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インプレーの球(ゴルフルール解説)

このページのコンテンツ
• はじめに
• インプレーの球
• 取り替えられた球
• 条文の意味を正確にするために
• 新・ゴルフルール (2019年 ~ )

はじめに


ゴルフのルールブックには その第 2章に 用語定義のセクションがある。ルールの解釈上 実は それが大変重要な役割を果たしているのだが その事実を知らない人は 意外と多い。詳細は 順を追って説明していくが 各章のルールの条文中に そんな用語が使われている場合は その別途定義されている用語の意味を正確に反映する形で その条文を解釈しなければならない。そして、それを怠ると 解釈が 全く間違ったものになる可能性があるのだが、そうした間違った解釈がなされ兼ねない条文があると言うことを インプレーの球に係わるルールを例に挙げて 以下で 解説する。

インプレーの球


ルールブックでは インプレーの球 (Ball In Play) という用語の定義を第 2章で 以下のようにしている。

7 インプレーの球 (Ball in Play)
球は プレーヤーが ティーインググラウンドストローク を行った時に すぐに「インプレー」の球となり、その球は ホールに入れられるまで インプレーの状態を続ける。ただし、次の場合を除く。
(a) 球を紛失した場合
(b) 球が アウトオブバウンズ であった場合
(c) 球が拾い上げられた場合
(d) 球の取り替えが許されているかどうかにかかわらず、別の球に取り替えられた場合。この場合には 取り替えられた球インプレーの球 となる。(以下省略)

このように 黒い太文字で書かれた言葉がある場合は それが 特別な意味を持つ用語として 別途定義されているので その意味を正確に反映する形で 上の説明文は 解釈しなければならないが、その点に気付かずに ただ単に これを読んでしまうと 球を取り替えた場合は その球が すぐに「インプレー」の球となり、その球は ホールに入れられるまで インプレーの状態を続けると解釈してしまうであろう。

Tee Upそうだとすれば ティーショットが OB した後とか ウォーター・ハザードやアンプレヤブルの救済措置として リティーをして 打ち直そうとして アドレスした時に ボールがティーから落ちた場合などは ボールがインプレーの状態だから ペナルティが課されるべきだという解釈になる。

取り替えられた球


しかし、「取り替えられた球」という別途定義された用語が (d) の文中で使用されていることに気付けば 違った解釈になる。つまり、前述の (d) の文章は その定義を加味し 解釈されるべきだと考えるから その定義を見てみようという発想になる訳だ。そこで 以下の定義があることに気付くだろう。

5. 取り替えられた球 (Substituted Ball)
「取り替えられた球」とは、次の球に替えて インプレーにされた球をいう。
• インプレーの初めの球
• 紛失球となった初めの球
• アウトオブバウンズ であった初めの球
• 拾い上げられていた初めの球

つまり、「取り替えられた球」は ただ単に 取り替えられた球ではなく、取り替えられ インプレーにされた球 と定義されているのだ。従って、救済措置として リティーをして 打ち直そうとしているボールは インプレーとなるのに必要な行為 (例えば、ルールに従ってボールをドロップし、正しく そのドロップが完了するなど) によって インプレーにされていなければ インプレーのボールではない と解釈すべきことが分かる。

「取り替えられた球」という言葉は 普通であれば 物理的に取り換えられた球 という意味に解釈するのが普通であろうが、ゴルフ用語として 別途定義されている訳だから それに従った解釈が必要になると言うこと。つまり、ティーアップされた別のボールは ストロークが行われるまでは インプレーの球ではないから 打ち直す場所やティーアップの仕方などは そのホールを最初にプレーする時に守らなければならないルールに従えば良いことになる。

条文の意味を正確にするために


いずれにしても、ゴルフルールに記載されている条文の中には 別途 用語の定義がなされた用語が使われていることが多いので その用語の定義と併せて 文章を解釈する必要があることが お分かり頂けたと思う。「インプレーのボール」及び「取り替えられた球」のように 用語の定義の中に別途定義された用語が使用されている場合は 怠りがちになるが そのすべての用語の定義(意味)をチェックした上で 条文を解釈しなければならない。

分かり易いルールの説明が望まれるのに こうした契約書で良く使われる ある意味 複雑なスタイルが ルールブックで使われていることが ルールを正しく理解し 運用する上で 弊害になっている側面もあろうが、条文の意味に 言葉の定義の曖昧さによって生じる齟齬が起きないようにするためには 必要かつ 適切な方法であるとも言えよう。加えて、歴史や権威を重んじる R&A や USGA そして JGA が このスタイルを変えることは 考え難いと言わざるを得まい。それでも ここで紹介した例のような場合は 裁定集で 誤解が生じないような例を交えて解説が付け加えられれば より分かり易いものにはなるのだから 将来 そうした改善がなされることを望みたい。




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