
SLE(Spring Like Effect)即ち トランポリン効果に係わるルール改正で 2008年 1月 1日から 反発係数 (COR) が一定の値 (0.830) を超える 所謂 高反発モデル は不適合となり、正式競技のルール上は使用が禁止される。一方、日本ゴルフ協会(JGA)では 2006年度から主催する 16競技において 前倒しに 2008年以降のルールで試合を行ったのの 同時に暫定的な 2007年までの SLEルール適合クラブというルールが存在する現象が見られるなど 一般ゴルファーにとっては 非常に分かり難く 厄介なルール変更になった。
ルールが分かり難くなった原因は R&A(欧州)と USGA(米国)との間に異なったルールが存在していたことにも因るが 結果的には USGA が主張してきた COR = 0.830 のルールを R&A が 採用するようになり それに追随する JGA がこのルールを暫定的に導入することになったという経緯にもあった。いずれにしても、2008年 1月 1日からは 統一されたルールで 反発係数 (COR) が 0.830 を超える 高反発モデルは 不適合となった。具体的には 以下のリスト(英語版 PDF ファイル)で 適合ドライバー・ヘッドに リストされていなければ 不適合モデルと言うことになる。
トランポリン効果は クラブフェースの外周部を肉薄にすることによって得られるフェースのたわみを利用して反発係数(COR)を高めるものであるが クラブフェースの COR の値が最も大きくなる点(COR ホットスポットと呼ばれる)で その数値が一定値(COR = 0.830)以上であれば ルール不適合となる。 USGA では トランポリン効果を規制しなければ ツアープロのドライバー飛距離は 15ヤード以上伸びると推定している。
一方、クラブフェースが大きく重心深度の深いクラブは スウィート・エリアの面積が大きくなるというメリットがあるが、スウィート・スポットの位置が COR ホットスポットよりも高い位置に来る傾向があるので ほとんどのメーカーは 重心を低くするような工夫をしているのが現状だ。
基本的には クラブフェースの面積と重量配分、重心位置のコントロールなどで スウィート・エリアを大きくするといったようなアプローチでクラブの性能アップを図る訳だが クラブヘッドの大きさが体積(460cc 以下)で規制されている状況下、ユニークな形状のドライバーも数多く開発されるようになっている。
もちろん、飛距離に影響を及ぼすファクターは COR とスウィート・スポット/エリアだけではない。ボールの打ち出し角とスピンレート、そして、シャフトのたわみや より戻し(キックバック現象とも言われる)なども飛距離に大きな影響を及ぼす訳だから ドライバーの飛距離は ヘッドと シャフトの組み合わせによって決まることは 言うまでもない。