(1) プレーの線 後方:まず初めに 覚えておいて欲しいことだが マナーとは「皆が 気持ち良く 時間を過ごすために 考え出された 行儀・作法」であり、ゴルフのマナーは 基本的に 真剣にゴルフを楽しんだり、競技をする上で守るべき 行儀・作法と言うことになる。従って、一緒に ゴルフをする人が誰かとか、どんな折にゴルフをしているのか によって 守るべきマナーは 若干 異なるかも知れないが、ゴルフをするのであれば ルールを尊重して 真剣にゴルフをプレーしようとしている人にとって 大切なマナーが何かを確り学んでおくべきだろう。初心者と呼ばれる内は 周囲の人達も大目に見てくれるだろうが、そうした状況からは なるべく早く卒業して欲しい。さて、一問目の回答に係わる解説だが ゴルフでは プレーの線 即ち ターゲットとボールを結んだ線には ルールとマナーの二つの観点から 特別な意味がある。例えば、これから打とうとしている人のプレーの線の後方 (図の B) 辺りに立つ人を時々見かけるが パートナーやキャディーであれば ルール違反をしていることになるし、関係のない同伴プレーヤーの場合は 著しいエチケット違反を犯していることになる。エチケットの面からは ティーイングエリアに立つのであれば 図の A や C のエリアに立つのが正しいポジションである。加えて、どのポジションに立とうが プレーヤーがアドレスに入ったら 動かないようにすべきなのは 言うまでもない。また、案外エチケット違反をしている人が多いのが スイングのタイミングに出る雑音で、特に 多いのは グローブのベルクロを外す音、そして、クラブのキャディバッグへの出し入れの音などだ。自分は 守っていると思っている人でも 音に関するエチケット違反などは 知らぬ間にしていることもあるので良く注意して欲しい。
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(2) 歩く時:グリーン上では 自分のパットのラインを見るために 様々な角度、方向からグリーンの傾斜や芝目などを観察するために その上を歩き回ることになるが、その時に 他のプレーヤーのラインの上を歩かない と言うことが 絶対 守るべきマナーで 常に そのことに気を配る必要がある。グリーンの状態にもよるが 通常 ラインの上を歩くと その部分が 少し 凹 んでしまうし、ソフトスパイクでも スパイクマークが付くことは 少なくなく ボールが真っ直ぐに転がり難くなるという結果につながる。凹 んだグリーンは 少し待っていると 元に戻るが そんなに待っていたのでは プレーが遅くなるから 待つわけにも行かないものだ。特に、体重の重い人の場合は 凹 む度合いが大きい。一度、人が歩いた時に グリーンがどのように 凹 むかを良く観察して見ると 分かるはずだが、柔らかめのグリーンでは その度合いが かなり大きくなる。また、ソフトスパイクとは言え、スパイクの付いたシューズを履いていれば 歩き方によっては 大きなスパイクマークが付くから グリーン上では そうならないように 配慮して歩くのが マナーである。プレーファーストと言わんばかりにグリーン上で走る人が居るが それでは グリーンを荒らしているようなものだ。足を引きずる癖のある人は 特に 注意する必要があるが、そうした人は スパイクレスのシューズを履くようにした方が良いだろう。
他にも グリーン上のマナーで 配慮して欲しいことには 必要に応じて ピンフラッグ(旗)を抜いたり 遠くからパットする人のために ピンを持つ(ゴルフ用語で アテンドと言う)など、一緒に プレーをしている人に気を配ることも 大切なマナーの一つである。抜いたピンは プレーの邪魔にならない所に 静かに グリーンを傷つけないように置く。グリーンの外に置くことと言う説明を良く目にするが それで原則は 良いと思うが 大きなグリーンの場合は プレーファーストにも配慮し、プレーの邪魔にならない所に グリーン上であっても 静かに置けば良いだろう。大切なことは グリーンに傷を付けないように配慮することと それが邪魔にならないように置くことだが、グリーンの外にピンを置いても 稀に それが目障りに感じるケースは あるから ピンやクラブなどを どこに置くかは そうした発想からも配慮して欲しい。
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(3) 2時間 15分以内:ゴルフは 1 組 4 人の 所謂 フォーサムでのプレーが スリーサムや ツーサムのグループもあるがスタンダードである。そして、前が詰まっていなければ 9 ホールをプレーに要する時間は 普通の状況であれば 2 時間程度、少しトラブルがあった時でも 2時間 15分くらいである。ルールでも プレーの時間には 規制があるのが普通で ハーフ 2時間 15分を超えるくらいのペースになると 競技によって多少異なるが ペナルティーの対象になる可能性が生じるスピードと言える。プレーファーストは そうした意味で ルール上の考慮も必要なものだが、それとは別に 大切なマナーの一つでもある。プレーの遅い人は 周りの人が 最も不愉快に感じる人である可能性が高いと言っても良いだろう。また、自分のグループの人に迷惑をかけるだけでなく、自分たちの後ろの全ての組の人たちに影響を与えてしまう。自分たちの前が 1 ホール以上空いて 後ろの組を待たせたら スロープレーのサインで 全力でキャッチアップする努力をすべきだ。そんな状況が 誰か一人のために繰り返し生まれたとしたら 他の人たちが 不愉快に感じるのは 当然である。初心者でも 大目に見てもらえないのが プレーファーストに係わるマナーだと考えるべきである。
スロープレーにならないためには 人を待たせずにボールが すぐに打てるような準備を怠らないようにし 常に 無駄のないプレーを心掛けること。まずは 人のプレーを待っている時間を有効に使うこと、そして、動作は キビキビと。例えば、他の人がボールを打つ準備をしている時間を使って 自分のボールの近くに移動して ショットの準備をする。人がプレーしているのをカートで座って ただ見ているだけで 自分の打つ番になった時に 自分のボールの方に おもむろに歩いて行くと言うようなことや 素振りにやたら時間をかけたりするのは 好ましいことではない。ゴルフを始めたばかりの時は 打つ回数も多いし プレーファーストの知識も意識も欠如しているから 迷惑をかけ兼ねないが 迅速なプレーに気を配り 無駄を最小限にするような努力をすれば 大きな違いが出るはず。ボールを打つ前の動作とボールを打った後の動作を迅速にし ボールを打つ時には 慌てない 急がないが基本。ボールの前に立ってから これから打つショットのために 予習・復習を長々とするのは 止めた方が良いだろう。ショットのメンタルリハーサル的なことは 待っている間に済ませ なるべく無心な状態で 構えに入ったら速やかにショットが出来るよう心掛けよう。また、ボールがなくならないよう 自分の打ったボールが どこへ行ったかを良く見ておくことは 勿論のこと、他のプレーヤーのボールの行方も 余裕があれば 見ておくなど、ボール探しに時間が掛からないよう助け合うことや 前述もした グリーン上での助け合いも大切なプレーファーストに関連するマナーの一つと言えるだろう。▶ プレーファーストのコツ
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(4) 同伴者へのアドバイス:好ましい雰囲気とペースでプレーをするために 同伴競技者のボールを一緒に捜したり ピンやヤーデージ杭など 距離に係わる情報を伝えてあげたり ある意味 助け合うことは ゴルフでは良くあることだが、競技中に 助け合ったり 場合によっては ただ会話を交わしただけのつもりでいても その行為や会話の内容によっては ルール違反を犯していることもある。それは 競技中のアドバイスに係わるルール(規則 10.2)で 競技者間のある種のアドバイスを禁止しているからである。大雑把に、このルールを知っている人は 少なくないと思うが 競技ゴルフをする人は 特に 当該ルールに違反しないよう 正確に覚えておく必要があるものだ。ルールでは 競技者が (a) 自分のパートナーを 除く そのコース上で その競技に参加している人に (i) プレー上の決断 (ii) クラブの選択 (iii) ストロークの方法に係わるアドバイスを与えること、そして、(b) 自分のキャディー、パートナー、そのキャディー以外の人に 前述の (i) ~ (iii) に係わるアドバイスを求めることを禁止しており、それに違反すれば マッチプレーでは そのホールの負け、また、ストロークプレーでは 2 打罰のペナルティが科される。従って、何がルール違反に該当する「アドバイス」になるかという観点から その定義を間違いなく覚えておく必要がある。
驚く人も多いことと思うが 同伴者に対して オーバースイングをしているとストロークの方法に係わるコメントしたり、オーバースイングをしていますかと質問をするような行為は どちらも アドバイスに係わるルール違反に該当する。コメント癖のある人は 特に 気をつける必要がある。聞かれてもいないのに 人のスイングに係わるコメントをすることは マナー違反であると同時に ルール違反でもある。自分のスイングに係わるコメントをされたり、同伴競技者にスイングに関するアドバイスを求められた時は アドバイスに係わるルールの説明をしてあげると良いだろう。普段のラウンドで仲間とルールで禁止されているアドバイスに該当するような会話をしているような人は そうした行為が癖になっている可能性が高いから 競技プレーでは 特に 注意をする必要がある。
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