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ゴルフのキャリブレーション

自分のゴルフクラブの飛距離について理解を深めることは ゴルフの上達という観点からは極めて重要なことである。例えば、池越えのホールのショットで 池の反対岸までが 100ヤード、グリーンまで 110ヤード、ピンまで 120ヤードという状況で 貴方は何を考え、どんなショットをするだろうか。ピッチングウェッジで フルショット、それとも、9番アイアンで 軽くスイング? いずれにしても、必要なことは それぞれのクラブで どんな打ち方をしたら ボールが どれだけ キャリーで飛ぶかというデータが まずは 必要になる。

ところで、キャリブレーション (calibration) とは 速度計や重量計など、測定機器の精度を確認し、それを 正しく使用するために必要な調整をする という意味で良く使われる言葉だが、一般的には 新たに購入した機器を使用する前に行ったり、定期的に 機器の精度を確認し、調整する目的で行われるものだ。そして、ゴルフクラブを上手に使用するためにも 同様に キャリブレーションを 必要に応じて 行なう必要がある。自分の飛距離を良く確認してみたら、自分の思っていたものとは かなり違っていたということは 良くある話だ。新しいゴルフクラブを買った時には 必ず 行って欲しいものだが、スイング(打ち方)は 知らぬ間にも変わるものだし、年齢と共に体力が落ちるということもあるから、定期的に行うことをオススメしたい。

そこで、まず 始めにすることは フルスイングで 芯を食ったショットが どれだけキャリーで飛ぶか というデータの整理だ。例えば、以下のようなようなものである。理解を深めるために 自分のクラブのスペックも 出来れば 一緒にデータを整理しておくと良いだろう。

番手 4 5 6 7 8 9 PW AW SW
シャフト 38.5" 38.0" 37.5" 37.0" 36.5" 36.0" 35.5" 35.5" 35.5"
ロフト 23° 26° 30° 34° 38° 42° 46° 52° 56°
距離 (ヤード) 190 180 170 160 150 140 125 110 85

つまり、このライトグリーンとライトブルーのコラムに自分のデータを入れ、表を完成させるイメージである。昨今は、ロングアイアンは 持たない人も多いと思うが、そんな人は フェアウェイウッドやユーティリティを入れて 表を完成させれば良いだろう。メーカーやモデルによって、同じ 番手のクラブでも スペックは かなり違うので、そうした意味でも、このプロセスで自分のクラブとスイングに対する理解を深めることは 有用なことだ。

次に、こうしたクラブのキャリブレーションを終えたら、もう一つやっておいて欲しいことがある。それは、さらに詳しい 自分の飛距離に関するデータを チェックし、まとめておくことだ。具体的には 打ち方を変えると この飛距離が どうなるのかを より正確に把握することで、打ち方(スイング)のキャリブレーションとも言えるものである。

意識する しないに係わらず ラウンド中には 少し抑え気味に打つとか、軽めに打つなどといったことで飛距離を調整するのが一般的であるが クラブを短く持って or スイングを小さくしたらどのような結果になるのかというデータを マネジメントツールとして使えるようにデータ化するのである。基本的には 自分が使うことの出来る飛距離調整のテクニックをチェックし 以下のようなイメージで整理しておくことだ。

使用テクニック 飛距離(減) 特徴
クラブを短く持つ 微調整(5センチで 5ヤード前後) 最もシンプルな方法
フェース面を開く 5 〜 10 ヤードの調整 方向性に多少難あり
スイングを小さく 3/4 のスイングで 10 〜 15 ヤード 正確な管理に難あり

この時に大切なことが ベンチマーク(基点/基準点)の概念である。例えば、グリップを 5 センチ短く持つと 5ヤード短くなるとすれば(個人差があるので その点は要注意)2 〜 3 ヤード短く打ちたければ、2 〜 3 センチ短つという発想でプレーすれば良い訳で、この 5 センチ、5 ヤードというデータがベンチマークである。バックスイングを 9時(左腕が地面と平行になるところ)に抑えて 10 〜 15 ヤード短くなることが良く分かっていれば、それも ベンチマークになるはずで、20 ヤード短く打ちたければ、クラブを 5センチ短く持って 9時 のショットをすれば良い といった具合に マネジメントが出来ることになる。

このように、飛距離調整の二つのテクニックを組み合わせて使用することも出来るから そんな発想でデータを整理しておくことも考えよう。練習場で そうしたことも含め テクニックごとの飛距離のデータをチェックし、確り自分のデータを纏めてみよう。ただし、練習場のボールは 市販の公認球より飛ばないのが普通だから(一般的には 10ヤード前後)そうしたことを 考慮して データは 整理しよう。理想的には、公認球で(冬の寒い日などは避け)無風の時にチェックする機会を作ることだが、実際のラウンド時に キャリブレーションのデータとして利用できるデータを記録しておき、練習場のデータと組み合わせて、自分の飛距離のデータを 常時 アップツーデートなものに キャリブレートしておくのが理想である。

最後に、もう一つ研究して欲しいことがある。それは、自分のミスショットの傾向や確率について理解を深め、使えるデータとして整理しておくことである。どんな時に、どんなミスをする傾向があり、その確率はどうか、というデータである。確率については 正確なデータ化が難しいかも知れないが 高・中・低 の三段階程度でのデータでも良いだろう。

例えば、池越えの時に大きめのクラブを持つ人は 少なくないと思うが 大きなクラブほどミス(特に、芯を外す)ショットの確率が高くなることが良く分かっていれば そうしたクラブの選択はしなくなる。池越えで大きなクラブを持つということは グリーンオーバーになる可能性を高くしているだけでなく、池に入れる確率が高いショットの選択をしているということに気付くからである。また、左が OB なら、一番引っ掛け難い打ち方(例えば、フェースを少し開き気味にして フルスイング)をしようといった より賢い ベテラン ゴルファー的なマネジメントが出来るようになるはずだ。

フルスイングが最も再現性が高く、ミスも出難いという考え方を持って居る人が多いと思うが、必ずしもそうとは言えないのである。80ヤードを サンドウェッジのフルショットで 何時も打っている人は それを アプローチ ウェッジや ピッチング ウェッジで打つとどうなるのか と言ったようなことを 今まで述べてきたキャリブレーションの一環として検証し、その検証結果を今後のラウンドには 勿論のこと、練習の仕方を工夫する上にも 役立てて欲しいのだ。飛距離の精度を高めることは 多くのアマチュア ゴルファーが考えている以上に大切なことである。これを機会に、是非、色々な研究をして下さい。

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