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腕力に頼らないゴルフ・スイング

腕力 一般的に ボールを力強く打って遠くに飛ばそうと思えば 腕力に頼るという発想になるが、腕力に 頼らなくとも ボールを遠くに飛ばすことは出来る。と言うよりも、むしろ、腕力に頼らないゴルフ・スイングの方が ボールを遠くに飛ばすことが出来るという話である。

腕力に頼らずに インパクト・ゾーンで クラブヘッドを 効率良く 走らせるためには 肩の回転とリストターンの動きに頼ることになるが、通常、腕の動きを中心にスイングを組み立てると、腕の動きに肩の回転も リストターンのタイミングも左右されることになる。その結果、肩の回転は腕の動きに引っ張られる形で遅くなってしまうし、リストターンのタイミングや効率も腕の動きに左右されて悪くなってしまう訳だ。

一方、腕の動きを 肩の回転運動とリストターンの最適化を図ることに主眼を置いて その振り幅やスピードを調整することで、全く異なったコンセプトのスイングが完成することになる。個人差は多少あろうが、肩の回転運動とリストターンの最適化を図ろうとすれば(腕力に頼るゴルフ・スイングに比べて)腕の力を 少し抜いて その振り幅を小さくし、フォワード・スイングでは 腕を 肩からぶら下がったような形で ゆっくり振ることになるはずだ。そして、左腕の肘は必然的に 伸びることになるだろう。左腕の肘が曲がってしまうと言うことは、ある意味、肩の回転運動とリストターンを上手く使ったゴルフ・スイングが出来ていないということでもある。(ただし、それでもボールを上手く打てる人が居ることは事実。)

結果として、インパクトゾーンでの肩の回転運動とリストターンの角速度(Angular Velocity)は 格段と早くなるはずだ。因みに、角速度とは 一秒間に何度(即ち、何ラジアン)回転したかと言う概念で、その単位は rad/s で表される。腕力でボールを飛ばそうとすれば 腕の動きは早くなるだろうが、肩の回転は どうしても遅くなる。しかし、インパクト・ゾーンでの肩の回転とリストターンの角速度を速くすれば 腕の動きは遅くとも 円運動の特性と てこ (leverage) の原理が働くから、ヘッド・スピードは想像以上に速くなるのである。参考までに もう少し 補足すると、角速度は 角運動量(Angular Momentum)に係わる概念で、角運動量は 回転する物体が持っている運動エネルギーの強さを表す 物理量だ。そして、等速度円運動をする物体では その物体の慣性モーメント(Moment of Inertia)と 角速度(Angular Velocity)の積が角運動量になると言うことだ。

ゴルフ・スイングに係わる回転(円)運動は 等速度円運動ではないが バック・スイングで 加速、減速、静止、そして、フォワード・スイングでも 加速、減速、静止 という 一連の円運動を ベースにした動作が行われる。バック・スイングで 角運動量を 貯め込み、フォワード・スイングでそれを放出する訳だが、インパクト・ゾーンでの肩の回転と リストターンの角速度を 速くすれば、腕の力に頼らずとも、腕とクラブの長さを てこの原理のように 利用して クラブヘッドのスピードを速く出来るという理屈である。直線運動ではなく、円運動の特性と てこの原理を 組み合わせることで ヘッドスピードを 最も 効率良く 加速出来る という仮説に基づいたスイング理論になる。

とは言え、下半身と腕の動きが 肩の回転とリストターンを上手くサポートしなければ、このスイング理論は砂上の楼閣になってしまう。正しいタイミングで 肩の回転の角速度を 最速に出来るように フットワークと腰の回転を行い(» 詳細)、また、リストターンのタイミングを 最適にするように腕を振ることによって(» 詳細)トータルとしてベストな結果がもたらされるというメカニズムだからだ。なお、腕の動きは リストターンのタイミングの最適化に加えて 舵の役割も担う必要があることは お忘れなく。

ゴルフスイングの連続モーション

力強いボールを打つには 上の連続モーションの 6 - 7 のポジションで クラブヘッドのスピードが最も早くなれば良い訳だが(黄緑のラインに注目)肩の回転は それよりも 少し速く 5 から大きな角度の回転を スタートさせ、5 - 7 で(青のラインに注目)大きく 速く 回転するのが理想である。一方、腰の回転は 肩の回転よりも さらに 少し速く 4 から 大きな角度の(速い)回転をスタートさせ、6 で 一度止まるようなイメージで(水色のラインに注目)4 - 6 で 右脚を蹴り、5 - 7 では 左脚が ピボット・フットになって その力を受ける仕組みだ。そして、5 - 6 で 腰が 6 - 7 の肩の回転を促す形で 上半身を 回転させてやれば良いことになる。肩の回転を 早くするタイミングで 腰の回転を止めるように 5 - 6 で 左脚を ピボット・フットとして使うことで 作用と反作用的な連鎖が起きて 肩の回転は 驚くほど速くなるが、その為には 右脚の蹴りと左脚のピボット、即ち、フットワークを 上手く使う必要がある。 » 詳細

なお、腕はリストターン(クラブのリーリース)のタイミングを 最適化し インパクト・ゾーンでのリストターンの角速度を 最大にするように振ることに注力し(» 詳細)パワーソースとしての利用は 考えない(もしくは、二次的なものにする)というのがポイントであるが、そうした形で腕を動かせば、肩の回転を より速いものにすることにも プラスの効果があるだろう。

上述した理論通りのフォームにするかどうかは別にしても、腕力に頼らないゴルフ・スイングというスイング理論の中には 何か 貴方の役に立つ 新しい発見がある可能性は高いはずだから、是非 その打ち方を 練習場で 試して研究して欲しいものである。

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