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50ヤード以下のウェッジショット

Introduction
50ヤード以下の距離のショット、つまり、ウェッジで スイングの大きさを 調整して 打つ コントロールド・ウェッジ・ショット (Controlled Wedge Shot) は 簡単そうに見えて 結構 難しい。ピンの近くに来てから打つ訳だから 本来は 1パット圏内に寄せたいショットである。小さな スイングで 軽く打つショットだが フル・スイングを ただ少し小さくした打ち方をしても 成功しない可能性が 高いもので、様々な工夫をして 精度を上げる努力をする必要があるものだ。

フィーリング vs システム

例えば、サンド・ウェッジで フル・スイングをした時の飛距離が 80ヤードの人は そのスイングを少しコンパクトに 軽く振ってやれば、その距離を 10% - 20%、つまり、70ヤードとか 65ヤードまでであれば 比較的 容易に フィーリングに頼る方法でも 調整することが出来るだろう。シンプルで 実戦的な距離コントロール法だから ある意味 オススメである。

しかし、そうした フィーリングに頼るアバウトな方法で、その飛距離を 40% とか 50% 以上 カットして、50ヤード以下に、しかも、正確に コントロールするのは 簡単なことではない。勘に頼って、同じような発想でショットをしている人も居ようが、レベルアップを望むのであれば、よりシステマチックな距離コントロール法を学ぶべきである。ハイ・ハンデの人は 距離の正確さよりも 間違いなく グリーンに乗せることだけを考えてショットをすれば良いが、シングルを目指して ゴルフをしているような人は そうした距離コントロールのシステムに係わる知識とテクニックを 確り 身に付ける必要がある。

時計の針のコントロール法

時計の針のイメージで7章の ウェッジ・ショットのページ(» 詳細)でも説明しているように ウェッジ・ショットの距離のコントロールは バック・スイング(腕の振り)の大きさを 時計の針のイメージを使って調整し、8時のショットとか 9時のショットなどとし、サンド・ウェッジで 8時のショットをすれば キャリーで 40 ヤード、9時であれば 60 ヤード、10時であれば 70ヤードなど というシステムで管理するのが最も一般的な方法だ。そして、この方法は ハイ・ハンデの人にも その概念を頭に入れて 練習して欲しい 極めて 基本的なものである。

しかし、9時のスイング以下の距離のないショット、特に、8時のようなスイングは フル・スイングとは大きく異なるショットで、ただ時計の針をイメージするシステムを使って ショットを コントロールするだけでは ミス・ショットの頻度も高くなるだろう。そんな距離のショットは フィネス・ショット (Finess Shot) などとも呼ばれるが、その特異性について知り、どんな点に気を付けて ショットをすれば良いのかを少し掘り下げて学ぶことが望まれるものだ。このショットをマスターしていなければ バック・スイングを小さくすると クラブをゆっくり振ることが上手く出来ずに ミス・ショットをする可能性は高くなるだろう。

フィネス・ショットの管理アイテム

あまり複雑にショットを管理しても 体がスムースに動かなければ 逆効果になり兼ねないが、フィネス・ショットで 注意すべき点は 以下の三点である。まずは、現在の自分の打ち方と比較して違うところが何かについて考えて欲しい。

 (1) 手首のコックを抑えること
 (2) 腰と肩を同じように回転させる(捻転をしない)こと
 (3) ダウン・スイング以降は(右利きは)左サイドで リードすること

違う点があれば、その点を変えてスイングした時に どのような結果になるのかを練習場でチェックして欲しい。そして、変えるべき点があると感じれば、その点を変更してみよう。ただし、ショットをする前にあれこれと考えてからスイングをするようでは 前述のように 実戦では 逆効果にもなり兼ねないので、変更は なるべく シンプルに、そして、実戦向けなものにすべきであろう。

手首のコックの入れ方

コントロールド・ウェッジ・ショットまずは 右のイラストを見て欲しい。腕が x°上がった状態を トップのポジションとした時に 何も意識をしなければ コックは y°になり、クラブヘッドは A のような形になるのが一般的である。このように、バック・スイングが終わる所で フルに コックを入れる人が多いが、このコックを抑えめにして クラブヘッドが B で止まるように スイングする打ち方をマスターすることで、ウェッジのコントロールド・ショットは その再現性と安定性が大幅にアップする可能性が高い。

多くの人は 腕の振りを小さくしようとすると コックを直ぐに入れる傾向があるが、クラブを低く引けば コックを抑えることが出来る。右肩を引くように 体を回転させながら バック・スイングを始動させ、少し腕をロール(プロネート)させるイメージで クラブを引けば、クラブ・フェースを スクウェアに キープしつつも クラブヘッドを 望ましいスイング・プレーンに乗せることが出来る。

フィネス・ショットの安定性や再現性を上げるには ヘッドスピードを 確り コントロール出来るようにすることだ。 y° が 概ね 90° だとすると 120° 前後のスイングを試して欲しい。x - y の組み合わせを ショットの再現性と安定性を高めるという観点から 色々と工夫する訳だが、同時に、体の回転も 腕の振りとのバランスが良くなるように コントロールする必要がある。

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腕の振りと体の回転のバランス

フル・スイング同様、フィネス・ショットでも体の回転が 腕の動きをリードするようにすべきだが、バランスを崩さないように 体をゆっくり 回転させるには コツがいる。体をゆっくり回すためには 捻転をしないことで、そのためには 頭が左右に動かない範囲で 上手く フットワークを使って 腰と肩を同じ程度(角度)回転させることだ。

飛ばす必要のある距離に対して必要な腕の振り方を決めることだと 前述の時計の針のコントロール法で説明したが、腕の振りを 体が リードするという前提で、体の回転と腕を振る力の合算でヘッドスピードが決まることを忘れてはならない。つまり、8時のスイングに対しては、それに合った 8時の体の回転があり、体をスムースに バランス良く 回転させるためには それ相応のフットワークも必要と言うことだ。下半身の動きを抑え、安定性を高めるという考え方で フットワークを殆どしないような打ち方は オススメ出来ない。

ボールをクリーンに芯でとらえて打つことが重要だから、体が 左右にラテラルに また 上下にも大きく動かないようにすることは大切で、そうした観点から、体を スムースに バランス良く 回転させるためのフットワークがどんなものになるべきかを考えて欲しい。短い距離のショットでも フィニッシュは ターゲットに対して 極力 正対できるような フットワークと体の回転が望まれる。

フィニッシュの取り方ある程度 距離のあるショットでは 比較的 高く 大き目なフィニッシュになっても構わないが、距離を抑える時は フィニッシュを バック・スイングの大きさと同程度に 低く 小さくすれば バランスが取り易くなる。つまり、8時から 4時、または、7時から 5時のバック・スイングと フィニッシュ と言った具合である。同じバック・スイングでも フィニッシュを低くすれば 低い軌道のボールが出るが、その方が 距離も ラインも 合わせ易いというメリットもある。

より明確で具体的なイメージ作り

以上、20ヤードから 50ヤードのキャリーのショットを 10ヤード刻みに サンド・ウェッジで 正確に コントロールして打ち分けることが出来るようになれば 大きな武器になるだろう。なお、それに ロブ・ウェッジや ピッチング・ウェッジを加えてバリエーションを増やしても良いが、そうなると組み合わせが もの凄い数になるから、逆に、距離のコントロールが混乱する可能性もあるので、ある程度 打ち方とクラブの種類は絞った方が得策であろう。

なお、ショットの前に 時計の針のような大雑把なイメージではなく、トップでの (1) 肩、(2) 腕と手、(3) クラブヘッドの位置(コックの大きさに左右される)をイメージし、さらに、(4) フィニッシュの高さ、(5) 打ったボールの弾道と落ちる場所をセットでイメージし、ショットに臨むようになれれば、距離のコントロールが上手く出来る確率は 一段と高まるはずだ。どんな場合も このように より明確で 具体的なイメージを作ってから ショットに望むことが望まれる。

また、こうしたショットは どんな軌道のボールが出て、グリーンに落ちてから、どのようにボールが転がるかということを良く観察して 理解することも大切である。コントロールド・ウェッジ・ショットは 度々打つ必要があるものだから、十分な練習時間を取って、マスターして欲しいものだが、距離をコントロールする方法は 多くの人が考えている以上に 色々なバリエーションがある。そのテクニックの習得と共に 柔軟なイマジネーションが駆使できるようになれば 鬼に金棒と言えよう。

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