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ゴルフ場が メガ・ソーラーに

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• はじめに
• 地域社会とゴルフ場の関係
• メガ・ソーラーと地域社会の関係
• ゴルフ場が消えた後には
• 商品リンク(用品、メーカー別)

はじめに


2012年、5月の日本経済新聞に 毛織物大手のニッケが 同社保有のゴルフ場を閉鎖し 大規模太陽光発電所 所謂 メガ・ソーラー事業に参入するという記事が載った。30億円を投じ 15万平方メートルの土地に出力 9.8 Mw のソーラー発電所を建設して 2013年に稼働を開始させる計画である。その後も 全国で同様の計画が次々に出ていて、その美しいゴルフコースの風景が 右下の写真のような ある意味 醜い光景になってしまう理由は 一体 何処にあるのだろうか。当然、近年は ゴルフ場経営が厳しく、メガ・ソーラー畑に転換した方が有利との計算であろうが、そんな経営判断に至る理由と そうした事実の本当の意味について ここでは考えてみたい。

地域社会と ゴルフ場の関係


ゴルフ場の風景
ソーラー発電
ゴルフ場には 多大な税負担が求められてきたが、それには 大きく二つの理由がある。即ち、ゴルフ場の環境問題と担税力である。環境に何も影響のない人間の営みはなく、何かを作れば環境への影響は必ず出る訳で、ご多分に漏れず、ゴルフ場も 環境に対する影響があり、そのマイナス要因だけを取り上げて ゴルフ場を 特別 悪者扱いする人が世間には 残念ながら 大勢居る。自然な里山の風景を守れ、ゴルフ場は 農薬被害を及ぼすな などと主張する人たちである。もちろん、そうした主張を無視して良い理屈はない。しかし、自然の里山の風景より ゴルフ場のある風景により魅力を感じる人や その傍に住みたいと思う人が多数居る現実があり、ゴルフ場で使用される農薬 (4kg/ha) が 農家の使用量 (16kg/ha) に比べ 単位面積当たりでは 1/4 程度と遥かに低い水準だという事実もある。

いずれにしても、バブル期に ゴルフ場開発が地方の税収アップや地域経済の後押しをするからという理由で進められたケースも多々あるようで、その頃とは環境が激変したとは言え、そうした背景を考えれば ゴルフが応分の税負担をするのは当然だ と言う考え方になる人が居るのも ある程度 理解はできる。そして、ゴルフをやる側が そうした現実を どう受け止めるべきかは 議論の余地もあろうが、ゴルフ場は 環境への悪影響が最小限になるような更なる努力をし 社会の一員としてのあり方、社会への貢献などで 大きな役割を果たすことに前向きに取り組んで欲しいという気持ちをお持ちの ゴルファーも少なからず居るだろう。



メガ・ソーラーと地域社会の関係


一方、メガ・ソーラー発電施設の建設はどうだろう。自然エネルギーのプラス面だけに目が向けられがちで、その建設に反対意見を表明する人は少ないようだ。しかし、その社会や環境へのマイナスの影響についても正当なアセスメントがなされるべきなのに、その辺りは蔑ろにされているという観がある。実は、ソーラー・システムは それを作るために必要なエネルギーが それから得られる電気よりも多くなり兼ねないと言われるくらい システム的には 極めて 非効率なものである。(» 参考)従って、そうしたものを作れば、当然、そのコストを 我々が税金や将来の電気料金という形で支払わなければならないものだ。

家の屋根に太陽電池を取り付けて環境保護に貢献していると思っている人が少なからず居ると思うが、もし、その太陽電池は 据えつけてから廃棄されるまで 一生かかっても その太陽電池を作るために使用したエネルギーを作り出せない可能性が高いと知ったら、何を思うのだろう。大部分の人が屋根に取り付けたソーラー発電装置が 環境保全にあまり貢献していないことに気付いていないし(据付後の CO2 排出はゼロでも、それを製造するために排出した CO2 は決して少なくないという意味)そのコストは 自分が支払った工事費だけでは到底賄えないということを深くは考えていないのだから 悲劇である。冒頭で紹介した 30億円を投じる メガ・ソーラーのプロジェクトも それが年間に生み出す電気の市場価値は 2億円程度、そして、それを そこそこ効率の良い方法で作るコストは 1億円程度なのだ。つまり、施設運営コストもあるから 本来は 20 - 30年 無事に稼動して 大きなメンテナンス・コストが掛からなくとも(そうなるとは考え難いが)投資が回収できるかどうかも分からないプロジェクトなのである。



ゴルフ場が消えた後には


さて、前述のように ゴルフ場として土地を利用し事業を営んだ場合は 税金だけでも 年間 数千万円からの貢献をすることになるが、メガ・ソーラーは 市場価格より大幅に高い単価 (¥42/kwh) での売電が保証されるもので、その売上の半分以上を 税金か電気代という形で国民や住民に払わせようとする仕組みだ。因みに、他の発電方法による発電コストは 大体 ¥10-15/kwh 前後で、大雑把に言えば ソーラーによる発電コストの 1/3 程度である。

つまり、ゴルフ場が一つ消えて、10Mw のソーラー発電所が建設されるたびに 数千万円の税収が消え、(電気代上昇を増税と考えれば)投資家の利益確保のために 2億円以上の税負担 が増えると言うことだ。消えて行くゴルフ場一つにつき 10年間で 25億円前後の違いが出るが、結局、それは 国民が 実質 負担しなければならないコストになるのだ。資材調達や据付工事などによる地域経済への貢献というプラス面もあろうが、こうしたプロジェクトにお金をつぎ込む投資家は 設備投資減税やらで 所謂 大きな節税効果も狙っているといった 社会にとっては ある意味 更なるマイナス面もある。そうした状況にも拘らず、プロジェクトに反対する人がほとんど居ないのは ゴルフ場建設の時とは 皮肉にも 間逆のことであり、理解に苦しむ現実である。

お客様各位

閉館のご案内

当倶楽部は平成 25年 3月 31日をもちまして閉館いたすこととなりました。

これまでの皆様の温かいご支持と永年にわたるご愛願に心から感謝申し上げます。皆様の今後ますますのご健勝をお祈り申し上げます。

平成 25年 3月 1日
支配人
いずれにしても、真剣に考えて欲しいのは我々が直面している財政、税制、格差、社会福祉、エネルギー政策、そして、国民一人ひとりの幸せと社会のあるべき姿などを含め、今後、ゴルフに関与する人達が一般社会とどのような関係を維持して行くべきかである。簡単に答えの出る問題ではないが、ゴルフ場が封鎖されることは 雇用喪失であり、地域経済の縮小と増税を意味するものである。そして、地方自治体が財源確保ということで ゴルフ場に(見方によっては不当に高いとも思われる)ゴルフ場利用税や固定資産税を掛け続ければ 益々 メガ・ソーラー畑は増え続けるという現実である。ゴルフ場のある里山の風景すら受け容れ難い人たちにとって そんな里山の風景は どう写るのであろうか。

さて、2016年からはオリンピック種目として競技がなされるようになったゴルフは スポーツとしての存在が広く世界に認められ、今、スポーツ振興の立場からすれば、援助や補助を受けても良いはずのものだが、逆に 贅沢税、遊興税ならぬ ゴルフ場利用税が課されているのはどうしても 腑に落ちないと感じる人は少なくないであろう。しかし、ゴルフを愛するものが こうした事実に対して どう対応すべきか、社会への貢献というようなことも含め、真剣に考える時が来たように思う。

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