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バンカーショット|打ち方の基本と応用

Introduction
バンカーの状態やライは 毎回 異なるのが普通で バンカーショットの知識や経験が不足していれば そんなショットで失敗することは 多くなる。それがバンカーに入れたことに対するペナルティーだと考えている人も居るだろうが 難しいライからのショットは 別にしても バンカーショットの基本を確り身に付ければ 実は バンカーから寄せて ワンパットというケースは 驚くほど多くなる。ここでは そんなバンカーショットの基本と異なるプレーイング コンディションへの対応に役立つ各種テクニックについて解説する。

バンカーショットの原理

グリーン周りのバンカーショットは 砂が飛び散るパワーを利用して ボールを柔らかく宙に浮かすように打つショットで 通常のショットとは まったく違った考え方で打つ必要があるものだ。苦手意識を持っている人も少なくないと思うが そうした人は バンカーショットに必要な正しい砂の取り方と飛ばし方を理解していない可能性が高い。バンカーショットでは 砂をクラブヘッドで切るようにし "パーン" と飛ばす必要があるが、そのように砂を飛ばすエキスプロージョンショットの基本を まずは 学ぶ必要がある。 そして、その原理・原則を理解したら 後はライの状況を判断して 砂の飛ばし方、ボールの弾道やスピン量などをコントロールして 距離の調整ができるような知識とテクニックを身につけることだ。そこで まずは そのお手本となるバンカーショットの動画を見て欲しい。

お手本のバンカーショット by Jordan Spieth

このように バンカーショットは 砂が飛び散るパワーを利用して ボールを柔らかく宙に浮かす事がポイントで その砂の飛ばし方を学ぶことにつきる。

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打ち方の基本と注意点

砂の飛ばし方
バンカーショットは クラブヘッドを どのように砂に入れれば 前述のように 砂を飛ばすことが出来て、同時に ボールがお手本のように飛ぶのかを覚えることである。リーディングエッジから 砂にヘッドを鋭角に落としたのでは 図 (A) のようになり、ヘッドは 砂の中で減速して前に進むことが出来ずに ボールの下の砂を上手く取ることは出来ない。その結果、砂がボールを飛ばすのに有効な 花火のような形では 飛ばずに 失敗に終わるパターンになる。一方、ソールのトレーリングエッジ(下図参照)から砂にヘッドを落とし その後直ぐに リーディングエッジで砂を薄く切って飛ばすイメージで クラブを振る。そうすれば ボールの下の砂をはぎ取るような形で 図 (B) と (C) のように 砂を取ることが 可能になる。それができれば ボールの下の砂が上手く飛ばされて ナイスショットが打てる訳で そこが バンカーショットを成功させるための最大のポイントである。

トレーリング エッジ
バンカーショットでは 基本的に 同じヘッドスピードのショットであれば 取る砂の量が少なければ 飛んでいく砂のスピードは 速くなり ボールは より遠くに飛んで行く。(B) と (C) の比較では (B) がそれに該当し 同じヘッドスピードのショットであれば (B) の方がボールは より遠くに飛んで行く。なお、(C) は ボールのかなり手前(約 10 cm)に クラブヘッドを落として よりバウンスを効かせて 多くの砂を取った時のイメージを図示したものであるが 目的に応じて (B) のような方法で 砂を少なめに取るショットが適していることもあれば (C) のような よりバウンスを効かせ 多くの砂を飛ばすショットの方が望ましいこともある。ただし、どちらも キーになっているのは (i) 適度な深さでボールの下にヘッドが入ること (ii) スイングの最下点がボールの真下にあることで それがバンカーショットの基本である。

ショットの 8つのステージ

ボールの打ち方の基本をマスターすることに加え バンカーショットで大切なことは 自分のボールのライとバンカーの状態を見極めて どのようなショットを選択すべきかを的確に判断する能力を身につけることであるが(詳細後述)まずは 以下のバンカーショットを打つ時の基本と注意点 - (1) アドレス ~ (8) フィニッシュまで 8つのステージの解説 - を見て欲しい。

バンカーショット・連続
# 基本 注意点
(1) 砂の中に足をツイストさせて 少し埋めるようにスタンスを取り その動作の時に砂の硬さや量を確認する。砂が硬くなければ スタンスをオープンにし クラブフェースを開いて ボールは スタンス中央より左足寄りに置く。体重は 50/50 で ハンドファーストにならないように構える。 構えを オープンにする度合いは ライと打ちたいボールにより 適宜 調整する。フェースとスタンスのオープンの度合いを小さくした場合は ボールの位置を 応分に スタンス中央寄りにする。
(2) トレーリングエッジから砂にクラブを落とすイメージを作って始動。多少、クラブをピックアップするイメージで 少し早めにコックを入れる。なお、上りや下りのライでは 肩がライと平行になるようにする。 特に、下り(左下がり)のライは ボールを上げ難いので 難しいライである。そんな場合は 脱出することを優先させても良かろう。
(3) 体重移動は 最小限にし 頭の位置を動かさないようにバックスイングを行う。 遠くにボールを飛ばしたい時は バックスイングを応分に大きく。
(4) トップは 9時のショットが基本だが 必要な飛距離に応じて 肩の回転と腕の振りの関係を調整する。 肩の大きな回転は 不要だが 極端な手打ちにならないよう配慮。
(5) ダウンスイングは 他のショットと同様に 腰がリードするようにして腕を上から下に落とす訳だが ヒップターンの度合いは 少し抑え気味に。 ボールの前後 5 ~ 10センチくらいにある砂を全部薄く剥ぎ取って飛ばすつもりでクラブを振る。
(6) インパクトでは トレーリングエッジから砂にクラブを入れるが 砂を切って飛ばすイメージで ボールを救い上げようとしないこと。 ボールの下の砂がエキスプロードして 上に飛ぶので クラブを低く出してもボールは 宙に浮く。
(7) 確りクラブを振り切って 必要な量の砂を飛ばすことが大切だが フェースを開いて 正しく打てれば ボールは 比較的 高く上がって バックスピンがかかる。 ボールは クラブヘッドより遅れて 砂と一緒に飛び出してくるが ここで フェースは 反さない。
(8) フォロースルーからフィニッシュでも 距離の長くないバンカーショットでは クラブフェースは反さない。ただし、距離がある場合は それを反しても良い。 フィニッシュで 体のバランスが崩れるようなら スイング全体の流れやバランスに問題がある。

硬めな砂からのショット

バンカーショット 柔らかな砂のバンカーでは 右図のように クラブフェースを開き、ボール手前 5 ~ 10cm の所にヘッドを落とし ボール前後と下の砂を花火のように飛ばして その砂の力で ボールをターゲットの方へ飛ばす。最初の動画で ご覧いただいたように それが最もスタンダードな打ち方である。

一方、日本は 雨も多いし 砂が硬めな場合が多くなる。そんな砂で フェースを開いたスタンダードなバンカーショットをしても クラブヘッドが跳ね返されて トップしてしまうことになる。次の動画は そうした砂で スタンダードな打ち方をしても 上手く行かない例を示した上で クラブフェースを開かずに 距離のあるチップショットの要領で 飛ばす砂の量を少なめにしてショットをすれば上手く行くという 硬めなバンカーからの脱出法を説明した(英語の音声説明だが)動画である。つまり、前述の (C) の打ち方だと 砂が硬い場合は 思うようにボールの下にクラブが入らず 失敗してしまうが (B) の打ち方なら クラブが跳ね返される可能性は 低くなり 失敗しにくいと言う 説明だ。是非、参考にして欲しい。ただし、この様なショットでは ボールの弾道が低めになり バックスピン量が減って 落ちてから良く転がるボールになる可能性が高いということを覚えておこう。

硬めの砂からのバンカーショットの打ち方

どのような打ち方をするにせよ、フェースの向きとスイング軌道の関係は 砂がターゲットの方へ飛ぶようにセットするのが原則で 飛ばす砂の量(ヘッドの落とし方で決まる)と飛び散る砂のスピード(ヘッドスピードで決まる)並びに、方向(フェースの向きと スイング軌道で決まる)を調整して ボールの飛び方をコントロールすることになる。

フェースを開いてショットをすると言うことは リーディングエッジではなく トレーリングエッジ側のソールから砂に入れることで 結果として ヘッドは 砂の中に深く入り過ぎないから ボールの下の砂を 毎回 同じように薄めに切り(剥ぎ)取るという意味で 再現性の高いショットが出来ることになる。しかし、このフェースを大きく開いて打つバンカーショットは こうしたショットに適した砂質のバンカーで この打ち方をマスターした人が行えば 再現性の高いショットになるものだが、初心者やバンカーを苦手とする人にとっては(砂の状態を見極めてバウンスの使い方を変えるなどの調整が出来ないこともあり)上手く行かない可能性が低くないので フェースをあまり開かない(硬めの砂に適したスタイルの)バンカーショットで 砂の取り方、飛ばし方を工夫する方法で 常時 プレーをするのも一案である。柔らかい砂で そうした打ち方をする時は クラブヘッドが砂に深く入り込まないよう 浅目に 砂を取るのがコツだが 残念ながら それは それで難しさを伴うことになる。

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まとめ

いずれにしても、ピンにボールを寄せるには ボールの飛距離、方向、高さ、スピン量の 4つの要素がコントロール出来れば良い訳で そうしたコントロールを可能にする知識とテクニックが必要だ。ボールのコントロールに影響を及ぼす要素は クラブヘッドのスピード、スイングの軌道、クラブフェースの開き具合、取る砂の量、使うクラブの種類などである。また、ライ(砂のコンディションも含め)によって どのようなショットが良いのかも知っておくべきで 覚えておきたい バンカーショットの知識は 以下のとおりである。

バンカーショットの注意点 - レビュー
➀ 砂の中に足を(ツイストさせて)少し埋めるようにスタンスを取り ハンドファーストにならないように構え、足を埋める動作の時に砂の硬さや量を確認する
➁ フェースを開いて打つバンカーショットでは 左足のかかとの前にボールを置くのが基本だが フェースを開かない時のボールの位置は スタンスのセンター寄りに - バックスイングでは 早めに コックを入れるようにし トップは 9時のショットのイメージで
③ 最もスタンダードなバンカーショットは ボールの 5 ~10 センチ後ろに クラブフェースを開いた状態でクラブを入れ ボールの下の砂を剥ぎ取るようなイメージで打つショット - その場合は 確り クラブを振り切って 十分な量の砂を飛ばすことが大切 - 正しく打てれば ボールは 比較的 高く上がって 少しバックスピンのかかったボールになる
④ フェースを開けば 浅めにクラブが入るので 取る砂の量は 応分に減り バックスピンが多くかかって 高いボールが出て ボールは スイングの方向より右に出て 多少 サイド スピンがかかる - フェースをスクウェアーにすれば その逆の現象が起きる - なお、フェースを開いて ボールの近くにクラブを打ち込めば 取る砂の量が減り バックスピンのかかった 高いボールが打てる
⑤ スピンの量とボールの高さは クラブのロフトとソールの大きさで変わる - 遠くのピンに転がして寄せたければ 9番アイアンなど ソールの小さいクラブを使えば良い
⑥ クラブのソールが大きいものは フェースをあまり開かなくとも フェースを開いて打った時のような現象が起きるので そうした使い方が出来る
⑦ 柔らかい砂では フェースを開いて ソールを効かせて打つのが良いが 湿って固めの砂では 逆に バウンス角の少ないクラブを使い 砂にきちっとクラブが入るように打つ - 湿って固めの砂から高くバックスピンのかかったボールを打つのは 極めて 難しい
⑧ 目玉でボールが深く埋まってしまった場合は ボールを右足のかかとの前に置き クラブフェースを クローズドにして クラブを砂に打ち込むようにして打つ - 目玉でも 然程 ボールが深く埋まっていない場合は スタンスの中央より 少し前に置く くらいのイメージで クラブは スクウェアーにして フォロースルーを取る形で打つ - この時、バックスピンは かからなくなるので 計算に入れること
⑨ 上りや 下りのライでは 肩がライと平行になるように構える - 特に 下り(左下がり)のライは 難しいライであるが ショットの後に 右足を前に出して歩き出すようなフィニッシュにすると良い
⑩ 砂が 少なく 非常に硬いバンカーでは バンカーショットの常識が通用しないことがあり 場合によっては ハードパンからのショットのつもりで(クリーンにボールを打って)プレーしなければならないことも
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