消した。因みに、MLSC のソリッドコア という言い方は リキッドコアをリプレースするものという意味合いがあったからだろうが 最近は わざわざ ソリッドコアとは 言わなくなったようだ。以下は そんなゴルフボールの進化の歴史と現代のゴルフボールがどのように作られているかを説明した動画(英語)である。

近年 注目されている技術革新は 超高反発のソフトコア技術を採用したボールの開発であろう。ツーピースでも飛距離、スピン性能の両方に優れたボールの出現が望まれる。そうした中、現在は 多種多様な ゴルフボールが市場には出回っている。例えば、ネットゴルフショップ最大手の GDO ゴルフショップ で売られているボールの数を見てみると 2019年 8月現在で 364 アイテムもある。勿論、ここで市場に出回っているボールの殆どが販売されている訳でもないから 本当に沢山の種類のボールがあるということだ。

自分のニーズに合ったボール選び

上級者に その性能と品質で人気の高いウレタンカバーの MLSC のボールは 確かに その差が分かる人には 魅力的なボールであろうが、価格も それなりに高い。一方、セールで 3,000 円前後で手に入る ウレタンカバーの MLSC のボールも モデルに拘らなければ 買えることはことは 珍しくない。モデルチェンジで 古くなった 前年度のモデルなどで 良く見られるセールだが 最新モデルと 殆ど 同等なものが多いから 価格に敏感な人は セールを利用して まとめ買いしておくと良いだろう。一方、クラブのヘッドスピードが低い、女性やシニアプレイヤーにあったツーピースのゴルフボールもある。一般的には コンプレッションの低いボールで 球が上がり易いディンプル パターンのものだ。

ボールの軌道は スイング軌道、クラブのロフトと 重心、芯のはずし具合、ボールのカバーの素材、コアの構造と材質、ディンプルのパターンなどに影響されるが 飛距離の面からは 自分のスイング・スピードとタイプ、クラブのロフトや重心、また、シャフトの特性なども考えてボールを選ぶようにしたいものである。ヘッド スピードのない人は 球がドロップしないようなディンプル・パターンで 低いコンプレッションのボールを選ぶと良い。例えば、ヘッド スピードの速い人で 飛距離に拘っている人は タイトリスト Pro V1 でなく タイトリスト Pro V1x を選ぶべきだが ヘッド・スピードのあまりない人に V1x は 不向きなボールである。

ただし、近年は 柔らかいのに ヘッドスピードが速い人が打っても飛ぶボールが出回るようになっている。例えば、2015年に発売になった キャロウェイのクロムソフトは コンプレッションが 65 というボールで (現在のモデルは 少し硬くなっている) 極薄ソフト・ウレタンカバーを使用したボールであるにも拘らず プロのようなヘッドスピードで打っても 飛ぶボールだ。こうしたボールでは 反発力が落ちて 飛距離が出ないというのが これまでの常識だったが 高反発のソフトコア・マテリアルの開発によって それを完全に打ち破った形である。なお、ディンプルの数は 270 ~ 450 が良いとされているが 最近の傾向は 浅いディンプルで その数が 少な目になっているようだ。ディンプルは 浅めにし 数を多めにすると ボールが高く上がる傾向にあり、ハードヒッター用には ディンプル数を 少な目にするのが 一般的だ。

ゴルフボールのタイプと特徴
カバー/構造 2 ピース マルチレイヤー
アイオノマー 安価で 飛距離、直進性、耐久性は 優れている。ただし、スピン性能と打感は 劣る。 ソフト・アイオノマー・カバーが中心。飛距離、直進性に優れるが スピン性能は 少し劣る。
オリジナル
樹脂
打感や直進性は まずまずで 価格的にも魅力だが 耐久性、スピン性能などが劣るか。 直進性、飛距離、打感に優れており、スピン性能も まずまずだが 価格は かなり高い。
ウレタン あまり 一般的でないが スピン性能と 打感は まずまずで 価格的には 魅力。 スピン性能と打感に最も優れており 飛距離 も犠牲にされていないが 価格は 高い。

最後に プレーに影響を与えない範囲で ボールのコストをセーブする アイデアを紹介しよう。一つは 既に 説明した モデル チェンジに伴う クリアランス セールなどを利用する方法だが もう一つの方法は ロスト (ユーズド) ボールの購入だ。グレードの高いロストボールは ほぼ 新品同様で 価格が 5-6割程度だし、少し傷のついたものなどは 4割程度の値段だから 結構 オススメである。 » ロストボール購入

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