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新 JGA ハンディキャップ規定

Introduction
ゴルフのハンディキャップ (handicap)、俗称、ハンデのシステムは 世界中で採用されており、日本でも JGA(日本ゴルフ協会)が その規定を定め、正しい運用の普及に努めている。勿論、日本では JGA の規定に基づいて査定されたハンディキャップが 唯一のオフィシャル(公式)ハンデとなる。

新旧システムの比較

その公式ハンデのシステムが 2014年 1月 1日から 米国ゴルフ協会 (USGA) のシステムに準拠し、変更された。その変更のポイントは 以下の通りである。

“新ハンディキャップ・システム”

ハンデは プレーをした様々なコースの難易度と そのスコアの関係から、ゴルファーの技量、正確には 良いスコアを出す能力を 定量的に示すことを狙ったもので 様々な レベルのゴルファーが参加する競技で 全ての参加者に 勝つチャンスを出来るだけ同等に与えられるよう考案されたシステムである。新システムへの変更は その目的に より則したものにするための行われた訳だ。

スロープとは

通常、上手な人にとって難しいコースは 初心者にも 平均的なゴルファーにも難しいコースになる訳だから これをもってコースの難易度を示せば十分と言う考え方であった。しかし、一般のアマチュア・ゴルファーにとって、コースの難易度は 必ずしも スクラッチ・ゴルファーと同じになる訳ではなく、コースの難易度は二つの数値、即ち、コース・レイティングとスロープ(詳細後述)を使った方が 前述のハンデの目的に より即したシステムになると言うのが 現在の USGA のハンディキャップ・システムの考え方で、今回、JGA は それに準じる規定に変更する決定をした。

スロープ とは、例えば、100前後のスコアでラウンドすることが多いゴルファーの場合は 池が沢山あるだけで そのコースは難しくなるだろうが、スクラッチ・ゴルファーにとっては 必ずしも そうはならない。そうした実態に鑑み、アメリカでは新しい尺度、スロープ・レイティング (Slope Rating) が生まれ、それが コースの難易度を示す二つ目の物指しとして広く普及し、ハンディキャップの算定にも 用いられるようになったという経緯がある。

スロープ・レイティングも コース・レイティング同様 数字が大きいほど難しいコースになるが、理論的には 55~155 の間の数字になるもので、スロープが 117 くらいで 平均的な 難易度のコースだと言われている。例えば、コース・レイティング 73.8、スロープ 130 のコース (A) と コース・レイティング 73.1、スロープ 138 のコース (B) を比べた場合は(どちらも パーが 72 であれば)A の方が上級者には難しく、初心者には B の方が難しいコースになると言うことだ。いずれにしても、スロープが 130以上であれば非常に難しいコースだし、それが稀に 150 以上のコースもある。そして、スロープは 以下のように ハンデの計算に使われる。

ハンデの計算式

USGA ハンディキャップ・カード
USGA のシステムは 通常 直近の 20ラウンドをベースに(旧 JGA は 10)算出し、プレーした しないに拘らず、定期的に更新される。勿論、全てのスコア提出が原則だ。その結果、右 GHIN カードのコピーのような形で 表記される。これらのスコアは Equitable Stroke Control というルールによって 1ホールごとの最大ストロークを 以下の通り調整したもので 通常は 実際のスコアより低いスコアが 含まれる。

ハンデ
1ホールごとの
最大ストローク
9 以下
ダブルボギー
10 - 19
7
20 - 29
8
30 - 39
9
40 - 49
10
50 以上
11
つまり、大タタキしたホールがあった場合は それを この表の最大ストロークに置き換えて トータルのスコアを計算し直す訳だ。そして、ベスト 10 ラウンド (1/2) のハンデのインデックスを次のように計算し、その平均値を出す。

ハンデ計算式

ただし、10 ラウンドしかしていない場合は ベスト 3 ラウンドのスコアで計算することになっており そんな場合は 変則的だ。

そうして計算されたものが、そのゴルファーのハンデの (USGA) インデックスになる。上の例で見ると、73, 76, 75, 75, 76, 74, 73, 71, 74, 72 というスコアが取られ、それぞれのスコアから算出されるインデックスには、そのコースのコース・レイティングとスロープの数字が計算式に従って使われる。 さらに、公式のトーナメントに参加している場合は その年のトーナメントのベストスコア 2つがハンデ計算の対象になり、最終調整がなされる。この例では トーナメントの 75 (2.1)、75 (2.1) というスコアが選ばれているが、過去 1年間のトーナメントの中から低いスコア 2 ラウンドのスコアが選ばれるので カードに明記されていないスコアが ハンデの計算に使われることもある。

補足説明

一方、それぞれのコースのハンデは、逆にインデックスからコース・レートとスロープを使って計算すれば、算出できる。難しいコースであれば、インデックスが 3.0 の人でも、そのコースでプレーする時のハンデは 4 というようなこともあるし、逆に、易しいコースであれば 2 ということもある。ハンデを使ったトーナメントでは このインデックスによって出場者全員のそのコースでのハンデを計算し それに基づいて競技が行われなければ 公正なハンデ競技とは言えないはずだ。しかし、旧 JGA のハンデでは その点に難点があった。新規定によるハンディキャップ・インデックス(小数点第一位まで表示)を使えば、それが よりきめ細かに行える点は 大きな進歩だと言えよう。

最後に、参考までに 新旧システムの違いについて もう少し詳しく説明すると、旧 JGA の規定では (Score - Course Rating) x 0.96 という数式で インデックスを計算たが、新規定に当てはめると それは どのコースも スロープ 117.7 相当で 計算していたのと同じことになる。ただし、旧 JGA の Equitable Stroke Control の仕方は USGA のシステムとは異なり、より多くのストロークの調整がなされるもので、例えば、ハンデ 3 の人のスコアの調整は ハンディキャップ 1~3 までの 3 ホールで 最大ストロークが ダブルボギーになるが それ以外のホールでは ボギーにまでスコアが調整される システムだったから それがダブルボギーになる新システムより ハンデが若干低くなる傾向があったとも言えよう。

いずれにしても、今回の改訂によって JGA のハンデが世界標準に準拠することになり、且つ、ハンデを使った競技の公平性が高まった訳だから 望ましいことではあろう。すべてのゴルフ場で 直ぐに コース・レイティングとスロープの表示がなされるようになるか やや不透明な部分もあるが、新規定の導入が ゴルフ競技の普及に一役買ってくれることを期待したい。

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