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日本のゴルフ文化|日米の比較

Introduction

日本
日本には 欧米のゴルフ文化とは異なるゴルフ文化、つまり、日本でしか見られないようなゴルフのスタイル、慣習といったものがあるが、ここでは それを日米のゴルフ文化の比較という形で確認し、未来に伝承すべき日本のゴルフ文化について考察することにしたい。

日米ゴルフ文化の比較

少し古いデータも含まれるが 以下は そうした日米のゴルフ文化の違いを比較したものである。

比較項目 米国 日本
ゴルフ人口・女性の割合 ゴルファーは全体の 9.6% (2012 NGF/US Census) で、その内、女性は 22.5%(米国) ゴルファーは全体の 8.1%(2011 総務省)で、その内、女性は 22% (50歳以上)、26%(50歳未満)
プレー方法・フィー スループレー、料金はグリーンフィーのみが基本。歩き、カートなど選択肢が多く、通常、一人でもプレー可 ハーフ休憩、昼食をとる必要あり。歩き、カート等 選択肢はやや少ない。通常、一人ではプレー不可
ラウンド後 サービスは限定的(飲食は可) 風呂があるゴルフ場が殆ど
キャディ 男性(二人に一人・担ぎ)セルフが標準 女性(一組一人・カート)セルフが標準になりつつある
メンバーシップ 会員権は売買・譲渡不可が基本で 一般的に 入会条件は厳しく年会費は高額 会員権(売買・譲渡可能)一部を除き、入会条件は緩やかで年会費は小額
税金 利用税などなし ゴルフ場利用税
イメージ 大衆向け趣味、スポーツの一つだが、今でも金持ちのスポーツのイメージが全くない訳ではない 中高年男性の娯楽(仕事の延長)観が強いが、女性参加率が高くなる変化の兆しは見える

日本のゴルフ文化と歴史

ところで、「文化」という言葉の定義を見てみると、それは民族や社会の風習、伝統、思考方法、価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものと書かれている。そして、その言葉の定義に従えば、日本のゴルフ文化とは 日本におけるゴルフの慣習、伝統、思考方法、価値観、または、そうしたこと全ての有りようのことである。さて、日本初のゴルフコースは 1903年にオープンした神戸 G.C.のコースだと言われているから その頃が日本のゴルフのはじまりと考えられる。従って、その歴史はまだ 120年にもならないが、その歴史は明治時代にまで遡る訳で、大正、昭和初期、第二次世界大戦、戦後復興期、高度経済成長期、バブル経済期、さらには、バブル崩壊後の失われた 20数年を経て現在に至るという歴史である。それぞれの時代に存在した独特な政治・経済情勢、思考法や価値観が現在のゴルフ文化に影響を及ぼしているのは言うまでもないが、戦後復興期から高度経済成長期、バブル経済期などに支配的だった今とは異なった思考法や価値観の影響は意外に大きい。実は 戦時中の極めて異常な思考法や価値観でさえ、その影響が残っているのである。

それは、ゴルフが贅沢な娯楽だとというイメージである。その考え方やイメージは 第二次世界大戦中に施行された「ゼイタク税」にまで遡る。それが戦後にも「娯楽施設利用税」として引き継がれ、娯楽施設利用税はなくなったものの 最終的にはゴルフ場利用税としてゴルフに対する課税だけが残り現在に至っている。つまり、戦時中に押された烙印のゼイタクという考え方が今でも尾を引いている訳だが、そうした考え方に対する国の姿勢は呆れたことに今でも変わっていない。

いずれにしても、注目すべきは 日本固有のゴルフ文化が生まれたことである。キャディは大方が女性で 通常は一組に一人が原則だ。アメリカでキャディと言えば その多くは男性で、一人のキャディーがツーバッグを担いでラウンドするスタイルだ。もちろん、ハーフを終えた時点でゆっくり昼食をとる慣習は日本だけだし、ラウンド後に一風呂浴びて帰宅の途に付くという慣わしも日本だけに見られる風習である。最近はセルフでのラウンドが日本でもむしろ標準になりつつあり、日本のかつての女性キャディ付きゴルフの慣習は多少変わりつつあるが、まだまだ名門クラブでは 女性キャディ付きラウンドが標準だ。

何故、そうした日本固有のゴルフ文化が生まれたのかを考えると、日本のゴルフ場の多くが高度経済成長期からバブル経済期に作られからだという答えに辿り着く。つまり、当時の経済事情、そして、ゴルファーのニーズや価値観、企業文化、また、雇用環境などがゴルフ場の運営スタイル決定に大きく影響したと考えられる。そして、それが現在の日本のゴルフ文化の源流なのである。

一方、近年はゴルフが贅沢というイメージも多少変わったように思えるが、それでもゴルフが紳士のスポーツであるという認識を持つゴルファーの多くが、そうした自負を内外にアピールした結果、紳士 = 金持ち = 贅沢 的な発想が生まれたようにも思える。しかし、ゴルフは紳士を育てるスポーツであって、紳士だけがやるスポーツでないのは明白。ゴルフは紳士のスポーツという言い方ではなく、ルールとマナーを守れる文化人を育てることに役立つスポーツ、そして、真のゴルファーは文化人だという認識を世の中に広めていく必要があるようだ。

未来に伝承すべきゴルフ文化

少し話は変わるが、日本のスポーツ人口に係わる総務省発表 (2011年) の人口、及び、参加率のデータを見てみると、散歩や軽い体操、器具を使ったトレーニングを除くと、最も参加人口が多いのはボウリングの (14,621/12.8%) である。(単位 千人)次いで、2位には水泳 (12,030 / 10.5%)、3位 ジョギング・マラソン (10,956 / 9.6%)、4位 登山・ハイキング (10,457 / 9.2%)、5位 サイクリング (10,110 / 8.9%)、6位 つり (9,281 / 8.1%)、7位 ゴルフ (9,240 / 8.1%) と続く。テレビ中継が多く、人気が高いと思われる野球 (8,122 / 7.1%) とサッカー (6,375/5.6%) といった競技は それぞれ 8位と 9位で、10位にスキー・スノーボード (6,043/5.3%) が来るというのが現状だ。このデータから見えるのは、日本において ゴルフは(実は 40年前くらいから)大衆スポーツになっているという事実である。

確かに、ゴルフは相対的にはお金の掛かるスポーツだが、そうなっている理由の一つにはゴルフ利用税のような税制もあるし、昼食やお風呂を提供するゴルフ場の運営方針なども影響していると言える。比較的可処分所得の少ない 30代くらいの人達がゴルフを楽しむことが出来るような税制やゴルフ場の運営が今こそ望まれるのではないだろうか。例えば、午後に 9ホールのゴルフをトワイライトの割引料金でやれれば ゴルフはもっと身近なものになるが、不合理なゴルフ場利用税があれば そうした企画も難しくなってしまうのである。ゴルフ場利用税という形でゴルフが社会貢献できるのは ある意味 望ましいことかも知れないが、今とは違う より合理的な方法を模索すべきではないだろうか。

また、ゴルフへの女性の参加率が男性よりも低いのは洋の東西を問わないようだが、日本の方が女性の参加率はアメリカ女性の参加率より僅かながらだが高い。これは日本の 20代、30代、40代の男性の参加率(それぞれ 13.9%、12.2%、13.3%)が低いことに起因しているとも言える。しかし、アメリカでは 30歳未満の男性の参加率は 5% と極めて低く、逆に、40 〜 69歳までの男性の参加率が 20% 以上という状況が見られることも 日本との違いである。つまり、30代 〜 40代になってゴルフを始める人がアメリカでは多いということだ。日本の若者があまりゴルフをしないと言うことを心配する必要は 実はあまりないのかも知れない。

ご存知のように、2016年大会からゴルフはオリンピック競技になった。まだまだ、ゴルフはアメリカ、イギリス、日本、カナダ、欧州各国、オーストラリアなど、所謂、一部の先進国に そのスポーツ人口が偏る傾向にあるが、韓国、中国、東南アジアの各国など、世界中でゴルフ人口が増加してきた背景を考えれば オリンピック競技になったことは自然な結果だとも言えそうだ。

テレビが普及し そして インターネットが普及し ゴルフがオリンピック競技になった今、イギリスのゴルフ文化、アメリカのゴルフ文化、日本のゴルフ文化などの差は小さくなっていくものと思われるが、そうした中で 世界に誇れる日本のゴルフ文化が何かを改めて考える時が来たと言えないだろうか。30年以上も前の価値観ではなく、現代の日本人の価値観を反映したゴルフ文化への進化を積極的に進めていく必要があるはずだ。

人生を豊かにするスポーツとしてのゴルフのあり方、そして、公平で公正な社会のシステム、ゴルフとゴルファーが社会にすべき貢献はどうあるべきかなど、考えてみるべきことは多い。いすれにしても、グローバル化が進み、ゴルフのイメージが変わろうとする中、より多くの日本人がゴルフと係わりを持って、世界に誇れる日本のゴルフ文化を形成し、その財産を未来に伝承していって欲しいものだ。

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