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ゴルフのハンデ (handicap) のシステムは
世界中で採用されている。競技などで それぞれレベルの違ったゴルファーの勝つチャンスが出来るだけ同等になるように考えられたシステムだが、それぞれの国で その算出方法などに 多少の 違いがある。
ハンデとはその時その時の能力を前述の趣旨で評価する数字(インデックス)であって、頻繁に変化するのが当然だが、日本では囲碁、将棋、柔道、剣道といった段位制度のように、一度昇段すると落ちないどころか名誉段位までついて、年齢と共に上がる仕組みもあるようだが、それでは まともなハンデとは言えない。日本の場合、公認コースのスコアを年に 5回、または 2年に 10回 提出すれば良いということで 場合によっては 昨年のスコアが現在のハンデのベースになっているとか、全てのスコアカードを提出していない人も多いなどの理由で そうしたことが起きる訳である。そこで、ここでは アメリカ USGA のハンデの正式な算出方法を 紹介する。
USGA のハンデ (handicap) は 直近の 20 ラウンドをベースに(JGA では 10ラウンド)算出し、プレーを した しないに拘らず、2週間に 1回更新される。もちろん、全てのスコアを提出するのが原則だ。右はその USGA のハンディキャップ・カードのコピーである。20ラウンドのスコアが記録されているが、そのスコアは Equitable Stroke Control というルールによって、1ホールごとの最大ストロークを以下の通り調整したもので 実際のスコアより低いものが 幾つか含まれることになる。
つまり、ローハンデの人は、大タタキしたホールがあった場合は、それをこの表の最大ストロークに置き換え、そしてトータルのスコアを計算し直す訳だ。そして、ベスト 10ラウンドのハンデのインデックスを次のように計算し、その平均値を出す。
(Score
- Course Rating) x 113 |
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Slope
Rating |
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ハンデ
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1ホールごとの
最大ストローク |
9
以下 |
ダブルボギー |
10 - 19
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7 |
20 - 29
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8 |
30
- 39 |
9 |
40
- 49 |
10 |
50
以上 |
11 |
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因みに、10 ラウンドしかしていない場合は、ベスト 3 ラウンドのスコアで計算することになっており、日本の 10 ラウンドで 5 ラウンドという計算方式とは異なる。
そうして計算されたものが、そのゴルファーのハンデの (USGA) インデックスになる。上の例で見ると、73, 76, 75, 75, 76, 74, 73, 71, 74, 72 というスコアが取られ、それぞれのスコアから算出されるインデックスには、そのコースのコース・レイティングとスロープの数字が計算式に従って使われる。 さらに、公式のトーナメントに参加している場合は その年のトーナメントのベストスコア 2つがハンデ計算の対象になり、最終調整がなされる。この例では、トーナメントの 75 (2.1)、75 (2.1) というスコアが選ばれているが、過去 1年間のトーナメントの中から低いスコア 2 ラウンドのスコアが選ばれるので、カードには明記されていないスコアが ハンデの計算に使われることもある。 » コース・レイティングとスロープに関する詳細
一方、それぞれのコースのハンデは、逆にインデックスからコース・レートとスロープを使って計算すれば、算出できる。難しいコースであれば、インデックスが 3.0 の人でも、そのコースでプレーする時のハンデは 4 というようなこともあるし、逆に、易しいコースであれば 2 ということもある。ハンデを使ったトーナメントでは、このインデックスによって出場者全員のそのコースでのハンデを計算し、それに基づいて競技が行われなければ、公正なハンデ競技とは言えない。(一般のコンペでは、実施が困難な状況だが...)なお、トーナメントのスコアが普段のスコアに比べて、著しく低い場合などは、そのゴルファーのハンデの見直しがなされることもある。
他方、日本の場合は スロープのような概念を導入しておらず (Score - Course Rating) x 0.96 という数式で インデックスを計算することになっているから、どのコースも スロープが 117.7 相当で計算しているのと同じことになると言える。ただし、日本の Equitable
Stroke Control の仕方は 以下の通り USGA のシステムとは異なり、より多くのストロークの調整がなされるもので、例えば、ハンデ 3 の人のスコアの調整は、ハンディキャップ 1 - 3 までの 3 ホールで 最大ストロークが ダブルボギーになるが、それ以外のホールではボギーにまでスコアが調整される システムである。
ハンデ
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最大ストローク |
0.4 以下
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1オーバー・パー |
0.5 - 18.4
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そのプレーヤーの左記数値を小数点以下第 1位を四捨五入した数値と同数までは 2オーバー・パーを限度とする。残りは、1オーバー・パーを限度とする。(ハンデ 3 の人は 3ホールを除いてはすべて 1オーバー・パーにするということ。) |
18.5 - 36.4 |
そのプレーヤーの左記数値を小数点以下第 1位を四捨五入した数値から 18を引いた数と同数までは、3オーバー・パーを限度とする。残りは、2オーバー・パーを限度とする。 |
36.5 - 50.0 |
そのプレーヤーの左記数値を小数点以下第 1位を四捨五入した数値から 36を引いた数と同数までは、4オーバー・パーを限度とする。残りは、3オーバー・パーを限度とする。 |
こうして見るとストローク・コントロールで取れる最大ストローク数の小さい JGA のシステムに比べ USGAのシステムの方が ハンデが高くなるようにも思えるが、トータルで考えれば(例えば、10 ラウンドの内、ベスト 5 ラウンドを取るとか)一概にはそうとも言えない面があるとも言えよう。 » JGA のハンデ計算方法
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