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不当の遅延、スロープレー(ルール解説)

このページのコンテンツ
• はじめに
• スロープレーに対する罰則
• アウト・オブ・ポジション
• 女子プロのイエロー・カード制
• アマチュア競技の場合
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


ストップ・ウォッチルールブックの規則 6-7 には スロープレーに対する規定がある。不当の遅延、スロープレー (Undue Delay; Slow Play) というタイトルで 「プレーヤーは不当に遅れることなく、委員会がプレーのペースについてのガイドラインを決めている時は それに従って プレーをしなければならない。なお、1ホールのプレーを終えた後、次のティーイング・グラウンドからプレーするまでの間も プレーを不当に遅らせてはならない。」 と定めている。

スロープレーに対する罰則


この規則に違反した場合、ストローク・プレーでの罰則は 2打罰、マッチ・プレーでは そのホールの負けと定められており、その後 更に同じ違反があった場合は 競技失格と厳しい罰則になっている。ただし、ストローク・プレーに限り、委員会は 前記の競技規定で その違反に対する罰を 初回の違反 1打罰、2回目の違反 2打罰、その後 更に同じ違反があった場合は競技失格、と修正することが出来るとなっており、その罰則が採用されるケースも多い。また、スロープレー防止を目的として 委員会は競技規定 (規則 33-1) の中で 正規の 1ラウンドや 1ホール、1ストロークについて それぞれの許容時間の限度を決めることも含め、プレーのペースについてのガイドラインを作ることが出来る という規定もある。


アウト・オブ・ポジション


競技で グループに遅れが生じている状態を アウト・オブ・ポジション (out of position) と言うが、通常、PGA や LPGA のトーナメントでは 前のグループとの間が 大雑把に 1ホール以上開いた時点で アウト・オブ・ポジションの状態と定義されており、スロープレーに対する警告の対象になる。警告が出された後も改善が見られない時は 個々のショットに要する時間の計測がなされるが(そうした状態を英語では "put on the clock for being out of position" と言う)その結果、遅れが認められた選手には 競技規定に従って ペナルティが科される。

2013年の全英オープンの三日目には 松山英樹選手が スロープレーにより 1打罰のペナルティを受けたが、PGA では まず アウト・オブ・ポジションになったグループの選手にプレー時間の計測を開始する旨の警告がなされる。そして、警告がなされたら、基本的には一打に与えられる許容時間は 40秒。ただし、パー 3 のティー・ショットを最初に打つ選手、パー 4、パー 5 のセコンド・ショットを最初に打つ選手、パー 5 のサード・ショットを最初に打つ選手、グリーンの周りから最初にアプローチ・ショットを打つ選手、グリーン上で最初にパットする選手には 60秒の許容時間が与えられている。そして、それぞれのショットで その許容時間を オーバーすれば 以下の規定に従って ペナルティが科される。 即ち、最初の許容時間オーバーには 警告、二回目には1打罰、三回目には 2打罰、そして、四回目の遅れがあれば 失格である。松山選手には この規定に従ってペナルティが与えられる前に警告がなされたものと思われるが、それが言葉の壁などもあり、本人に明確に伝えられていたか否かは定かではない。この時点で、松山選手は 優勝戦線に加われるか 否かという状況に居た訳だから 大きな裁定であったことには間違いない。 2013年のマスターズにおいても、優勝に関係のない順位に居た 当時 14歳の中国のアマチュア選手 (Tianlang Guan) に対して スロープレーに対する 1打罰のペナルティーが 科され 話題になったが、それ以前に このルールが ルール通りに PGA で適用された例は 極めて 少ない。その適用例は 何と 1995年のグレン・デー (Glen Day) 選手のケースにまで 遡るものである。ただし、これも少し古い話になりつつあるが、2009年の世界ゴルフ選手権 ブリヂストン・インビテーショナルの最終日に最終組で優勝争いを演じていたタイガー・ウッズとパドリグ・ハリントンに対してスロープレーの警告がなされており、スロープレーに対するペナルティーは科されなかったが、警告という事態に対して批判的なコメントをしたタイガー・ウッズに罰金が科された事件で スロープレーに対するツアー競技委員会の対応が話題になったことはあった。いずれにしても、最近はアマチュア・ゴルファーに対する注意の喚起という意味もあって、スロープレーに対する罰則を ルール通りに 厳しく適用するようになっているようだ。


女子プロのイエロー・カード制


イエロー・カード一方、日本の女子プロの場合は、毎年、当該ルール違反のペナルティで さまざまな物議を醸してきた。そんな中、日本女子プロゴルフ協会は 2012年より 新システムのイエロー・カード制を導入した。これによって、遅延プレーの撲滅を目指すそうで、前の組との間隔が 1ホール以上開いた場合、ティーグラウンドで競技委員が イエロー・カードを提示することになった。従来は口頭での指摘だったから 警告なのか 注意なのかが 曖昧で 気づかないまま プレーを続け、結果的に ペナルティとなるケースも あったそうで、改善を求める声が上がっていた。» LPGA の Pace of Play の規定が記載(英語版)

なお、LPGA の不当の遅延の定義は 1) パットを含め 1打に 60秒以上を要した場合、または、2) 1ホールに要した時間が 1打平均 30秒の合計を 10秒以上上回った場合と定められており、前述の PGA の規定とは異なっている。つまり、2) の罰則に関しては パー 4 のホールを パーでホールアウトした選手の要した時間が 30秒 x 4 + 10秒 = 130秒を上回った場合にペナルティが科されるが、ボギーなら 30秒 x 5 + 10秒 = 160秒 までは ペナルティが科されないというものだ。さらに、もし、バーデーでホールアウトした場合には 30秒 x 3 + 10秒 = 100秒しかなく、それを超えた時間を要すれば ペナルティが科されると かなり 分かり難いし 合理性を欠いたものになっていると言わざるを得ない。なお、前述の計算では 50センチ未満のパット、所謂、タップインで 10秒以下で打ったショットの所要時間は 計算に入れないという規定もある。 » 詳細(スロープレーのペナルティ / LPGA のルール裁定)

アマチュア競技の場合


個々の選手のプレー時間計測が不可能な月例会のような アマチュアの競技では ハーフ 2時間 15分のような限度を設定していることが 珍しくなく、前の組から 1ホール以上遅れ、且つ、この許容時間に遅れた場合は、そのグループの選手全員にペナルティー(2打罰が一般的)が科されることになる。この場合は その原因や経緯に関係なく、全ての選手に罰が科される訳だから、必ずしも、フェアーなルールとは言い難い側面があるのは事実である。

競技でのスロープレーに対する罰則がどのようになっているかを知らなかった人も多いことと思うが、プレーのペースについては 普段からスロープレーにならないような配慮をし、工夫をすることが肝要だ。何より、ゴルフをする以上は スロープレーが他のプレーヤーの迷惑になると言うことを良く認識して プレーをする義務があることを お忘れなく。 » スピード・プレーについて



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