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コックを抑えて打つ ウェッジショット

チップショットでは コックを抑えて(体の回転をエンジンに)打つテクニックが 一般的に良く用いられる。より大きな筋肉に仕事をさせるから 安定性や再現性が高くなるというメリットがある。ボールに対するクラブヘッドの入射角はよりフラットになり 多少 払い打ちになるが、ダウンスイングで(ハンド・ファーストの形になる)レート・ヒットが上手く出来ない人には 特に オススメのテクニックである。

一方、それよりも少し距離のあるピッチショットや距離の短いウェッジショット、即ち、20 - 60ヤード位のショットでは、スイングの大きさを 小さく抑えて、ハーフ・スイング以下のバックスイングで コックのことは意識せずに(結果的に、コックが自然に入る形で)腕の振り幅の大小によって距離をコントロールする打ち方が最も一般的なものである。しかし、そうしたショットでも コックを抑えて打つテクニックは有効で、以下は その解説である。

さて、ウェッジ・ショットのページ(» 詳細)でも説明しているように 短い距離のショットのコントロールは バック・スイング(腕の振り)の大きさを 時計の針のイメージを使って調整し、8時のショットとか 9時のショットなどとし、サンド・ウェッジで 8時のショットをすれば キャリーで 40 ヤード、9時であれば 60 ヤードなど と管理するのが最も一般的な方法だ。ただ、コックの利かせ方、体の使い方、スイング・テンポ、力の入れ具合が異なれば、同じ 8時のショットでも 距離は変わるので、実は、そうしたポイントまで コントロールしなければ 距離の精度は甘くなってしまう。

コントロールド・ウェッジ・ショット右のイラストのように腕が x°上がった状態が意図する距離を出すためのトップのポジションだとした時に クラブヘッドの位置は A で、コックは y°という形になるのが普通で、このように(意識する しないに拘らず)クラブヘッドが A まで行き、y°の値が 90°前後であれば 違和感なく ダウンスイングに入れるだろう。しかし、距離の短い、小さなバック・スイングのショットでは B のようになり易く、その場合は 通常 以下のような問題が生じる。

(1) さらに腕を振り、クラブヘッドを上げようとするか?
(2) ダウンスイングで力が入り、テンポが速くなる?

(1) の問題は、腕が意図した高さに上げられた時に イメージどおりに コックが入っていないので バックスイングを止める訳には行かず、最初に意図したイメージより 大きなバックスイングをしたり、左腕の肘を曲げて クラブヘッドを持ち上げようとするので、そうなると 直感的に、また、連鎖的に ダウンスイングで調整(加減)することになり、結果として ショットの安定性や再現性は低くなる。

また、(2) の問題は 意図したとおりに コックが入っていない状態から 打ちたい距離を飛ばそうとする訳だから ダウンスイングで力んだり テンポが速くなったりして やはり ショットの安定性や再現性は低くなる。

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そこで、腕の振り幅だけでなく、同時に、コックも定量的にコントロールする必要性が出てくる訳だが、その時に コックを極力抑えるスタイルが(中途半端にコックを入れる方法より)魅力的な選択肢になる。それは、コックの入れ方を 100% か 0% にするのが 最もシンプルで管理し易いからという発想によるものだ。一方、100% で管理する方法は(コックを早目に入れるなどの工夫で対応可能ではあるが)上述 (1) の問題が生じ易くなる。他方、0% の方法は (2) の問題が起きる可能性があると考えるかも知れないが、最初から 0% で打つつもりでいれば そうなる可能性は非常に低くなり、再現性の高い打ち方になり得るものである。

ただし、コックを 0% にすると言っても、アドレスでハンド・ダウンに構えれば、構えた状態でコックが既に入っている訳だから、その状態から コックを入れる動作をしなくとも 腕を上げれば コックは(抑えられるが)応分に入ることになる。つまり、アドレスの形を どうすれば良いのかは十分研究する必要がある。ハンド・アップの構えで 腕とシャフトが一直線になるようなアドレスから コックを入れなければ 本当の意味で ノー・コックのショットになるが、そうでない限り、コックは入るという理屈だ。ここで言う コック 0% のショットとは アドレスから トップまでの間にコックの量を変えないようにするという意味である。

もちろん、人によって コックを抑える打ち方はやり難いと感じるだろうが、そうでなければ、コックを抑えて打つスタイルを レパートリーに入れるべく 研究する価値があるはずだ。このスタイルは、コックを入れる打ち方に比べ、距離が出ないし、弾道が低くなるという特徴があるが、実は それがメリットになる。それは (1) 距離も ラインも コントロールし易いこと、(2) 多少ダフったり、トップ気味になったりしても 大きなミス・ショットになり難いこと、(3) ある程度腕を振ってもボールが飛び過ぎることがないことだ。飛距離を抑える(バック・スイングが非常に小さくなる)短い距離のショットのコントロールに難しさを感じている人には (3) のメリットは魅力的なもののはずだ。

いずれにしても、コックを抑えてボールを打つスタイルでは、(a) アドレス、(b) スイングの基本、(c) 力の抜き方、などに注意を払って、そのテクニックを研究すべきである。

(a) に関しては、左足(前足)体重で構え、スタンスは狭めにしてボールを右足寄りに置くこと。そして、クラブを(ウィーク・グリップで)少し短めに持って、手の位置は両腕を真下に下ろして中央で合わせた時の位置より幾分ハンド・ファーストにセットするのが望ましいだろう。

(b) については、アドレス後のコックを 0% にする意識で体の回転に合わせて腕を縦に振ることだが、飛ばしたい距離に適したスイングの大きさを知ること、そして、そのスイングの大きさのコントロールが自由自在に出来るようにしたい。また、体重移動はミニマムで良いが、下半身の動きはミニマムにするのではなく、体全体の動きにシンクロさせて動かすことが望ましい。下半身と上半身は同じレート、リズムで動かすことである。

(c) コックを抑えようとする意識が強いと力が入るのが常で、その点は(慣れるまでは 特に)意識して力を抜くように配慮する必要があろう。手や腕、また、体の力を適度に抜いてクラブを落とすことはどんなショットにも必要な基本だ。

以上が コックを抑えて打つ ウェッジショットに係わる解説だが、このショットは(使用するクラブによって)どんな軌道のボールが出て、グリーンに落ちてから、どのようにボールが転がるか ということも良く理解した上で使うことが大切。打ち方もさることながら、サンド・ウェッジとピッチング・ウェッジでは ボールの弾道や転がり方も大きく異なるはずだ。距離を コントロールする方法は 多くの人が考えている以上に 色々なバリエーションがあるが、それ故に なるべく シンプルな方法を使うことが成功の秘訣だとも言える。つまり、そうしたことも配慮しながら、自分のレパートリーに こうしたショットを加えるか否かは検討して欲しいのだが、30 - 50ヤード位のショットに自信のない人には 是非 研究して欲しいテクニックの一つである。

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