ホームページ > 5章 ゴルフ道具 > 素材のお話 (ゴルフクラブ選びの知識)
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素材のお話 (ゴルフクラブ選びの知識)
 
 
1) 軟鉄とステンレス鋼 (Mild Steels & Stainless Steels): 説明するまでもなく、クラブ作りには、最も良く使われる素材である。鋳造アイアンに使われる炭素鋼は、炭素含有量が2% - 4%で硬いが、軟鉄は炭素の量が0.1% - 0.3%と低く、柔らかく、鍛造のアイアンや削りだしのパターの材料に使われる。伝統的に、鍛造のアイアンは錆を防ぐためにクロム (Cr) 鍍金が施されているが、最近は、より柔らかな感触を出すために、ニッケル鍍金のアイアンが出回っている。ステンレス鋼の SUS 630 (17% Cr, 4% Ni) は、ピン (Ping) が最初に使った素材で、キャビティーバックの鋳造アイアンに広く使われている。SUS 304 (18% Cr, 8% Ni) も広く使われているステンレス鋼で、SUS 630よりも柔らかい感触が得られる(曲げることも出来る)。なお、最近では、C450 ステンレス鋼 (SuperSteel などとも呼ばれる) が薄いクラブフェースなどの製造に使われている。

2) チタン合金 (Titanium Alloys): 主に、ドライバーのヘッドに使われる素材である。軽量で強度のある合金を作ることができ、軍需用によく用いられたという背景がある。純粋なチタン(Ti) は、しかしながら、むしろ柔らかな素材で、そのままではゴルフクラブの素材として適したものではない。比重は 4.42 と鉄の 7.86 よりもはるかに軽い。ただし、アルミニウムの比重は、わずか 2.8 ということであるから、決してゴルフクラブの素材として使われる最も軽い金属という訳ではない。基本的には、6-4チタンとベータチタンと呼ばれる2種類のタイプの合金として使われる。6-4チタンは、6% のアルミ (Al) と 4% のバナジウム (Va) からなり、一方、ベータチタンは (15% Va, 3% Cr, 3% Al, 3% Ni) という構成で鍛造クラブに利用できる。

3) タングステン: タングステン(W) は、比重が 19.5 と鉄の約2.5倍、チタンの約4倍の比重で、最近はクラブヘッドの重心位置のコントロールに用いられている。また、タングステンはボールにも使われており、慣性モーメントを変化させる目的で利用されている。中心にコアとして入れれば、慣性モーメントが小さくなり回転しやすく、回転がすぐなくなる構造になり、逆に、外側のレイヤーなどに粉末として利用されれば逆の特性を持つボールが作れることになる。

4) コンポジット素材 (Composite Materials): 主に、シャフトの材料となるが、スチールシャフトに比べ、軽量でキックポイントやトルクなどで幅広いスペックのものを作ることができる。最近では、技術的にもばらつきがなくなってきており、強度、トルク、復元性などにおいて狙った特性が出せるので、広く利用されるようになっている。最も一般的なものは、エポキシベースのものにセラミック系 (炭素、ガラス、ボロン) 繊維をマトリックス (格子) 状に組み込んだものである。 生産技術的には、比較的、自動化を進めにくい面があり生産コストもスチールシャフトに比べで高い。また、バックの角などで傷を付けないこと、夏場に車のトランクなど高温の場所に長時間放置しない (劣化防止) ことなど、扱いに注意をする必要もある素材だ。

5) 天然ゴムとエラストマー (Rubber and Elastomer): グリップは、天然ゴムのコンパウンドで作られたものが主流であった。コンパウンドとは、硬さなど適切な感触を出すために、数種類の天然ゴムを混ぜたもの。一方、近年、グリップの分野で EPDM など、エラストマーが良く利用されるようになっている。エラストマーとは、ゴム状の弾性体のことで、広義には、ゴムもエラストマーの一員であり、プラスチック、つまり、樹脂であっても、ゴムのような弾性体であればエラストマーになる。 ボールの表面の素材として使われるようになったエラストマーは、ウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマー (TPE) と呼ばれているものです。

6) その他の素材: 樹脂では、ストロノミックと呼ばれる衝撃を良く吸収する素材がパターのフェース (オデッセイ・ロッシーなど) の材料などとして使われるようになっている。 ベリリウムカッパー (Cu + 1%-2.5% Be) はステンレス鋼より 6-7% 重く、ウェッジなどに使われる。また、アルミニウム(比重 2.8)も 7075-6A アルミ合金 (Al + Pb 4%-6%, Mg 2%-3%) としてドライバーのヘットなどに使われる。

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