ウェッジは 距離の短いショット、所謂、ショート・ゲーム用に デザインされたクラブで、ロフトがあって (クラブフェースが 上を向いている という意味) 高いボールを 打つことの出来るクラブの総称である。一言に ウェッジと言っても、色々なデザイン、そして、使用目的のものがあるが (詳細後述) 右の写真のようなバンカーからのエキスプロージョン (砂と一緒にボールを飛ばす) ショットやボールを 少し高めに上げるショットに適した サンド・ウェッジ、グリーン周りからボールを転がすアプローチ・ショットに適したデザインの ピッチング・ウェッジの 2本は大方のゴルファーが バッグに入れてプレーをしている代表的なものである。
稀に、サンド・ウェッジを含むアイアン・セットが売られているが、通常、アイアン・セットに含まれるクラブはピッチング・ウェッジまでである。つまり、6本セットであれば 5番アイアンから ピッチング・ウェッジまで、8本セットであれば 3番アイアンから ピッチング・ウェッジまで と言うことになり、それよりも ロフトのあるウェッジ、例えば、サンド・ウェッジなどは 別途購入する必要がある訳だ。しかし、そうしたウェッジを 無造作に選んで セットとしてのウェッジの組み合わせを決めていたのでは、合理性と言う意味で、疑問が残るセットになってしまうだろう。そこで、ここでは まず ウェッジの種類と選び方、そして、その組み合わせ方について詳しく説明する。
ウェッジの種類と選び方 / 組み合せ方
ウェッジのヘッドの形状とその特徴を説明するために用いられる各部位の名称は右図の通りであるが、ウェッジのことを理解する上では、まず、そうした基礎知識を 持っておく必要がある。
ウェッジを選ぶ時には 好ましいロフトの流れ (差) になるよう気を配る必要があるが、加えて、バウンス角、ソール幅・形状、FP値やリーディングエッジの丸み、クラブの重さなどにも注意を払うべきである。(FPは Face Progression の略で、FP値とは シャフトの中心線からクラブのリーディングエッジまでの距離のこと。)
それぞれの詳細は後述するが、まずは どんなウェッジを 何本持つかを考えて決める必要があり、その基準になるのが自分のアイアン・セットのピッチング・ウェッジのスペックである。
ご存知のように、市販されているアイアン・セットは番手ごとにロフトが決まっている訳ではない。飛ぶクラブの方が売れるという傾向があるからだと思われるが、最近のアイアントは (昔のアイアンに比べ) ロフトの立っているものが多い。中には、ピッチング・ウェッジのロフトが 44°、つまり、トラディショナルなセットの 9番アイアン相当のセットもある。従って、まずは、自分のピッチング・ウェッジのロフトを知る必要があると言うことだ。
一方、最近の上級者は
3本から 4本のウェッジを入れるのが一般的だが、その中心になるクラブがサンド・ウェッジ
(SW) である。その最も一般的なロフトは 56° だが、58° の サンド・ウェッジというのも比較的良く使われる。また、60°
以上のロフトがあるものを ロブ (エル) ウェッジ (LW) と呼び (64°以上のものは エキストラ・ロブ・ウェッジとも言う)、逆に、ロフトの少ないものが ピッチング・ウェッジ
(PW) で 44-48° のロフトのクラブになる。そして、PW と
SW とのギャップを埋めるクラブが ギャップ (アプローチ) ウェッジ (GW/AW)
で、ピッチング・サンド (PS) とも呼ばれ (和製英語) 最も一般的なものは 49-53° のロフトのクラブだ。さらに、54° のウェッジというのも比較的良く売られているが、サンド・ウェッジとギャップ・ウェッジの中間的なクラブで そうしたものを デュアル・ウェッジ (Dual Wedge) と呼ぶこともある。
ロフト (°) |
44°- 48° |
49°- 53° |
54° |
56°- 58° |
60° |
64°以上 |
クラブの呼び名 |
ピッチング |
ギャップ
アプローチ
ピッチング・サンド |
デュアル |
サンド |
ロブ
エル |
エキストラ・ロブ
エキストラ・エル |
ギャップ・ウェッジを入れる場合は サンド・ウェッジとのロフト差を 4°から 6°くらいに設定するのが 普通で (シャフトの長さは 35.0 +/- 0..5インチが標準) それで、飛距離は 10 から 20ヤード違ってくるのが一般的だ。多少 個人差があるだろうが、ウェッジの場合、ロフト 1° ごとに 3 から 4ヤード飛距離が 変わると考えれば良いだろう。(つまり、PW のロフトが 44-46°であれば、AW のロフトは 49-51°、そして、 PW のロフトが 47-48°であれば、AW のロフトは 52-53°が好ましいと言えよう。)
ロフトの次に重要なことと言っても良いものが バウンス角である。サンド・ウェッジは バウンス角が 10 -
14°とバウンスが大きなのものが多く、一方、エル・ウェッジはバウンス角が 0 - 8°、ギャップ・ウェッジでは
6 - 8° 程度のものが一般的である。また、最近ではサンド・ウェッジとギャップ・ウェッジの中間的な仕様のクラブ (例えば 54°/10°) も良く見られるようになっている。基本的に、深いラフからのショットではバウンス角の大きなクラブの方が打ち易く、タイトなライからはバウンス角の小さなクラブの方が打ち易いと考えれば良いだろう。
ウェッジは ロフトとバウンス角に加えて そのソールの幅と形状、リーディング・エッジの丸みの度合いや FP 値 などにおいて、とにかく バリエーションが豊富だから、どのようなものを選ぶべきかはそうしたスペックの特徴も十分に理解した上で 最終的に どうするかを決めるべきである。ソールの形状やリーディングエッジのデザインは ショット・メイキングに大きな影響を及ぼすので、各メーカーとも それぞれ 様々な工夫をしている。
例えば、最近の新しいウェッジの中には キャロウェイの X シリーズ JAWS ウェッジ Tour Wide Sole のような極めてソール幅の広いもの (写真右) もあり、そういった 今までにはなかった選択肢も出てきている。滑り易いソール形状と低重心化を実現したことで 打ち出し角がより高くなり、ロブ・ショットがし易くなったこと、そして、バンカーやラフでのクラブの抜けが向上したと言うのがメーカー側の説明だ。特に、バウンス角 0度のモデルは従来にはなかった幅広ソールタイプである。アマチュアにとって バウンス角 0度のウェッジは 少しでもダフれば ソールが滑らずにミス・ショットになってしまう訳で 難しいクラブとされてきたが、そうした点がかなり改善されているようだから メリットとデメリットのバランスを検証してみる価値があろう。
なお、一般論になるが、ソール (バウンス角とソール幅) の大きなサンド・ウェッジは 柔らかくて細かい砂のバンカー・ショットや深いラフからのショットに適しており、逆に、バウンス角とソール幅の小さめなウェッジは、短く刈り込んだフェアウェイやグリーン・エッジからのショット、また、湿って固めのバンカーからのショットなどに適している。大きなソールのクラブが
どんなバンカー・ショットにも適していると考えている人が 少なくないようだが、必ずしも
そう言うことではない。洋芝やバミューダ芝でプレーする場合は 深いラフからのショットに バウンスの大きめなものが有利な場合も多いが、日本で最も良く見られる野芝のラフでは バウンスが大きなクラブの必要性は 然程 高くないから、そうしたゴルフ場でのプレーが中心になるのであれば、フェアウェイやカラーからの寄せがやり易い 比較的 ローバウンスのウェッジを選んだ方が 良いだろう。構えた感じが良く、ピッチ・ショットなどで抜けの良いソールのクラブを 選ぶことが 極めて重要だ。
通常は 様々な状況で使いやすいサンド・ウェッジということで ロフトが
56 - 58°でバウンス角が 10°位のサンド・ウェッジがオススメだが、3本とか
4本のウェッジを入れる場合は、それぞれのクラブの使用目的を良く考えて、そのロフトやバウンス角の組み合わせがバランス良くなるように配慮して欲しい。
また、状況によって どんなクラブ (ロフト、ソールなど) を どのように使えば良いのかを判断できる能力を身に付けたいものだ。
なお、ウェッジは 最も重いクラブで 上級者が良く使うものは、総重量が 470g、スイングウェートが D3 以上のスペックのクラブが多く、また、シャフトもユニフレックスで 硬めのシャフト (例えば、DG S200) という選択肢のクラブが目立つ。ウェッジは クラブの重みを利用して打ちたいクラブで 重めのクラブがオススメではあるが、アイアンセットと ウェッジのスペックが大きく異なると 全体のクラブの流れが悪くなるので、その点も ある程度考えた上で、どのようなウェッジを使うかは決めたいものである。
ウェッジの溝 (グルーブ)
と 新溝ルールについて
ウェッジのスコアライン
(溝) の仕様とコンディションが スピンに大きな影響を及ぼすことについて理解しておくことも必要だ。ウェッジの溝 (グルーブとも言う)
には 右図のように V グルーブ と U グルーブ があるが 最近のウェッジは 殆どが スピン性能に優れる U
グルーブ になっている。2010年から、プロの競技には新溝ルールが採用され、最近は、一般ゴルファー向けのウェッジも、その新溝ルール適合のものが増えている。しかし、2014年までは トップ・アマチュアの競技でも 新溝ルールは適用されず、さらに、一般ゴルファーには 2024年まで 影響のないルール変更である。 詳細
2010年までのルールでは (アマチュアは今でも ) グルーブ幅は 0.035インチ
(0.9mm) 以下で、隣接する溝の端と端との間隔は グルーブの幅の三倍以上で 0.075インチ
(1.905mm) 以上、さらに、グルーブの深さが 0.020インチ
(0.508mm) 以下でなければならず、グルーブ (マーキングとも言う)
が 指先でテストしても分かるような鋭い縁や盛り上がった縁がなく、紙ヤスリのようなクラブフェースでなければならないと定められていた。
2010年からプロのトーナメントにおいては ロフトが 25度以上のクラブでは それまで許されていた Uグルーブの仕様のクラブの使用が禁止になり、上述の規定に加えて その角溝のエッジに丸みを持たせ、溝の容量を小さくしなければならなくなった。これによって、ラフからのショットでは スピンが 極めて かかり難くなったが、フェアウェイからのショットに与えるスピンの影響は極めて小さなものであると言われている。 詳細
(具体的なウェッジのスペックや価格など、詳細情報のチェックは、以下のイメージをクリックで。)
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