コンバインド・プレーン理論

「まったく新しいゴルフ理論 コンバインド・プレーン理論のすべて」 安藤秀 (著）という書籍が 現代書林 (2009/9/2) から発売されているが、自分のゴルフ・スイングが どうあるべきか悩んでいる人には 参考になる内容だと思うので ご紹介しよう。

本書を執筆した 筑波大学 体育学博士であり PGA の A級ティーチング・プロでもある 安藤氏によれば、ゴルフ・スイングには 様々なタイプのものがあるが、近年は リストターンをしない アップライトなスイングが主流になりつつあると言う。そして、そうしたスイングは ベン・ホーガン著のモダン・ゴルフで有名になった平面のスイング・プレーンの概念では 上手く説明できないものだが、下図のような 新しい（複数の）スイング・プレーンの概念を導入することで より 明解に説明出来ると言うことだ。

また、体の横回転と腕を縦に振る動きを組合せ、リストターンをしない アップライトなスイングを習得することで 望ましい 飛距離、方向性、再現性の全てを備えたスイングを身につけることが出来ると言うことで、それが コンバインド・プレーン理論のエッセンスだ。

右のスイング・プレーンのイメージのように まず第一に バック・スイングで 腕が腰から上に行くところで クラブは 地面に対して垂直なプレーン (A) の上を動くことである。次に、フォワード・スイングでは 腕でボールを打つのではなく、体の横回転に合わせて、タイミング良く 腕はただ下に落とすようにすることがポイントだそうだ。結果として、インパクト・ゾーンで クラブは 体の横回転によって（B) のプレーンの上を動くことになる。さらに、フォロースルーから フィニッシュにかけて クラブは 再び 地面に対して垂直なプレーン (A) の上を動き、最後は リバース C 型のフィニッシュになるのではなく、左脚の上に垂直に上半身が乗る I 型のフィニッシュを取るフォームを推奨している。

本書は 第 1章の「理想的なゴルフ・スイングとは」で問題提起と目標にすべきスイングについて論じた後、第 2章の「コンバインド・プレーンとは」で 従来のスイング理論の限界、そして、新しいスイングの誕生という順に 分かり易く この理論が生まれた背景を 説明している。さらに、第 3章から 最終章である第 7章までで 飛んで曲がらないボールを 繰り返し打つことの出来る ゴルフ・スイングのメカニズムと習得の仕方、ドリルなどについて 詳しく説明している。

この理論が ベストかどうかについては 読者が決めるべき事だと思うが、安藤氏の理論は分かり易く、その有効性については（色々な理論を勉強した結果、逆に、どうしたら良いのか分からなくなって悩んでいる中級者以上の人は特に）検証して見る価値があると思う。 » 詳細はこちら