救済 (リリーフ)|ゴルフルール解説

Introduction

ゴルフでは 様々な理由で プレー中に救済 (relief) を受けることがある。例えば (1) 球を物理的に打てなかったり 打つことが困難な時、(2) 障害物、カート道、修理地など、本来あるべきではないものがプレーに影響を及ぼす時など。ただし、救済には 1打罰のペナルティの下に行われるものと無罰のもの、また、救済を受けるか否かをプレーヤーが選択出来るケースと そうでないケースがあるが 救済を受けられる時は 選択肢が幾つかあることが多い。従って、ルールを熟知し 違反することなく しかも 自分に最も有利と思われる処置が出来るような知識と判断力を身に付けることが望まれる。以下は そんな救済に係わるルールを分かり易く解説した 5分 46秒の音声なしの動画である。また、その下のテキストで詳細を説明しているので そちらもご覧下さい。

救済を受ける理由

救済を受けられるケースを 整理すると下表のようになるが 表は ダメージの大きなものを上から順に列挙した形になっている。(ただし、E は 補足)つまり、(A) は 1打罰の救済を受けなければならないケースだが 実質のダメージは 距離とストロークだから2打のダメージになる。(B) と (C) は 最悪 実質のダメージが (A) と同じ 2打になることもあるが 多くの場合 距離をゲインできるから 救済を受ける場合は1打以上2打未満のダメージ、そして、救済を受けなくて済めば 実質 1打罰未満のダメージになる。(D) は 救済を受ければ 殆ど ダメージなし もしくは 多少 ライが良くなることで 有利になることもある。最後の (E) は 救済とは言えないかも知れないが1打罰が課され 救済を受ける時と類似の処置をすることもある。

救済を受ける理由 無罰 1打罰の救済
救済適用 救済非適用 選択肢あり 選択肢なし
(A) OB、ロスト球      
(B) アンプレヤブル    
(C) ペナルティーエリア    
(D) 罰なしの救済    
(E) ルール違反の処置      


球のドロップ

三通りの球のドロップ
どのような救済を受けるにしても リティーできる場合以外は 球のドロップが必要になる。そのやり方が新ルールになって変わったので まずは その新しいやり方を確り覚える必要がある。さて、ルールに従って 球を拾い上げてドロップする時のファースステップは 球を拾い上げる前に ティーペッグやコインなどで 何処がルールに従って球をドロップすべき場所かを確認できるようにすることである。例えば、ニヤレストポイント (救済の基点) と そこからピンまで等距離の1クラブレングス横の所に目印を置いたり、後方線上のここはと思うポイントに目印を置くことである。新ルールでは どんなドロップも 救済エリア内に球を落とし その中に球が止まらなければならないから この目印を置く作業は 必須になってくる。その上で そのマークを目印に球が正しくドロップされたかを確認できるようにして 球を持ち ヒザの高さからドロップするという手順になる。旧ルールからは 1) 球ドロップのやり方 2) 再ドロップの条件 3) 後方線上とストロークと距離 (打ち直し) の球ドロップの仕方が変わったが それに伴って新ルールで登場したのが救済の基点 (reference point of relief) と救済エリア (relief area) という概念である。その点をしっかり理解し 具体的な球ドロップに係わる手順を覚える必要がある。ドロップした球は ドロップが許されるエリア 即ち 救済エリア内に止まらなければ 再ドロップが必要になる。二度 ドロップした結果 救済エリア内に球が止まらない場合は 今までのルールと同じで 二度目のドロップで球が落ちた所に球をプレースすることになる。後方線上 (reference line) のドロップとリティーできない打ち直し (stroke and distance) の球ドロップでも 救済の基点という概念が導入されたので 慣れるまでは 間違えやすいかも知れないが 以上のように改定されたことで どんな救済のドロップも同じになり (旧ルールでは 異なった) 球のドロップのルールが統一された訳だ。

実は 上のイラストに示したやり直しを要する球 (A) と (B) は ルール上 正確には意味が異なる。どちらも その球をプレーしてしまえば ペナルティーになるが (B)のように 球が救済エリア内なら1打罰、また、(A) のように 球が救済エリア外なら2打罰になる。ところで「無効」と説明したが それは 救済エリア内にヒザから落とす「有効」なドロップを2度やっても 救済エリア内に球が止まらない時は2度目のドロップで球が最初に落ちた所に球をプレースするという手順でのドロップの1回に数えられないドロップだという意味である。なお、肩の高さからのドロップは 正しくないドロップで 無効なドロップとして(B) と同じ扱いになり ペナルティは科されないがドロップをやり直す必要がある。

また、後方線上の球ドロップであるが 新ルールでは その場合も 球は 1クラブレングスの救済エリア内に止まらなければならない。新ルールに則った 球ドロップの手順は (写真右参照) 以下の通りである。つまり、a) 後方線上のどこかに 自分がドロップをしたいエリアを決める b) そこに ティーを刺して 救済の基点を決める c) それによって決まる 救済エリア 即ち 1クラブレングス内で救済の基点より ピンに近くない 半円のエリア内に球をドロップする d) そのエリア内に球が止まれば そこからプレーをする e) 救済エリア内に球が止まらなければ 前述のとおり 再ドロップをするが 二度目も止まらなければ 二度目のドロップで球が落ちた所に球をプレースしてプレーをする。以上が 後方線上のプレーをする場合の手順である。この説明を読んで 旧ルールとは 大差ないと思うかも知れないが 実は ルール違反のリスクという観点からは 大きな危険が潜んでいる。旧ルールでは 後方線上だと思われる所に球をドロップし 落ちた所から2クラブレングス内に止まれば OK だったので 目印を置いて球をドロップすることはなかった。しかし、その習慣のまま 無印で球のドロップをすると救済エリア外の球を打つことになりかねない。ニアレストポイントの場合と異なり、後方線上のドロップを無印で行なった場合は 球をドロップして最初に落ちた所が救済の基点になると新ルールで定めているからである。球が落ちた所よりピンの方に近づいたら 無印であれば オートマチックに救済エリア外の球になる理屈なのだ。つまり、後方線上のドロップこそ ティーを刺して 救済の基点を決めるという作業を省略してはならないということ。そうした意味では ティーショット以外のショットで起こり得る ストロークと距離 (打ち直し) の救済でも 新ルールでは 初めの球を最後にプレーした場所を救済の基点にして1クラブレングスの救済エリア内からプレーをする必要があるとしているので 同じことが言える。無印の球ドロップは ルール違反の行為ではないが それによってルール違反を犯すリスクが増えるということである。新ルールでは 目印を置いてドロップをする - それが球のドロップの鉄則

4つのケースの概要

A) OB、ロスト球:まず、(A) の OBロスト球ストロークと距離の措置を行なうべきものだが 新ルールになって 前進 2打罰のローカル ルールを採用することもできるようになり そのルールに従って 球を打ち直すことなく前進してプレーすることができることもあるだろう。特設ティーから ティーアップが許されることがあったかも知れないが それは 新ルールでは 認められない方法である。何れにせよ、競技でプレーする場合は そのルールの範囲内で自分に最も有利な処置をすべきであろう。

(B) アンプレヤブル:深い藪や木が邪魔をするなどのケースでは アンプレヤブル宣言して救済を受けても良いが 無理をすれば打てるから 1打罰の救済よりは そのままプレーをすることが有利と判断すれば 救済を受けないで プレーをすべきかの判断を下す必要がある場合もある。ただし、空振りや打っては見たもののトラブルから脱出できないなどのリスクが十分に予想される時は 救済を受けることが賢い選択になる訳だ。救済を受ける場合は 球から2クラブレングス内のホールに近づかない所か 球とピンを結んだ後方線上の救済、もしくは、元の場所に戻って打ち直し。

(C) ペナルティーエリア:旧ルールのウォーターハザードのことだが そこにに球が入ってしまった場合も 同様に 無理をすれば打てるから 1打罰の救済よりは有利と判断すれば プレーをすることになる。かつてのハザード内のプレーに係わる ソールやルースインペディメント関連の禁止行為がなくなったので プレーしやすくなった。救済を受ける場合は 境界線を横切って入った点とピンを結んだ後方線上の救済とレッドペナルティーエリアであれば 境界線を横切って入った点から2クラブ ングス内のホールに近づかないエリアの救済が受けられる。もちろん、元の場所に戻って打ち直しも可能。

(D) 罰なしの救済:本来あるべきではない修理地やカート道、カジュアル ウォーター、動かせない障害物が プレーに影響を及ぼすケースで いずれの場合も まず 救済を受けるか否かの選択肢が与えられる。救済を受ける場合は 救済の二アレストポイントから ホールに近づかない範囲で 1クラブ レングス内に球をドロップすることになる。しかし、こうしたケースは救済を受けずにプレーをすることも可能で、救済を受けて球をドロップした結果が 救済を受ける前のライやターゲットとの位置関係よりも不利な状態になる可能性などのプラス・マイナスとリスクを勘案し どうするかを決めるべきだ。もちろん、救済を受ける場合は ルールが許す範囲で 自分に最も有利な所に球をドロップすべきであるが、そのような救済を受ける場合は 救済を受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済、即ち「完全な救済」を受けなければならない。例えば、少しでも有利なショットアングルを考えて スタンスがカート道路に少しかかるが 球を 取り敢えず 道路の外にドロップするというような 中途半端な救済は受けられない。救済のニヤレストポイントは その考え方に基づいて決められなければならない。



ニヤレストと完全な救済

救済のニヤレスト ポイントここで 完全な救済について補足説明しよう。例えば、右図のようなカート道にボールがある場合は 救済を受けられるが この場合の二ヤレストポイントが道の右側なのか 左側なのか。注意して欲しい点は 物理的に近い方が 必ずしも ニヤレストポイントのサイドにはならないと言うこと。ご存知の方が多いと思うが、例えば、カート道のほぼ中央にボールがある場合、右利きか左利きかで ニヤレストポイントは異なる。右図のような状況で カート道の中央にボールがある場合、右利きの人の二ヤレストポイントは カート道の左側の A になり、左利きであれば 右側の Y になる。その理由は 動画でも説明されているように 救済を受ける場合は それを受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済 即ち「完全な救済」を受けなければならないからだ。つまり、右利きの人の場合、右側のニヤレストポイントを決めるためのポイントは カート道に足がかからない所に立った場合のニヤレストという考え方で 道の右側のすぐのポイントではなく 次のショットをするクラブをベースに スタンスを取って構えた時にボールが来る位置 B になる。

ニヤレストポイントを決めるステップとしては A と B に ティーを挿して どちらがボールに近いかを確認することになる。必要であれば、クラブを ものさし代わりに使って距離の比較すれば良い。従って、カート道の中央に球がある場合、右利きの人のニヤレストポイントは カート道の左側の A になり、左利きであれば 右側の Y になるのである。概ね、右利きの場合、黒の線より左にあれば ボールが道の中央よりも僅かに右側にあっても ニヤレストポイントは 左側で、逆に、左利きであれば 白い線より右にあれば 右側の Y がニニヤレストポイントになる。この考え方は 修理地などでも一緒で 修理地に足がかからないようにスタンスを取った時のボールの位置で 左右のどちら側がニヤレストポイントになるかを決めるべきだ。いずれにしても、救済を受ける場合は それを受ける理由になったものの影響が完全になくなる救済 即ち「完全な救済」を受けなければならないと言うことだ。

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