理想のゴルフスイング|発想の転換
♦ 従来の考え方
それをイラストにしてみると以下のようになる。ここで 注目して欲しいのが トップからダウンスイングでインパクトと言う流れである。インパクトという一瞬の点に向かって 4) 〜 6) で クラブを振り下ろす。
しかし、その考え方に基づいた意識と動作が あまり 好ましいとは言えないクラブの振り方を助長しているとも言える。追々 詳しく説明していくが ボールに向かって クラブを振り下ろすという意識と その意識に基づいた動作、つまり、身体の反応が ヘッドスピードが上がらない ミスの多い ゴルフスイングを誘発しているのだ。
♦ 新しい考え方
新たな考え方では 下のイラストのように セットアップの後は 1) 〜 2) テイクバック、2 〜 4) アップスイング、4) トップ、4) 〜 5) ダウンスイング、5) 〜 6) フォワードスイング 、6) 〜 7) フォロースルー、8) フィニッシュ と その構成を変えるのである。最も違う点は ダウンスイングの後は インパクトではなく フォワードスイングで そのフォワードスイングの途中に インパクトがあると考えることだ。
フォワードスイングは ダウンスイングで グリップが 太腿の高さまで落ちた後 右太腿の前から左太腿の前までを水平に動くステージである。そして、その間にボールを打つ訳だが 大切なことは 腕を振り下ろして 手が下に落ちた時に インパクトがあるのではなく、その下に落ちた手が水平に動く間に インパクトがあると考えた上で その間の体の回転速度を上げると同時に ボールをクラブヘッドの芯で捉えられるように 回転軸がブレない バランスの良い 力強い体の回転を心掛けることである。腕を落としながら体を回転させるという意識と 腕が下に落ちてから 手が水平に動く時に 体を回転させるという意識の違いは ヘッドスピードの観点から 大きな違いを生むだろう。さらに、このフォワードスイングの概念は アタックアングルをシャローなものにするだろうが、加えて、そこで クラブフェースが オープン - スクウェア - クローズドと動く その度合いを小さく抑えられるような 腕の旋回を可能にするフォームを身につければ エネルギーの伝達効率も ショットの方向性も より高いものになる。
♦ 理想のゴルフスイング
まず始めに 言葉の違いだが バックスイングの代わりに アップスイングと書いたが それは テイクバックで 腕とクラブを引いた後は ダウンスイングで 上手く腕が振れるように 準備をしつつ ダウンスイングと同じ軌道上を腕が上に上がるようにするのが理想だから その動作は アップスイングと言った方が 的確に その意味を表わすことになるからだ。そして、アップスイングは 上手くダウンスイングをするための準備作業であり、ダウンスイングは その後に続く フォワードスイングのための準備動作である。何れにしても ゴルフで 最も重要なのは インパクトで 確り ボールを スクウェアに打つことだが そのために フォワードスイング - ダウンスイング - トップ - アップスイング - テイクバックが それぞれ どのように動けば良いのかを逆算するように 決めて行けば 理想のフォームが完成する。
そうした発想の下に、前述の 4) 〜 6) のフェースローテーション 特に フォワードスイングの 5) 〜 6) のフェースローテーションを小さくしながらも 確り クラブヘッドをリリースさせることの出来る選手が 昨今は 世界で活躍していることから そうしたスタイルのスイングが最強と言う仮説が成立する。それは どのようなフォームなのか。アップスイングでも ダウンスイングでも フェースをシャット気味に 腕とクラブを振ることだが それが出来れば フォワードスイングでのフェースの開閉は ミニマムに出来る。そうすることを容易にするためには アップスイングで 左腕のプロネーション (回外) をミニマムにして トップで 左手の甲が内側に折れない形を作ってから 下半身が ダウンスイングをリードするように 腕を落として行けば良いのである。そうすれば 5) 〜 6) のフォワードスイングでは シャローな アタックアングルで フェースローテーション・ミニマムのアンコック 即ち クラブのリリースが可能になる。フォワードスイングで 手が水平に動くステージで 回転軸を (水平に 同じ方向に) 動かさないようにして クラブをシャローに スクウェアにリリースすれば 理想のゴルフスイングが完成する。それが 新時代の理想のゴルフスイングなのかも知れない。