(1) 二打罰:ルールに定めるバンカーでない砂地は ウェストバンカー (waste bunker) と呼ばれ、そうした所では ソールをしたり、練習スイングで クラブが砂に触れるなどのバンカー内の禁止行為が適用されないので クイズの答えは「バンカーの種類次第」が 正解とも言えるが、ウェストバンカーは ルールブックに定めるバンカーではないので ここでは 二打罰(一般の罰)を正解としたい。ところで、バンカー内の禁止行為の中には ルースインペディメントを取り除くこと、更には それに手やクラブで触れることが旧ルールでは 含まれていたが 新ルールでは それが禁止行為から除外された。つまり、新ルールの下では バンカー内のボールの傍にある 小石や 小枝、枯れ葉などを取り除くことが出来る。
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(2) ジェネラルエリア (general area):ジェネラルエリアとは プレー中のホールのティーイングエリア、パッティンググリーン 及び コース内のペナルティーエリア (旧称 ウォーターハザード) とバンカーを除いた コース内のすべての場所である と定義されている。つまり、旧ルールのスルーザグリーンのことである。新ルールの下で ゴルフコースは それぞれ異なるルールが適用される 以下の 5つのエリアに分類される。即ち、i) ティーイングエリア (teeing area)、ii) ペナルティーエリア (penalty area) 、iii) バンカー (bunker)、iv) パッティンググリーン (putting green)、v) ジェネラルエリアの 5 エリアである。他にも、呼称が変わり新しい言葉に変わったものに 異常なコース状態 (旧称 異常なグラウンド状態) 、テンポラリーウォーター (旧称 カジュアルウォーター) 、レッドペナルティーエリア (旧称 ラテラルウォーターハザード) などといった新ゴルフ用語が誕生している。
なお、バンカー内の球のプレーに対しては 後述する 禁止行為が定められているが、どのような状況にある球がバンカー内の球となるのかについて正しい知識を身につけておくことが大切である。第一に、バンカーの縁の内側の地面の砂に球の一部でも触れていれば バンカー内の球と定義されていること、そして、球が図のように砂ではない壁に突き刺さっている場合や球がバンカーの縁の内側にある土、草、その他の生長または付着している自然物の上にあるが、砂には触れていない場合、その球はバンカー外の球になることも覚えておいて欲しい。
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(3) 無罰:原則、バンカー内では a. そのハザードや 他の同じようなハザードの状態をテストすること、b. そのハザード内の地面に 自分の手やクラブで触れること (ソールすることを含む) が禁止されている。旧ルールでは c. そのハザード内のルースインペディメントに触れたり それを動かすことも禁止されていた。しかし、(1) の解説でも述べたように c. は 2019年以降 禁止行為から除外された。一方、当該禁止行為には 例外規定が設けられており その中には バンカー内に持ち込んで使用しないクラブを下に置くことが含まれている。プレーファーストに役立つ知識なので 覚えておいて欲しい。他の知っておくべき例外規定には プレーヤーが転んだり、転びそうなのを防ごうとした時や 規則に基づいて障害物を取り除いたり、距離を測ったり、球の位置をマークしたり、回収したり、拾い上げたり、リプレースやプレースをしている時に バンカー内の地面に触れること、加えて、ボールの捜索したり確認したりするために 砂に触れたり、砂を動かすことなどがある。さらに、単に コースを保護する目的で 且つ 次のストロークに関して ライやスタンスの改善をしないことを条件として プレーヤーは 何時でも バンカー内の砂や土を均すことができる といった例外規定もある。また、バンカー内のプレーに係わる知識として覚えておいて欲しいことに 自分が打ったボールが戻ってきて 自分に当たった場合、旧ルールでは ペナルティーが科されたが 新ルールでは 無罰になったという変更がある。つまり、バンカーから打ったボールが自分の方に戻ってきた時に逃げる必要はなくなったのである。逃げた場合は、自分の作った深いフットプリントにボールが入ることもある訳だから、そんな場合は 逃げずにいた方が良いだろう。 |
(4) バンカー外の二アレストポイントから無罰の救済:バンカー内の水溜りの中にあるボールは 異常なコース状態の救済(規則 16-1c)規定に従って 無罰の救済を受けられるが 完全な救済 (救済を受ける理由になったものの影響が完全になくなる形の救済という意味のゴルフ用語) を受けることが基本で まずは テンポラリーウォーター (旧称 カジュアルウォーター) の境界線を想定し 救済のニヤレストポイントを決めることが 通常は ファーストステップで そのポイントを基点に球のドロップを行う必要がある。一方、バンカーが水で一杯な時などは 完全な救済を受けられないばかりか、そのバンカー内のホールに近付かない所で プレー可能な場所がないこともある。他方、バンカー内のボールに対する救済を受ける時は 原則 そのバンカー内に ボールをドロップしなければならない とも定められているから 公正性を担保するために 例外規定が設けられている。つまり、まずは バンカー内で 完全な救済が受けられない場合は その状態から最大限の救済を受けられ、ホールに近づかずに、しかも、ボールのあった場所に出来るだけ近い バンカー内にボールをドロップすることが出来る とルールは定めている。しかし、最悪な場合は そのバンカー内では 如何なる救済も物理的に受けられない事態が生じることもある。そうした場合は ルールの公正性に疑問を持つ人も多いと思うが 通常は 1打罰の下に ホールとボールのあった箇所とを結んだ後方線上で そのバンカーの外に球をドロップしてプレーすることになる。その場合は バンカー後方であれば いくら離れても距離に制限はないが 元の場所に戻って打ち直す ストロークアンドディスタンスの選択肢より 普通は 有利な条件となるので その選択肢でプレーを続行するのが 一般的だ。なお、バンカー内のアンプレヤブルの球に関する旧ルールでは ボールがバンカー内にある場合は アンプレヤブルを宣言してもストロークと距離に基づく処置を取らない限り そのバンカー内にボールをドロップしなければならないと定めていたが、新ルールでは さらに 1打罰を加えれば ホールとボールのあった箇所とを結んだ線上で そのバンカーの外に そのボールをドロップしてプレーすることが出来るようになった。 |
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