ショートゲームと左右の手の役割
パットやチップ・ショットなど 距離の短いショットでは スムースにクラブを振り、ソリッドにボールをヒットして、正確に距離と方向を コントロールする能力を身に付けることが 極めて重要だが、そのためには 左右の手の役割(及び、そのことに関する意識の持ち方)について 一度 良く考え、自分に 最も適したボールの打ち方というものを 研究してみる価値があると言える。
あまり深く考えたことのない人が多いと思うが、通常、打ちたい距離が短ければ クラブの引きは小さく、それが長くなるに従って 応分にクラブの引きを大きくしているのだが、左右の手の役割と言う観点から ショット(バック・スイングとフォワード・スイング)の仕方を見てみると 実に 様々なパターンがあることに気が付くはずだ。つまり、
バック スイング |
(1) 手や腕の動きは極力抑えて 肩を動かすことによって それを行う。 (2) 肩を動かし 同時に 右手でクラブを引くようにクラブを動かす。 (3) 肩を動かし 同時に 左手でクラブを押すようにクラブを動かす。 (4) 肩の動きに合わせ 左右の手を ほぼ同等に(積極的に)関与させる。 |
ダウン スイング |
(1) 手や腕の動きは極力抑えて 肩を動かすことによって それを行う。 (2) 肩を動かし 同時に 右手でクラブを押すようにクラブを振る。 (3) 肩を動かし 同時に 左手でクラブを引くようにクラブを振る。 (4) 肩の動きに合わせ 左右の手を ほぼ同等に(積極的に)関与させる。 |
これらの違いは 主に ショットをする人の意識の持ち方であるから、他のゴルファーのショットを見ていても殆ど分からないはずだが、自分で意識的に前述のポイントを コントロールして見ると良く分かるだろう。例えば、意識として、バック・スイングは左手で押すイメージでクラブを動かし、フォワード・スイングでは右手を押すように使って打つ打ち方もあれば、その逆に バックスイングは右手で引いて、フォワード・スイングは左手で引くイメージで打つと言う方法もある。そして、それだけを考えて見ても 4 x 4 = 16通りの組み合わせがある訳だが、手の関与する度合いなども考慮すると その組み合わせは さらに多くなる。
いずれにせよ、大切なことは どのような意識でクラブを振れば 最も上手くクラブの動きをコントロール出来るかと言うことだ。また、パットとチップ・ショットを打つ時の意識の持ち方は 同じである必要はなく、それぞれのショットに最も適した(必要に応じて、それぞれ異なった)意識の持ち方を見つけ出すことが重要なのだ。
ショートゲームでは デッド・ハンズ (Dead hands)、即ち、手や腕が スイングに あまり関与しないのが望ましいと言われているが、果たしてそうだろうか。パットの時に手が関与しないようにクラブを引いたら クラブをスムースに引くことが難しいと感じるのであれば、そうした意識の持ち方で上手く行くとは考え難いのである。
また、パッティングでは 良く 左手リードとか、右手リードといった考え方をするが(ツアープロにもそうした考え方を持っている人は多い) バックとフォワード・スイングで リードする手を変えるという発想もある。それぞれの手を 一つの(単純な)動きに集中させられるから メリットがあるという考え方で、実際に試して見ると そう感じる人も居るだろう。
さらに、パッティングでは、バック・スイングを左手で押し、フォワードスイングを右手で押す、また、チップ・ショットは その逆で バック・スイングは右手で引き、フォワード・スイングは左手で引く と言った具合に ショットによって左右の手の役割(意識の持ち方)を変えることもあり得るだろう。
加えて、左脳、右脳的な事柄について 検証して見るのも面白いかも知れない。良く 左脳は言語脳で右脳はイメージ脳とか、左脳は右手の運動、計算処理、時間連鎖的思考、そして、右脳は左手の運動、音楽感覚、空間構成 などと言うが、そうした観点から 自分の意識をどのように使って、どう行動をコントロールすべきかを研究して見ると、どんな意識で左右の手を使えば良いのかと言うことに関して、また、違った 自分なりの 結論が導き出される可能性もあるだろう。