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ハンデの基礎知識|算出方法ほか

Introduction
ハンディキャップ (handicap / HDCP) 俗称 ハンデ は ゴルファーの技量を示す尺度で ハンデ 9 以下ならシングル (ハンデ) と呼ばれ 柔道や空手に例えれば 黒帯と言ったところ。そして、ハンデ 5 以下の人を片手シングル、ハンデがゼロの人は スクラッチ (ゴルファー) と呼ばれる。さらに、上回る実力だと プラスハンデで PGA のトップ ツアープロになると +5 〜 +6 のハンデになる。しかし、このハンデ制度は 日本で馴染みのある段位制度とは異なり 直近の 10 or 20 ラウンドのスコアをベースに決めるので 今のハンデは 11 だけれど 先月は 9 だったと言った具合に 最近のゴルフの調子を示すバロメーター的な役割を果たすものだ。一方、日本のクラブハンデには 段位制度のように 一度 シングルになったら いつまでもシングルのような 不適切な慣習があるのも事実である。

スクラッチ & ボギーゴルファー

ゴルフの上手な人を指して 日本では良く「あの人は シングルだ」などと黒帯的なニュアンスで言うことがあるが 欧米では それに該当する表現は あるものの そうした言い方をあまりしない。因みに、シングルという言葉は 和製英語で、英語では single digit handicap player などと言わなければ意味をなさない。欧米では 上手な人のことを ロー ハンディキャッパー (low handicapper) というのが普通で 70台前半のスコアで回るような腕前なら ハンデは ほぼ 0 で スクラッチ ゴルファー (scratch golfer) と言うことになる。熟練ではあるが 技量は 平均的といったニュアンスで ボギー ゴルファー (bogey golfer) という言葉も良く使われる。

ハンディキャップ制度の存在意義

スコアとハンデハンデは 元々 色々なレベルのゴルファーが 一緒に競技を行う時に その技量に応じて ハンデを付けると言う発想で考案されたものである。そして、それが ハンデが存在する大きな理由の一つであり 存在意義でもある。トータル スコアからハンデ(または、ハンデの 80% など)を引いた ネットスコアで 優劣を競うのが一般的だが、将棋で駒を落としたり、囲碁で石を置いたりして 勝敗を競うのと同じ理屈である。つまり、公式ハンデを持った人ばかりなら 様々な実力のゴルファーが参加する競技でも ハンデ戦にすることで 公平に勝つチャンスを全ての参加者に与えることが出来ることになる。ペリア競技などの ほぼ運で 順位が決まるコンペにはない 好ましい競技環境をこれによって生むことが出来る。

しかし、えっ ... と思う方も居るだろうが、同じ平均スコアの二人のハンデは 必ずしも 同じにはならないのである。スコアのバラつきの大きい人、大タタキを良くする人の方が 通常は 同じ平均スコアであれば ハンデは 低くなる。ハンデとは 前述のように 基本的に「どの位 良いスコアを出す能力があるか」を示す指標で その観点から色々と工夫がなされているからだ。後述するハンデの算出方法が複雑で 分かり難いのは そのためだと言える。なお、日本では 日本ゴルフ協会 (JGA) の規定に基づいて査定されたハンディキャップが唯一のオフィシャル(公式)ハンディキャップになる。

新旧ハンデ制度の違い

平均スコアが 82(10 オーバー)未満の人が シングルだと思っている人も居るだろうが、ハンデの計算は 近年 少し改定され 以下の概念で行われるので 平均スコアにして 大雑把になるが 85 以下くらいであれば シングルと言うことになるものだ。(計算式と計算方法の詳細は 後述)

(a) プレーしたコースの難易度とスコア(直近の 10 or 20ラウンド)で算出

(b) ただし、大叩きしたホールのスコアは レベルに応じて 上限値を定め調整

(c) ベストスコアの 50% で計算(全スコアが HDCP 算出のベースでない)

日本の JGA と米国の USGA のハンデの算出方法には (a) と (b) において 今までは 違いがあったが、日本のシステムが 2014年 1月 1日から USGA のシステムに準拠し、変更されることになった。(ただし、ラウンド数は 変更以降も 日本が直近の 10 ラウンドに対して、アメリカなどでは 20 ラウンド)その変更のポイントは 以下の通りである。

ハンディキャップ システム

コース レーティングとスロープ

まず、コースの難易度においては よりきめ細かに それを数値化することのできるスロープシステムを導入したことが前述の改訂における最大の変更点である。ご存知の人も多いと思うが コース レーティング / レート (Course Rating / Rate) は スクラッチ ゴルファーにとって そのコースが どの位 難しいのかを示す尺度で 数字が大きければ 難易度が高く、小さければ 低いというものである。通常は 小数点第一位までの数字で表示され レディース ティー 71.5、レギュラー ティー 70.5、バック ティー 71.8 などと それぞれのティーごとに設定されていて ハンディキャップの算定に用いるものである。通常、上手な人にとって 難しいコースは 初心者にも 平均的なゴルファーにも 難しいコースになる訳だから これをもって コースの難易度を示せば 十分と言う考え方であった。

しかし、一般のアマチュア ゴルファーにとって コースの難易度は 必ずしも スクラッチ ゴルファーと同じになる訳ではない。例えば、100前後のスコアで ラウンドすることが多いゴルファーの場合は 池が沢山あるだけで そのコースは 難しくなるだろうが スクラッチ ゴルファーにとっては 必ずしも そうはならない。そうした実態に鑑み、アメリカでは スロープ レーティング (Slope Rating) という尺度が生まれ それが コースの難易度を示す物指しとして 広く普及し ハンディキャップの算定に用いられるようになった。スロープ レーティングは 単に スロープと言われることが多いが コースの傾斜度を表している訳ではなく コースの難易度を示す もう一つの尺度だ。こちらは 初心者やアベレージ ゴルファーのハンディキャップを決める上で より合理的なシステムにしようという発想で導入されたもので 北米(アメリカ、カナダ、メキシコ)では かなり前から どのゴルフコースのスコアカードにも このスロープの数値が記載されるようになった。スロープも コース レーティング同様 数字が大きいほど 難しいコースになるが 理論的には 55 ~ 155 の間の数字になるもので スロープが 117 位で 平均的な難易度のコースだと言われている。スロープが 130 以上であれば 非常に難しいコースになるが 稀に 150 以上のコースもある。


ハンデの算出方法

公式
ハンデ
1 ホールごとの
最大ストローク
9 以下 ダブルボギー
10 - 19 7
20 - 29 8
30 - 39 9
40 以上 10
表 - 1

ハンデの計算をする時に まず最初することが各ホールごとの最大ストロークの調整という作業である。それを英語では Equitable Stroke Control と言うが、右表 - 1 のように ハンデに応じて各ホールの最大ストローク数を調整する。仮に、自分のハンデが 15 で ラウンド中に 8 と 9 を叩いたのが それぞれ 1 ホールずつあったとすれば それを 7 にしてトータルスコアを調整する。もし、そのラウンドのスコアが 91 であったとすれば 3 ストローク減らし 88 がそのラウンドのハンデ計算用のスコアになる。そして、それを以下のハンデキャップの計算式によって算出する「インデックス」の計算に用いるが、ハンデキャップの計算に用いるのは 直近の 10 ラウンドの良いスコア 5 ラウンドだけのインデックスである。

(Score - Course Rating) x 113

Slope Rating

旧 JGA
ハンデ
1 ホールごとの
最大ストローク
0.4 以下
1 over par
0.5-18.4 2 or 1 over
18.5-36.4 3 or 2 over
36.5-50.0 4 or 3 over
表 - 2

このような計算式だから、例えば、コース レーティングが 72.0、スロープが 126 のコースで 72 を出した人の そのラウンドのインデックスは 0 になるが 82 で ラウンドした人の場合は 10 ストロークの差であるにも拘らず スロープが考慮されることで インデックスの差は 9 になるという現象が起きる。(ただし、大叩きをしたホールが どちらにもないと仮定した時)つまり、スロープの大きなコースでの平均的ゴルファーのスコアは 評価が高くなるのである。また、最大ストロークの調整 即ち 大叩きしたホールのスコアは レベルに応じて 上限値を定め調整と言う点においては 旧 JGA のシステム(表 - 2)とは異なる方法(表 - 1)が導入されたが、それが もう一つの 大きな変更点である。このように算出されるインデックスをベースに 直近の 10 ラウンドから 良いスコア 5 ラウンドのインデックスの平均値を出したものが 2014年以降の JGA システムのハンディキャップ インデックスになっている。ただし、USGA の規定は 20 ラウンドから ベスト 10 ラウンドの平均値となっており その点は 改訂後も 日米のシステムの違いである。

公式ハンデの取得方法

公式ハンディキャップの取得には 以下の組織・団体の何れかに所属する必要があり、その上で 規定に従って スコアを提出する必要がある。

(1) JGA 加盟団体(8地区連盟)
(2) JGA 正会員(加盟ゴルフ倶楽部)
(3) JGA 個人会員・ジュニア会員
(4) 都道府県ゴルフ競技団体
(5) (社) 日本パブリックゴルフ場事業協会加盟ゴルフ場
(6) JGAが認めた組織・団体

つまり、JGA のメンバーであるクラブの会員になるか JGA の個人会員になり 規定に従ってスコアを提出すれば オフィシャル ハンデが取得できる仕組みだが ハンデの査定は 常に 最新のスコアカード 10枚をもってなされる と決められていて、最低 2年間に 10枚以上のスコアの提出が求められる。JGA の個人会員は 入会金 一万円、年会費 一万円となっているが ハンデ取得以外の各種恩典も受けられる。 » 詳細

一方、(6) の方法の一つになるが 事前に インターネットで ゴルフダイジェスト (GDO) への会員登録(無料)さらに、JGA ハンデ取得の申し込み(有料)をした上で GDO 経由 スコア登録を行い JGA/USGA ハンディキャップ インデックスを取得出来る。前述の恩典の一部は 受けられないが より低額の年会費で 利用できるサービスで 公式ハンデを持たない人がハンデを取得する方法としては より経済的な方法だ。» 詳細

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