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トップ プロ ゴルファーのスコア

Introduction
ゴルファーの能力を示すデータの一つに シーズンを通じての スコアリング アベレージ 即ち 平均スコアがある。少し古いデータになるが、2000年 アメリカ PGA の平均スコア 1位は タイガー・ウッズで、何と 67.794。その年の 2位のフィル・ミケルソンが 69.254 だったから その差は 1.46 もあった。これだけの差になると 勝つのが当たり前のような差とも言える。因みに、ウッズは 2000年のシーズンに 20 試合に出場し、優勝 9 回(優勝確率 45%)、賞金獲得額 919万ドル(1位)という記録を残している。

スコアリング アベレージ

PGA のスタッツの一つであるスコアリング アベレージは 実際の平均スコアではなく そのコースの難易度を考慮に入れ フィールドの平均スコアを基準に調整したものだから 実際のスコアの平均とは 少し異なるものだ。例えば、カットラインが -5 のトーナメントと +5 のトーナメントでは 同じスコアの持つ意味は異なる訳で、そうした差を考慮し 調整したデータがスコアリング アベレージである。単に、scoring average といった場合は adjusted scoring average、つまり、調整後の平均スコアのことで、統計データとしては non-adjusted(または actual)scoring average、即ち、非調整の実際のスコアリング アベレージとは区別されるものである。各選手のスコアリング能力を比較し、順位をつけるという観点からは 調整された平均スコアの方が非調整のものより有意義であることは言うまでもない。因みに、2000年のタイガーの非調整の平均スコアは 68.17 である。

さて、2014-2015年 シーズンのスコアリング アベレージ 1位は ジョーダン・スピースで 68.938、2位は ジェイソン・デイの 69.161(その差は 0.223)、3位は ババ・ワトソンの 69.296 である。つまり、突出した強さを見せた選手は居なかった訳だが、それでも スコアリング アベレージが 1位だった ジョーダン・スピースは このシーズンに 5回 優勝して シーズンの賞金獲得総額 1,203万ドル (1位)、加えて、シーズンエンドのフェデックスカップにも 優勝し、1,000万ドルの優勝賞金を手にした。

そこで、アマチュア ゴルファーでない ゴルファーが プロ ゴルファーかと言うことになるが、実は 必ずしも そうとは言えない。通常は、PGA や LPGA などが定める資格認定試験(能力に応じて 等級がある)に合格した者が プロ ゴルファーと呼ばれるに相応しい人達である。また、そうした資格がなくとも、PGA と そのメンバー・ツアーが統括する Q スクールで 上位に入ったり、ツアーで活躍して シード権を持っている人達は もちろん プロ ゴルファーである。

タイガー・ウッズの記録

トップ・プロ・ゴルファー2000年以降のスタッツで見ると、年間のスコアリング・アベレージが 69 未満の選手は毎年居ても一人か二人、居ない年もあるくらいだが、タイガー・ウッズは 2004年に 69.10 という記録があるものの、2013年まで 長期休養のない年は毎年 69 を切るアベレージを残した。さらに驚くことに、2000年と 2007年には 68 を切って、それぞれ 67.794 と 67.794 という歴代 1位の数字を残した。この 2シーズンの記録は 偶然にも小数点以下 3桁の数字まで同じだが、この記録を破る選手は当分出そうになさそうだ。

実は タイガーが スコアリング・アベレージで 69 を切れなかった 2004年は ビージェイ・シンが全米ツアーで 9回の優勝を果たし、タイガーを ワールドランキング 1位の座から引き摺り下ろしたシーズンである。年間 9回の優勝は 2000年にタイガーが記録した優勝回数と同じ。ビージェイ・シンの 2004年のスコアリング・アベレージは 68.83 で、同年 2位の エルスが 68.96、 3位には ミケルソンの 69.07 が続き、タイガーは 69.10 で 4位にまで落ちていた。

ただ、タイガーは 2007年の記録以外にも 2006年と 2009年に それぞれ 68.115、68.052 という記録を作っており、それが彼にとって 3番目、4番目に良い記録である。いずれにしても、タイガーは プロ転向以降 69 を切れなかったのは 長期休養があった 2008、2010、2011年を除けば、最初の 1997年(69.100)と 1998年(69.209)、そして、2004年(69.10)の 3 シーズンだけである。このように、ウッズは 常に スコアリング アベレージで トップ争いをしていたか、争いにならないほど 2位を引き離す という圧倒的な強さがあった訳だが 2014年以降は 試合に出ないことが多くなった。その後、2019年のマスターズに優勝し、復活した観もあるが、かつての栄光を取り戻せるか まだ 不透明と言わざるを得ない。

バードン トロフィー

ところで、毎年、スコアリング・アベレージで 1位の選手には バードン トロフィー (Vardon Trophy) という賞が贈られるが、タイガーは それを 9回受賞している。この賞は 1937年に 名手 ハリー・バードン (Harry Vardon) の名にちなんで 最優秀選手にシーズンの獲得ポイントをベースに授与されるようになったものだが、1947年以降は ベスト スコアリング アベレージの選手に与えられる賞になった。ただ、途中棄権のあった選手は バードン トロフィー受賞の資格がなくなるので 2006年に タイガーは スコアリング アベレージで 1位だったが バードン トロフィーを獲得していない。

バードン トロフィーの複数回受賞者には リー・トレビノ、ビリー・キャスパー(5回)、アーノルド・パーマー、サム・スニード(4回)、グレッグ・ノーマン、トム・ワトソン、ベン・ホーガン(3回)などが居るが、以外にも ジャック・二クラウスは 1度も バードン・トロフィーを獲得していない。タイガーの実力が抜きに出ていることが この事実からも分かるだろう。なお、多少、条件が異なるが ベスト スコアリング アベレージの選手に与えられる賞に バイロン・ネルソン アワード (Byron Nelson Award) があるが、それもタイガーは 9回受賞している。

その他の STATS

タイガーにとってまずまずのシーズンとなった 2006年のスタッツの内訳を見てみると 平均パット数は 1位の選手が 1.712 で、100位の選手が 1.779 だから 0.067 打差で、これを 18ホールに換算すると 30.8打と 32.0打ということで 1.2打の差になる。(ここで言う平均パット数は パーオンしたものだけをベースに計算した数字だから 実際のラウンドのパット数は はるかに少ない数になる。)因みに、タイガー・ウッズは 平均パット数が 1.756 で 35位、また、入れたパットの平均距離は 4' 6" で 13位ということだった。

一方、パーオン率は ウッズが 1位で 74.2%で、2位の選手でも 72.0% であり、100位の選手になると 65.3% となる。さらに、グリーンを外した時のセーブ率は トップの選手が 66.5% で(ウッズは 62.8% で 10位)100位の選手は 57.6% となっている。また、ウッズは パーオンした時のホールまでの平均距離も他の選手より勝っていて 31' 7" と これも 1位(タイ)となっている。因みに、100位の選手は 35' 10" であった。

従って 、タイガー・ウッズの強さは、やはり パーオン率やパーオンした時のホールまでの平均距離など、所謂、ロングゲームで他の選手よりも勝っていたと言えるのだろう。 ただし、フェアウェイ キープ率は 60.71%(139位)と良くない。最近は stroke gained putting / tee-to-green と言うスタッツがあり、そうしたものを見ると それぞれの選手のパット力、ショット力が分かるようになっている。» PGA が採用した新たなスタッツ

日本人選手のスコア

なお、タイガーが活躍した時代に アメリカでプレーした日本人選手のデータを見ると 丸山茂樹選手のスコアリング アベレージが、2004年 70.23(21位)、2005年 70.18(19位)、2006年 70.65(47位)という記録を残している。また、2006年の他の日本人選手のデータを見ると 今田竜二選手が 70.78(61位)、そして、丸山大輔選手が 71.18(106位)という結果だった。 2006年、50位の選手の平均スコアは 70.67、100位の選手が 71.12 で、1打の重みはかなりのものである。

他方、松山英樹選手のスコアリング アベレージは 2014-2015年が 69.940 (12位) で、その後、 70.034 (13位)、69.624 (10位)、2017-2018年に 70.022 (23位) と推移した。なお、2014-2015年の石川遼選手の記録は 71.246(129位)という結果だった。(PGA の資料より)

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