(1) 無罰:規則 19 アンプレヤブルの球 (Ball Unplayable) が定める救済は (2) の回答の解説に説明されている三通りの選択肢が 一打罰の下に与えられているが、クイズ (1) では コンクリートブロックという人工物による障害をボールが受けている訳だから 動かせない障害物による救済を受けられる状態である。従って、規則 16 の異常なコース状態(動かせない障害物を含む)の救済の規定に従って 救済の二アレストポイントから 1 クラブレングス内のホールに近付かないエリアにボールをドロップして 無罰でプレー出来ることになる。ただし、それが自然界に存在する大きな石や木の根などであれば アンプレヤブルの球の救済となり 一打罰のペナルティが科される。
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(2) ボールとホールを結ぶ線の後方線上のベストな所:アンプレヤブルの球の救済には ① ボールから 2 クラブレングス内のホールに近づかない所 ② ピンとボールがあった箇所を結んだ後方線上 ③ 初めのボールを最後にプレーした所からの打ち直し と言う三通りの選択肢がある。その救済の選択肢を図解したものが 右図である。アンプレヤブルの救済は 通常 ピンに近づかないように 2 クラブレングス内にドロップ出来ると覚えている人が多いと思うが 実は このように 三通りの選択肢が与えられている。ただし、図からもわかるように、通常は ① より ②、② より ③ の方がピンまでの距離は 長くなるので ① の選択肢でライが良く ターゲットを狙い易い所にボールがドロップ出来る場合は ① を選択するのが一般的である。なお、通常 ③ は 最後に考えるべきオプションだが OB の場合と同じ扱いで 1 打罰で元の場所に戻って打つ選択肢もある。ティーショットのボールで この救済を受ける場合は リティーをしてプレーすることが出来るが ショートホールでは その選択肢が 最も有利な救済措置となる場合も少なからずある。一方、救済を受ける時のボールのドロップの仕方に係わる規則が 2019年からの新ルールでは 大きく変更されたので その点に関しても新しいルールを確り覚える必要がある。詳細は 球のドロップのルールに係わるクイズ の解説を参照して欲しいが、主な変更点は ボールドロップの高さが肩からヒザへ、また、救済エリア (relief area) の概念が導入されることである。 |
(3) アンプレヤブルの救済宣言:それを怠ってボールを木から落とせば ボールを動かしてしまったことによる 1 打罰のペナルティが科されるので まず最初にすべきことは アンプレヤブルの救済宣言である。なお、ボールを落とす前に自分のボールだと確認できていない状態でボールを木から落とし 仮に それが自分のボールでなくとも ペナルティは 科されないので それを行う前にわざわざ自分のボールであることを確認する必要はない。自分のボールであれば そのボールがあった場所を基点に救済を受けると言う意思表示をする訳だ。また、自分のボールであることが 自分がマジックなどで付けた識別マークなどではっきり確認できる場合は ボールを木の下に落とさなくとも そのボールの真下の地点を基点に アンプレヤブルの球の救済を受けることが出来る。ただし、前述のようなレベルで 自分のボールであると確認できないボールを自分のボールの可能性が高いと言う理由で同様の救済を受けることは出来ない。らしきボールが見えても 確認が出来なければ ロストボールになる。
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(4) バンカー外の救済も可能に:バンカーの淵にボールが突き刺さって埋まってしまうケースなどには アンプレヤブルの救済を受けるのが 通常 ベストな選択肢になるが、バンカー内の 2 クラブレングス内のエリアか、後方線上のどこかにボールをドロップする選択肢以外には ストロークと距離の処置に従って 前のショットを打ち直す以外の選択肢はなかった。しかし、新ルールでは 更に 1 打罰を追加して バンカー外の後方線上の救済が受けられるようになった。脱出できないと思われるポットバンカーで救済を受ける時には 有力な選択肢になるだろう。なお、アンプレヤブルに係わるルールではないが、例外として、バンカー内が全て水で一杯な時は そのバンカー全てが異常なコース状態になるので 旧ルールでもボールとピンを結んだ後方線上のバンカーの外にボールを(ただし、無罰ではなく、1 打罰の下に)ドロップすることが許された。ただし、単なるアンプレヤブルで さらに 1打罰(計 2打罰)で バンカーの近くのバンカー外に球をドロップするといった選択肢はなかった。
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