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ゴルフの脱力|スピード、パワー、安定性アップの鍵

Introduction
腕の筋肉
人間の体を構成するのは 脳と神経、臓器、骨格、筋肉、関節、皮膚、他であるが、体の運動を掌る筋肉、そこに命令を 送る脳と神経、そして、体の各部位をつないでいる関節の機能とパフォーマンスの関係について「脱力」というテーマから 色々と研究してみると(そうしたことに無頓着だった人にとっては 特に)極めて 有益な発見を出来る可能性が高い。

また、脱力と言う概念を知っていて 実際に それを自分のスイングに取り入れていると考えている人でも より深く研究してみることで なるほどと言うことに気が付く可能性のあるテーマが「脱力」である。瞬発力や俊敏性を追求する上で 脱力のテクニックは 絶対に不可欠であると言われるが、ゴルフでは 下半身の動き(特に 右脚の蹴り)、体の回転、腕の振り、そして、クラブを効率良くリリースするための手首の動きなどで 脱力のテクニックを上手く応用することで ショットの切れ(スピードとパワー)も安定性も飛躍的に改善させることが出来る。

アインシュタインの目

少し前の話になるが、NHKが「アインシュタインの目」という番組を放映していた。番組では優れた能力の持ち主のパフォーマンスの秘密を探るという観点から、しばしば 運動選手や楽器の奏者などの体や道具の動きをスローモーションカメラで撮影し 解析して、それを 視聴者に見せるということを行っていた。そこで 放映されたものの中に ボクシングの長谷川穂積選手が シャドウ ボクシングで パンチを出す時の手の動きを紹介するものがあったが、当に、パンチが当たる瞬間に手と腕の力を抜いて掌を開くような動作(脱力)をするのである。それが、正確で素早いパンチを繰り出すための秘密だと言う。また、別の週には 和太鼓・奏者(林英哲氏) が演奏するシーンでは 太鼓を叩くタイミングでバチを持つ手を緩めるという(脱力の)テクニックを紹介し、それが 力強い音を出すための秘密だとも説明していた。

脱力のゴルフスイングへの応用

この概念をゴルフスイングの改善という観点から応用して欲しいのである。脱力の概念を ご存知の方は沢山居ることと思うが、ゴルフでは どんなところで どのように脱力のテクニックを使えば パフォーマンスのアップにつながるのか ということを 研究したことのある人は 少ないと思う。そこで、着目して欲しいのが、(1) 右脚で蹴る力の効率アップ、(2) 腰の回転の切れを良くすること、(3) 肩の回転の効率アップ、(4) 腕の振りを鋭くすること、(5) 手首の動きとクラブのリリースの効率アップなどである。ある意味 体の殆ど全ての筋肉の脱力について考える必要があると言うことになってしまうが、一つ一つの項目で脱力が出来ているだろうかという目で見て その改善に努めて欲しいと言う提案である。

静的脱力、動的脱力

さて、そこで 脱力はパフォーマンスアップに何故必要なのか、そして、どのような脱力がゴルフでは望まれるのかについて、少し掘り下げて考えてみよう。ゴルフの飛距離と安定性は ボディーターンの力を如何に効率良く、また、バランスを保ってクラブヘッドのスピードに変換するかということで決まると言っても過言ではないと思うが、それには 体、腕、クラブの動きのバランスとタイミング、そして、関節での力のロスが関与していると言える。

まず、体全体に不必要な力が入らないようにすることは 勿論であるが、特に、肩や腕の力を抜くこと、そして 指で(浅く)軽くクラブを握る グリップ(俗に言う、小鳥が逃げないような握り方)など、アドレス時の姿勢とセットアップにおける脱力が良く言われる。しかし、アインシュタインの眼で紹介されたボクシングや和太鼓の例で 叩く瞬間の脱力がポイントだったように、ゴルフでも ボールを叩く瞬間、即ち、インパクトの瞬間の脱力を考える必要があり、それがパフォーマンスアップの鍵を握っていると言える。ポスチャー時の脱力を 仮に「静的な脱力」と言うとすれば インパクト時の脱力は「動的な脱力」と言うことが出来、その両方に注目することが上達の鍵なのだ。

屈筋と伸筋のバランス

体の動きは 様々な関節の動きによってコントロールされるが、指、手、腕、足、胴体などの動きは 関節とその動きを支える筋肉群の動きによって決まり、関節の動きを掌る筋肉(屈筋と伸筋)のバランスの上に成り立っている。関節を曲げる筋肉が屈筋で 関節を伸ばす筋肉が伸筋であるが、ゴルフのアドレス時には 体を前屈するために腹筋(屈筋)にある程度の力を入れる必要があると同時に 背中を伸ばすために背筋(伸筋)にも適度な力を入れる必要があり、それらがバランスして 始めて 正しい姿勢が取れるという仕組みである。

手首の動き例えば、ゴルフクラブの動き(スピードと安定性)に大きな影響を与える関節の一つが手首であるが、クラブを強く握れば 屈筋により大きな力が入る訳で 手首という関節周りの筋肉のバランスが悪くなると同時に 関節周りの運動方向に対して反対に働く抵抗(運動力学的には 関節周りのモーメントで表わされるもの)が大きくなり、力の伝達効率が悪くなると考えられる。従って、インパクト直前のクラブがリリースされるタイミングで 手首(実際には その周りの腕から指までという感覚で グリップを緩めるような動きとも言える)の脱力を行うようにすれば ショットのパワーとスピード、そして、安定性が増すはずだ と言う仮説が成り立つ。

つまり、グリップ、ポスチャー、ワッグルなどにおける(静的な)脱力は、正しい体のバランスとスイング時の腕や手首の動きに良い影響を及ぼすはずだが、ゴルフで力を抜く、脱力をすると言うことは そうした 所謂 静的な脱力だけでなく、より重要だとも言える 正しい動的な脱力を行うと言うことで その点について より深く研究すべきだと言える。

同様に、右脚で蹴る動作、腰を回転させ それにリードされる形で回転する肩、その動きに合わせて振る腕などについても その関節周りの屈筋と伸筋のバランスの取れた脱力が出来るように工夫してみると 目から鱗の発見をする可能性があるだろう。ただ 力を抜くだけではなく、どのようなタイミングで筋肉を緩め、屈筋と伸筋を どうバランスさせれば 望んでいるパフォーマンスを生むのかという観点から 色々と試行錯誤して見ては 如何だろうか。

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