ゴルフ豆辞典
メニュー
ユーティリティのアプローチ
グリーンを少し外して カラーや フェアウェイからのアプローチを ウェッジで上手に寄せるのは 上級者でも 案外 簡単なことではない。一方、それを パターで打って寄せようとする場合は グリーンまでの距離が 50cm 以上あれば ボールから グリーンまでのフェアウェイの部分を ボールが転がるスピードを 正しく予測するのが難しく フェアウェイと グリーンで ボールの転がるスピードに 差があれば ある程 寄らない可能性は 高くなる。そんな時に有効なテクニックが ユーティリティ (以下 UT) や フェアウェイウッド (以下 FW) を使ってボールを転がすという選択肢だ。
♦ FW と UT の違い
ツアープロがそうしたクラブを使って アプローチをする光景は決して珍しくないが FW と UT の違いは大きく以下のとおりである。
比較項目 |
FW |
UT |
(1)シャフト |
長い |
やや短目 |
(2)ヘッドの大きさ |
大き目 |
やや小さ目 |
(3)ロフト |
少な目 |
やや多目 |
(4)重さ |
軽い |
やや重め |
♦ どんな時に使うテクニックか
UT にせよ FW にせよ そうしたクラブをアプローチに利用する場合は シャフトが長いのでクラブを短く持って使う訳だが クラブヘッドがパターやウェッジのヘッドより軽いから 最初は距離のコントロールが難しいと感じるのが普通だ。しかし、慣れれば距離の調整は かなり上手く出来るようになるはずで 自分でも使えるかを試してみる価値のあるテクニックの一つである。この打ち方の魅力は 究極の転がしショットで大きなミスが出難いこと。冬場のゴルフでよく直面する芝の短いタイトライでも苦にならないし、砲台グリーンに良くある急傾面のフェアウェイを転がし上げるようなことも出来るので 球を上げるとその落とし所が狭くなるようなケースにも威力を発揮するショットだ。何と言っても、そのテクニックの習得が容易だから レパートリーに加えるべく 練習をしたいテクニックである。
いずれにしても UT は FW に比べ 上表のような特徴があり 少しでもパターやウェッジの感覚に近いもので 多くの人は FW より扱い易いと感じるはずである。強いて そのマイナス面を上げるとすれば ロフトが大き過ぎると感じる可能性があることと フェースが開いてしまうことである。打ち方によっては 右のイラストのように ボールが結構上がることになるが 構える時にフェースを少しクローズドにして使うなど 使い方次第で調整可能な特徴である。どの位のロフトの UT が良いかは 好みの問題と言えよう。
そんなアプローチショットの打ち方は 基本的に二通りあると言える。つまり、ウェッジのように打つ方法とパターのように打つ方法の二通りである。
♦ ウェッジ・スタイル
ウェッジのように打つスタイルは 比較的距離のあるアプローチでオススメなテクニックだが その場合のテクニックは クラブを短く持ちボールを右足の前に置いて 左足体重でテイクバックをして アドレスの位置にヘッドを戻すだけの極めてシンプルなものだが UT はソール幅が広いので 多少ダフってもソールが滑ってくれるし ウエッジに比べロフトが立っているので ボールを前に押し出す力が強いため 少しくらいならミスヒットをしても ボールの転がりは悪くないはずだ。つまり、大怪我をすることが 非常に低いのが大きなメリットである。加えて、練習次第では その精度が高いショットにもなり得るものだから そのテクニックを学ぶ価値は多くの人が考えている以上に高いものだ。
♦ パター・スタイル
一方、UT をパターのように使うテクニックも威力を発揮する。クラブヘッドの重さが感じられるように 軽くクラブをパターグリップで握って 肩の回転を少し使ってパターのように打つのがコツだ。パターとの大きな違いは シャフトが長くライ角があることで シャフトを短く握ってパターのようにクラブを振るためには 工夫が必要である。ハンドファーストに右手がシャフトを握るくらいまで短く持って フェースをシャットに構える。アップライトな構えになって ヒールが少し浮く形になるから ボールは少しトー寄りに置く。それでも 確りボールを打てば 芯を外した感じにはならないだろう。どの位アップライトにクラブを持って ボールに近付いて構えるかは その人の好みでもあるが あまりボールから離れて立つのでは 微妙なタッチや方向性の精度は出し難くなる。もちろん、このテクニックの場合も 大きなミスショットになる可能性は ダフったりトップしたりする心配がないために 低くなるのがメリットだ。当然、打ち出し直後の芝の長さが少しある部分をボールがスキップして転がるから そのスピードの計算が比較的容易になるのがパターを使う場合との大きな違いである。距離感を出すのが微妙な下りのアプローチでカラーとグリーンのスピード差が大きい時などにも威力を発揮するだろう。
♦ まとめ
以上が UT を使ったアプローチショットのテクニックとメリットについての説明であるが ロフトの少ないスプーンの方が どんな場合もボールが低く出て転がり方にバラつきが少なく、20° ~ 25°のロフトのある UT より 距離のコントロールがし易いと感じる人が居るのも事実であろう。UT では 薄く当たったボールは 低く、確り 当たったボールは 多少上がるような出球になるという意味で その差の少ないスプーンの方がコントロール性能に優れるという考え方もあろうが どちらを選択するかは 個人の好みである。しかし、いずれにしても、15° ~ 25° 位のロフトのクラブだから 大怪我をすることは少なく ウェッジのアプローチに自信のない人は 特に 練習して 自分のレパートリーに加えて欲しいショットである。このテクニックを使いたい思った人は まず 5m と 10m 位の距離のコントロールを確り練習してから 実戦で使ってみよう。以下は パター・スタイルのテクニックを紹介している動画である。
Copyright © 2004-2024 mamejiten.com. All Rights Reserved.
TOP