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打ち上げ・打ち下ろしの距離調整法

このページのコンテンツ
• はじめに
• 正しい距離の情報
• 弾道と飛距離の関係
• 落ちたボールの転がり方
• 最後に
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


打ち下ろし打ち上げ、打ち下ろしのホールでは オーバーしたり、ショートしたり。そんな距離のコントロールを 苦手にしている人は 少なくないだろう。本ページでは そうしたミスを減らすために役立つ 打ち上げ・打ち下ろしの ショットでの距離調整に資する情報を纏め、分かり易く解説する。

正しい距離の情報


そこで まず 初めに 知って欲しいのが 距離表示の情報に係わる盲点である。打ち下ろしのショート・ホールで距離を測ってみたら 表示されている距離とかなり違う という経験をしたことは ないだろうか。あまり 深く考えずに コースの距離表示が 間違っているのだろうと考える人も居るだろうが 実は そんなことではない可能性が高いのだ。レーザー式の距離測定器で ピンまでの距離を測った場合は ピンまでの直線距離が(モデルによっては 様々な距離が)表示されるが、コースに表示さている距離が ピンまでの水平方向の距離だったとすれば 高低差のあるホールでの このような距離の不一致は 当然 起きるし、その差は 高低差が 大きくなれば なる程 広がる。

日本ゴルフコース設計者協会の説明によれば、各ホールの距離は ティーイング グラウンドの基準点(パーマネント マーカー)から グリーン センターまでを光波、GPS などを用いて測量し 水平距離で表すことになっている。ホールのパーにより 計測方法は 変わるが、例えば、パー 3 の距離は ティーイング グラウンドから グリーン センターまでの 直接水平距離で示すことになっている。また、男子の パー 4 の距離は 通常 ティーイング グラウンドから 250-yard のフェアウェイ センターのポイント経由の水平距離で表示される。日本のゴルフ場が 全て この日本ゴルフコース設計者協会の説明通りの距離表示をしているか どうかは 疑問も残るが、水平距離で表示されているとすれば、レーザー距離計で 直線距離を測った場合は ピンの位置にもよるが 通常 距離計には コースに表示された距離より長い距離が 表示されるはずだ。一方、GPS による距離表示は 水平距離表示だから コースの距離表示との不一致が起きる可能性は 低いだろう。
高低差と距離の関係
ここで 右のダイアグラムを見て欲しい。例えば、水平距離 100-yard に対して 30-yard の高低差があれば その傾斜角は 16.7° になる計算だが、もし その傾斜角で 水平距離が 175-yard なら その高低差は 52.5-yard になる。かなりの傾斜角であるが ゴルフコースでは 決して珍しいものではない。そうしたホールで レーザー距離計で ピンまでの直線距離を測ると その距離は 183-yard になる理屈である。しかし、同じところで GPS の距離測定装置を使えば 距離表示は 175-yard になる。あまりない状況だが、もし 高低差が その倍の 105-yard だとすれば レーザー距離計が示す ピンまでの距離は 204-yard にもなる計算で 30-yard 近い差が出てしまう。

水平距離
高低差
傾斜角
直線距離
100
10
5.7°
100.5
100
20
11.3°
102.0
100
30
16.7°
104.4
100
40
21.8°
107.7
100
50
26.6°
111.8
100
60
31.0°
116.6
100
70
35.0°
122.1
100
80
38.7°
128.1
100
90
42.0°
134.5
100
100
45.0°
141.4
自分の目で感じる距離感は レーザー距離計の直線距離である。従って、打ち下ろしのホールでは 色々な意味で 距離を過大評価し易い訳だ。右表は 水平距離、高低差、直線距離の関係を示すものであるが、水平距離 100-yard で 高低差が 20-yard のケースは 僅かに 2-yard (2%) の違いであるが 40-yard になると 7.7-yard (7.7%) そして 60-yard では 16.6-yard (16.6%) もの違いになる。どの位の距離の調整が必要になるのかは 勿論 この水平距離と直線距離の違いによるものだけではないが(詳細後述)まずは この違いを良く認識しておく必要があると言うことだ。

弾道と飛距離の関係


次に考える必要のあるのが 弾道と飛距離の関係である。下図は 打ち上げ・打ち下ろしのショットが 弾道によって 飛距離に どのようなインパクトを与えるのかを 説明するためのものだが まずは それを見て欲しい。

弾道別飛距離への影響
打ち上げ・打ち下ろしのショット: 弾道別の飛距離への影響

青は 打ち下ろし、また、赤 / オレンジは 打ち上げのケースを説明するためのラインである。そして、A は ロング・アイアン、また、B は ウェッジのショットで、いずれも 平らなライから打った時の弾道を示している。さらに、C は ウェッジを 左下がり(ダウンヒル)のライから打った時の弾道を示したものだ。

図から 概ね 理解出来ると思うが、低い弾道のボールの方が高低差の影響を大きく受けると言うのが 大原則で 距離の計算と ショット・セレクションは その点を 間違いなく 計算に入れて 行なわなければ 良い結果は 望めないはずだ。

加えて、打ち上げや 打ち下ろしのホールでは ボールを打つライが 左上がりや 左下がりになっていることが多いので その点についても 考慮する必要がある。例えば、左下がりのライから ウェッジでショットをした時の状況を説明したのが C であるが そんな場合は ボールが高く上がらない状況になり 打ち下ろしであれば 飛び過ぎてしまうという結果になり易い。 一方、打ち上げで 左足上がりのライから ショットをした場合は ボールが高く上がるから 応分に 飛距離は 短くなる訳だが(打ち上げの影響は 少なくなるから)打ち下ろしの場合に比べると 一般的に その総合的な影響は 少なめになる傾向がある。

上図の青線のような打ち下ろしで A や C のような低い弾道のショットをした場合は 10% 近く 距離が伸びるのに対し、B のような高い弾道のショットでは 距離への影響が少ないことに注目して欲しい。同様に、赤やオレンジの線のような打ち上げで 低い弾道のボールを打った場合は グリーン手前の上りの斜面に落ちるから 飛距離が 大幅に 短くなること、また、打ち上げの程度によっては その影響が 非常に 大きくなると言うことだ。

例えば、ピンまで 150-yard の急激な打ち上げのショットで 高弾道のアイアン・ショットが打てない人は 好ましい距離コントロールの選択肢が 極めて 限られると言う問題がある。そうした人は 150-yard とか 160-yard を高弾道で打てるような ユーティリティを バッグに入れるのも一案だ。しかし、そうなると 逆に 打ち下ろしのホールで 距離のコントロールをし易い 低いボールが打てなくなるという問題が生じるだろう。そんな人は そうした 所謂 ミッド・レンジの距離を打てる 2種類のクラブを入れることが 有効な解決策になり得る。例えば、アイアンは 6番アイアンまで入れ 7-6番アイアン相当の距離を打つことの出来る ユーティリティか フェアウェイウッドを 高弾道用のクラブとして バッグに入れるのだ。ショート・レンジ側か ロング・レンジ側のクラブを 多少 間引く必要は出ようが ミッド・レンジの選択肢を増やすことが より価値のあることだとすれば そうした選択肢もあり得よう。

落ちたボールの転がり方


アップ・ダウン・ヒルもう一点、知って欲しいことに グリーンに落ちたボールの転がり方が 打ち上げと 打ち下ろしでは 異なると言うことである。グリーンの傾斜が同じであれば 打ち上げた先のグリーンに落ちるボールの落下角度は 右図 α° のようになるから良く転がるし、打ち下ろした所にあるグリーンでは それが 図の β° のように 真上から落ちるようになるので(グリーンが極端に硬くなければ)直ぐに止まるという違いが出る。打ち上げの先に受けていないグリーンがある場合は フェアウェイから打ったボールでも ボールは 止まり難い 訳だから 難易度が高いホールになる理屈だ。

最後に


打ち上げのホール日本には 住宅地や農地として使い難かった土地を造成して作った 丘陵コースが多く、結果として 打ち下ろして、打ち上げるというようなホールが 極めて 多い。グリーンに対して 打ち上げのホールで どの位 大きなクラブを持つべきか、また、左上がり、左下がりのライのボールの打ち方と 打ったボールの弾道や飛距離への影響など、本ページのテーマに関する知識の有無が スコアに与える影響は 多くの人が考えている以上に 大きなものである。

打ち上げ・打ち下ろしの飛距離への影響を考える時に まず 考えるべきことは (1) 距離の情報は 水平距離か 直線距離か、(2) ライは そして 弾道は どうなるか、(3) グリーンに落ちたボールは どの位転がるか、と言ったことである。そして、これらを 総合的に 判断し どのクラブで どんなショットをするかを決めるべきである。アバウトに 距離の調整をして プレーしてきた人は この機会に 自分の考えを 一度良く整理し 必要な時に 賢い決断が出来るようにしておくと良いだろう。

DMD最後に 捕捉になるが、距離測定器 (Distance Measuring Device - DMD) 使用に係わるルール上の疑問点について 少し 触れておこう。2014年から 全英アマや 全米アマ、また、アジア パシフィック アマチュア ゴルフ選手権など トップ・アマチュア競技で DMD の使用が そのローカル ルールで認められているが、日本の JGA は DMD のアマチュア公式競技での使用は 2016年時点でも 基本的に 認めておらず、2006年のルール変更と 近年の R&A / USGA の決定の影響は 日本では 限定的なものに留まっている。一方、当初 R&A と USGA は 高低差を測ることの出来る DMD の使用は 如何なる場合も 禁止してきたが 2016年からは 高低差など 距離以外の情報を入手する機能を使用しなければ そうした DMD の使用も認めることにした。GPS / レーザー式のどちらも使用可能だから 結果として 直線距離と 水平距離の両方の情報を入手を許可している。実際には この二つの情報があれば 三角関数の計算で高さを割り出すことが出来るが(機械に計算させることは 禁止しているが)その点については 触れていない。なお、2019年のルール改定後は DMDが ローカル ルールで使用禁止とされない限り 使用出来るようになる。

関連リンク
DMD に係わるルール詳細は 以下の R&A と USGA の解説(英語)を参照下さい。
» R&Aの関連ページ / » USGAの関連ページ




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