
アンプレヤブルの球|ゴルフルール解説

通常 ブッシュにボールが入ったなどの理由で 物理的にボールを打てない場合は 1打罰で 規則が定めるアンプレヤブル (俗称 アンプレ) の救済の選択肢の中から自分に最も有利と思われる救済を受ける。また、物理的にボールが打てる時でも アンプレによる救済を受けた方が得だと判断すれば 同様に ルールが定める救済を受けられる。下は そんなアンプレヤブルの球に係わるルールの概要を分かり易く解説した約 3分半の動画である。その下のテキストで詳細を説明しているので そちらもご覧下さい。
♦ 受けられる 3通りの救済
新ルールの規則 19 アンプレヤブルの球 (Ball Unplayable) が定める救済には 以下の 3通りがある。即ち、 ① ボールから2クラブレングス内のホールに近づかない所 ② ピンとボールがあった箇所を結んだ後方線上 ③ 初めのボールを 最後にプレーした所からの打ち直しである。
以上 ① ② ③ の救済を 図解したものが 右図である。アンプレヤブルの救済は 通常 ピンに近づかないように 2クラブレングス内にドロップ出来る と覚えている人が多いと思うが(それで 部分的には 正解)実は 上述の三通りの選択肢が与えられているのだ。ただし、右図からもわかるように、通常は ① より ②、② より ③ の方が ピンまでの距離は長くなるので ① の選択肢で ライの良い所にボールがドロップ出来る場合は ① を選択するのが 一般的である。
なお、通常 ③ は 最後に考えるべきオプションだが、OB の場合と同じ扱いで、1打罰で元の場所に戻って打つ選択肢もある。ティーショットのボールで この救済を受ける場合は リティーをしてプレーすることが出来るが、ショートホールなどでは その選択肢が 最も有利な救済措置となる場合も少なからずあるだろう。
♦ 救済を受ける時の手順
アンプレヤブルの救済を受けると決めた場合に まず行うべきことは アンプレヤブルの宣言である。それを怠って ボールを ピックアップすれば ボールを動かしてしまったことによるペナルティが科される。木の上に止まったボールで アンプレヤブルの救済を受ける時などに 直ぐに ボールを木から落としてしまう人がいるが アンプレヤブルの宣言を先にすることが肝要だ。ボールのある場所、また、木の上にあるボールであれば ボールの真下にティなどを置いてからボールをピックアップするようすると良いだろう。最初に前述の ① の救済を受けるつもりでいたが、後になって ② の救済を受けた方が良いと思った時などでも 最初にボールがあった場所が確認できれば 不必要なトラブルに巻き込まれずに済むはずだ。① の救済を受ける場合は ドライバーを使って 2クラブレングス内のホールに近づかない所が何処までのエリアかが明確に判るように ティなどの目印を置くべきである。クラブを置いたままボールをドロップし それにボールが当たればドロップのやり直しになるので ルール違反の原因にもなる。救済エリアの計測に使用したクラブは救済エリア外に置くように。
さて、アンプレヤブルを宣言した場合は ティーイング グラウンドからプレーをし直す ③ の選択肢の場合を除き ボールをドロップして プレーをすることになるが 2019年に そのドロップのルールが大きく変更されたので注意を要する。

救済を受ける時のボールドロップについては 上の動画内でも簡単に説明し注意しているように 球は ヒザの高さから救済エリア内に落とし その球が救済エリア内に止まらなければならない。そうしたドロップを 2度やっても 救済エリア内に球が止まらない時は 2度目のドロップで球が最初に落ちた所に球をプレースする手順でプレーをする。そのドロップの仕方を図示したのが右のイラストである。下の二つの例は やり直しが必要になるドロップである。ただし、このあと詳しく説明するが (A) と (B) では ルール上 正確には 意味が異なる。
肩の高さからのドロップは 正しくないドロップで それは 無効なドロップとして ペナルティは 科されないが ドロップをやり直す必要がある。それをせずに その球をプレーしてしまえば 球が救済エリア内なら 1打罰、また、球が救済エリア外なら 2打罰になる。ところで「無効」と説明しているが それは 救済エリア内にヒザから落とす「有効」なドロップを 2度やっても 救済エリア内に球が止まらない時は 2度目のドロップで球が最初に落ちた所に球をプレースするという手順でのドロップの 1回に数えられないドロップだという意味である。
既に 球のドロップに関わる説明は 色々としてきたが 以下の動画は ペナルティエリアの救済だけでなく 球のドロップに係わるルール全般について丁寧に説明した音声なし 約8分半の動画なので こちらも参考にして下さい。
♦ 救済を受けるにあたっての注意点
なお、前述の ① の選択をした場合は ドロップしたボールが 2クラブレングスの救済エリア内に止まれば それをプレーすることになるが、最初にボールがあったブッシュの中にドロップしたボールが転がってしまっても 救済エリア内である限り そこからプレーをするか、再度、アンプレを宣言し 1 ストロークのペナルティを払って救済措置を受けなければならない。なお、② の救済措置、即ち、ボールとピンを結んだラインの後方のどこかに救済の基点を設定し ボールをドロップして プレーすると言うオプションは 多くの場合 ① より有利になることもあるので、どちらの選択肢にするかは 直ぐに ① の選択肢を選ぶのではなく、② の選択肢も十分に考えてから最終決断をすべきだ。なお、ボールをドロップした結果、自分にとって好ましくないライにボールが止まっても 再ドロップの条件に当てはまらなければ そのボールをプレーしなければならないので ① ② いずれの場合も どのような所にボールをドロップするかは 細心の注意を払って決めるべきである。
ゴルフのルールでは 如何なる時でも 1打罰の下に プレーヤーは 初めのボールを最後にプレーした場所に戻ってプレーをすること 即ち 打ち直しをすることが出来ると定めており、それをゴルフ用語では ストローク アンド ディスタンス (strokes and distance) または ストロークと距離に基づく処置と呼んでいる。OB した時に取る救済処置だが アンプレヤブルの他 ペナルティーエリアなどのトラブルの処置として取られることもある。
♦ バンカー内のボールの救済
